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レアル・マンCの不調、バルサ・リバプールの好調
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2024年11月24日

ラ・リーガ、プレミアの昨季王者であるレアル・マドリード、マンチェスター・シティが不不振に喘いでいる。なぜ両チームの調子は上がらないのか? ライバルのバルセロナ、リバプールは好調なのか?レオザ氏、小澤一郎氏、木崎伸也氏に分析してもらった。 <ゲスト> 小澤一郎|サッカージャーナリスト 1977年京都...
サッカービッグクラブの明暗を分ける要因は?レアルとシティの不振、バルサとリバプールの躍進を専門家が徹底分析
ヨーロッパサッカーでは、レアル・マドリードとマンチェスター・シティという王者が苦戦する一方、バルセロナとリバプールが快進撃を続けている。この明暗を分ける要因は何なのか?サッカー専門家たちによる深い分析から、現代サッカーの本質が見えてくる。

Q. レアル・マドリードの不振の最大の要因は何ですか?
レアルの最大の不振要因は、トニ・クロースの引退とキリアン・ムバッペの加入によるチーム編成と枠組みのギャップが埋められていないことです。これにより機能不全に陥っています。ムバッペは点数をある程度取っていますが、決定力の面で明らかにスランプに陥っています。データを見ると1点取るのに9本以上シュートを打たないと得点できていない状況です。
ムバッペはマドリードに憧れて移籍しましたが、自分からチームに馴染む必要があるという初めての経験をしており、メンタル面での自信のなさが見られます。シュートの場面でも迷いが生じており、パリ・サンジェルマン時代なら考える余地なく打っていたところで、今は一瞬の躊躇が見られます。
Q. ムバッペとビニシウスの共存が難しいのは何故ですか?
両者の問題は、ポジションと選手としてのステータスが似すぎていることにあります。ビニシウスが左ウイングのポジションを確立している中で、ムバッペも左から流れてボールを受けて仕掛けるプレーが得意です。しかし現状ではビニシウスの位置が固定されているため、ムバッペはその得意なプレースタイルを発揮しにくい状況に置かれています。
これはチーム構造的な問題で、アンチェロッティ監督は毎試合システムや人選を変えて模索していますが、なかなか定まっていません。特に問題なのは、クロースの不在によって攻撃のビルドアップのスタートがうまく機能していないことです。
Q. ムバッペはチームの人間関係で問題を抱えているのでしょうか?
チーム内には国籍によるグループ分けがある程度存在します。レアル・マドリードではブラジル人選手グループとフランス人選手グループが多く、完全な派閥とまでは言えなくても、グループで固まる傾向があります。
現在チームとしてはビニシウスを中心に結束ができているため、ムバッペの中に妬みや嫉妬が生じている可能性はあります。ビニシウスがゴールを決めた時にムバッペがあまり喜んでいないように見える場面もありました。これはビニシウスが活躍すればするほど、自分にプレッシャーがかかるためかもしれません。
Q. レアル・マドリードの戦術的な問題点は何ですか?
レアル・マドリードには選手間の関係性とヒエラルキーが大きく影響します。バルセロナのような戦術よりも、人間関係や選手の実績がピッチ上に出やすいチームです。現在はそのヒエラルキーがぼやけた状態で派閥的な問題も影響しています。
さらに、ビニシウスとムバッペが守備で貢献しないという問題があります。過去のレアルでもロナウドとベンゼマが守備をしないことがありましたが、その時はカルバハルとマルセロのサイドバックが高い位置で失わずクロスの精度も高く、ポゼッション率も高かったため成立していました。現在はカルバハルの不在やクロースの引退、モドリッチの立場変化などもあり、2人に守備させないだけの後方のクオリティが不足しています。
