MONEY SKILL SET EXTRA
前澤友作に資本主義を問う【前澤友作vs後藤達也】
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2024年11月16日

株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを一流のプロの講義を受けて学ぶMONEY SKILL SETの応用編。今回は特別編として「国民総株主」を掲げた新ビジネスを立ち上げた前澤友作氏にインタビュー。後藤達也氏が特別出演。 <ゲスト> 前澤友作(実業家/カブ&ピース株式会社代表取締役社長) ...
前澤友作「お金配りはもう古い」今、目指す「国民総株主」という新たな道
現代の資本主義の形を変えるべく、新たな挑戦を始めた前澤友作氏。ZOZOを8000億円で売却し、第二の人生をスタートさせた彼が描く未来とは。

Q. 前澤さんが考える現代の資本主義の問題点は何ですか?
一部の資本家にとっては都合が良く、さらにお金が儲かるシステムになっていると感じています。お金持ちになるほど良い情報が入り、儲かりそうな投資機会も増え、信用も得られ、レバレッジも効く。一方で、毎日頑張って働いても、お金や軍資金がなく株の投資もしたことがない、不動産も持ったことがないような方々にとっては、資本主義は冷酷なシステムです。つまり、一部の人たちにとっては都合が良いけれど、多くの人たちにとってはそれほど良くできたシステムとは思えません。
Q. お金持ちになるにはどうすればいいのでしょうか?
これは簡単です。自分で出資した自分の会社を大きくすることです。資本主義のいろんな仕組みは、それを行う人にとって一番有利にできています。願わくば上場させて、さらに大きくしていくという方法が、一番手っ取り早くお金持ちになる道です。
Q. ZOZOを8000億円で売却された後、お金に対する考え方は変わりましたか?
お金がさらに欲しいという欲求はまだちょこちょこありますが、なかなか使い道がなくなってきました。例えば宇宙旅行のような大胆な使い方をしないと使い切れません。ただ、街角で食べるラーメンの美味しさを感じたり、たまに牛丼を食べに行ったりすることは皆さんと同じです。大きなお金を使おうとなると選択肢が限られてくる、そんな感覚です。
Q. 「中途半端な資本家」と自身を表現されていますが、どういう意味ですか?
資本主義の頂点で様々なことをコントロールしている人々から見れば、私はまだ「鼻くそレベル」です。かといって、資本を持たない多くの人々からすれば、とてつもないお金持ちに見えるかもしれません。影響力や動かせる資本の量という点から見ても、この大きな資本主義というマクロの中での自分のポジションは中途半端だと感じています。
Q. 宇宙旅行を経験して価値観に変化はありましたか?
宇宙から見た地球は美しすぎて、はかなく感じました。そんな地球を前に「私は世界を変える」などと我儘な発言をすべきではないと思いました。70億、80億人のうちの一人の、地球上の片隅に住まわせてもらっている小さな存在なのだと強く感じるようになりました。そのため大きな野望や大胆なビジョンよりも、日本や地域、地元、友人、家族を見るという方向に視点が向かうようになりました。
Q. 株アンドピースの事業内容について教えてください
簡単に言うと、サービスを利用してくださった方に対価として、インセンティブとして株を提供します。株アンドピースという会社の自社株をプレゼントするのです。
提供するサービスは電気、ガス、モバイル通信(MVNO)、インターネット回線、ウォーターサーバー、そしてふるさと納税の6つです。これらのどれかを利用していただくと、株式をインセンティブとしてお渡しします。つまり、電気代が株になり、ガス代が株になり、気づいたら株がどんどん貯まっていく仕組みです。将来的には上場も目指しているので、持っていた株が価値を上げる可能性もあります。
Q. なぜポイントではなく株なのですか?
ポイントは企業側からするとお客さんの囲い込みにしか過ぎません。逃げていって欲しくないから、ずっと使ってほしいからポイントをばらまいて、自社の経済圏に囲い込む戦略です。しかし結局、1ポイントはずっと1円のままで、価値は変わりません。
一方、株であれば、その時点から株主になっていただけるので、同志といえます。私も経営者として株を持ちますし、お客さんも同じように株を持っていただく。同志としてこの経済圏を一緒に盛り上げていきませんかという提案です。願わくば上場も一緒に目指したい。そうすれば、お渡しした株の価値も一緒に上げていくことができます。1ポイントは1円のままですが、株は将来的に価値が上がる可能性があるのです。
Q. 利用者が増えると株が希薄化する心配はないのですか?
一見、利用者が増えると株を持つ人も増えるため希薄化すると懸念される方もいますが、利用者が増えれば売上と利益も同様に増加します。また、ユーザーが増えれば増えるほどネットワーク効果や規模の経済が働き始め、様々な面での効率が向上し利益率も改善します。
つまり、ユーザーの増加は単純な希薄化ではなく、それより早いペースで売上や利益が拡大していけば、その希薄化をカバーできるだけの価値の上昇が見込めるのです。
Q. 株は上場までは売却できないのですか?
はい、売却できません。上場までは現金化できないものとして持ち続けることになります。もちろん、お渡しする株は未公開株の状態でまずお渡しします。それを売却していただくためには、私たちが東京証券取引所などの取引所に上場して、皆さんがお持ちの株を売却できる状態にしなければなりません。そのため、上場はなるべく早いタイミングで目指します。
Q. 今回の取り組みの目的は何ですか?
私の第二の人生のテーマは「国民総株主」です。みんなに株を持っていただきたい。まずは日本人、成人でもいいと思いますが、みんなに株を持ってもらいたいのです。
8000億円の会社の株の40%近くを持って売却し、お金が入ってきました。そのお金を使って次にどういうチャレンジができるかと考えた時、もうお金配りではなく、社会にインパクトのあること、そして日本にとって良い方向につながるような何かに使いたいと思いました。
アメリカの人の株式投資比率は5割近くまで達していて、家計に占める金融所得の割合も日本より高いです。一方、日本の株式投資家比率はまだ2-3割程度。株式投資家が増えれば増えるほど、マーケットが盛り上がり、企業も資金調達しやすくなるといった良い効果があるのではないかと考えています。
資本主義という仕組みを全ての人たちが活かしつつ幸せに人生を過ごす手段がないものかと考えた結果、ちょっとでもいいからみんなが資本を持つべきだという結論に至りました。資本主義における経済に少しでも自分が主体的に関与できるような状況を皆さんに作っていただく。つまり株を持ってもらって、もっと主体的に経済に参加してもらいたいのです。