Q. マンチェスター・シティの不振は何が原因なのでしょうか?
マンチェスター・シティの現状は、使える選手でやっているサッカーとしては必然の現象です。特にロドリの不在が大きく影響しています。コバチッチは頑張っていますが、バロンドールを獲得したロドリのレベルには及びません。
また、ディフェンスラインの選手に問題があります。シンプソン=プシーなどの若手選手や、クロス対応や裏を警戒する先回りが苦手なリコ・ルイスなどを使わざるを得ない状況です。通常はディフェンスラインが緩んでいる時にアンカーがカバーできますが、そのカバー役も不在で、ディフェンスライン自体も怪我人が増えています。
ペップのサッカーは後ろからボールを繋いで攻撃を作る形なので、ディフェンスが不安定だとメンタル的に攻撃の判断にも影響します。この土台が揺らいでいるため、全体のパフォーマンスが低下しています。
Q. マンチェスター・シティは今後復調する可能性はありますか?
ディフェンスラインの選手が怪我から復帰すれば、かなり状況は変わるでしょう。コバチッチ自体は加入時の期待以上の活躍をしています。フォーデンのコンディションも最高時と比べて良くなく、左ウイングのマテウス・ヌネスもボールは失わないものの、攻撃に破壊力を与えるフォデンやグリーリッシュのようなプレーヤーではありません。
現状は怪我人の影響が大きく、ペップでもどうしようもない状況と言えます。短期的な対策としては、もっとハーランドをシンプルに使うことが考えられます。実際にクロスを入れてハーランドが決めているケースが多いのですが、ペップの哲学としてはそのようなシンプルな攻撃を好まない傾向があります。
Q. バルセロナの好調の理由は何ですか?
バルセロナの好調は、ハンジ・フリック監督のハイプレス、ハイラインの超コンパクトサッカーによるものです。特定の個人に依存せず、全員がハードワークをしている点が特徴です。これにより無名だったマルク・カサドのような選手が常にスターティングメンバーとして活躍できています。
フリック監督は戦術革命だけでなく、フィジカル革命も起こしています。フィジカルの定義を変え、大柄で走れる選手だけでなく、カサドのように小柄でもボールを奪取する頭の良さと予測能力があれば、良いポジションを取ってボールにダッシュできるという考え方を取り入れています。
Q. シャビ監督の時代との違いは何ですか?
シャビ監督の時代に積み上げたベースはありますが、フリック監督になって大胆に全体のラインを上げ、特にボールを失った後の即時奪還という部分で大きく異なります。
フリックは典型的なドイツのレッドブル流のサッカーを導入していますが、スペインのカタルーニャにあるバルサのDNAをうまく活用しています。レッドブル系のチームのように縦に早いだけでなく、ペドリやダニ・オルモのような選手が絡むとワンテンポを遅らせたり間を作ったりするなど、バルサならではの要素を融合させています。
また、選手に応じたカスタマイズされたハードワークを要求している点も特徴です。ラフィーニャには徹底的に走ることを求め、山中忍には少しポジションさえ取れば他の選手がカバーするという形で調整しています。
Q. リバプールの好調の要因は何ですか?
リバプールの好調は、攻撃のポジショニングをマニュアル化したことが大きな要因です。特にアンカーのライアン・グラヴェンベルフが覚醒しており、センターバックやディフェンスラインにかかるプレッシャーの裏を取るポジショニングを徹底しています。
クロップ時代は選手によってそのポジションを取れたり取れなかったりしていましたが、スロット監督はこれを明確に指示しています。フィジカル的にも技術的にも優れたグラヴェンベルフがこのポジションを取ることで、チームが大崩れしない土台ができています。
さらに、攻撃においても縦へのダイレクトなプレーを重視しており、サラーなどの前線の選手が力を発揮しやすい環境を作っています。
Q. クロップ時代とスロット監督の時代の違いは何ですか?
スロット監督の下では、サッカーの機能性や有機性が高まっています。クロップ時代は選手の感覚に任せる部分が多かった一方、スロット監督はより明確なポジショニングの指示を出しています。
しかし、クロップの最大の遺産は戦術面よりも、むしろ人材面にあります。クロップは遅刻の多い選手を放出するなど、チームに合わない選手を厳格に扱い、良い人間性を持つ選手を残してきました。その結果、現在のスロット監督の下で選手たちがしっかりとボスに従い、リバプールのカラーを体現しているのです。
今後の課題としては、現在の好調が一時的な波に終わらないよう、例えばケガによる主力選手の離脱などの困難な状況でもチームが崩れないマネジメントができるかどうかが重要です。