PIVOT TALK FOOTBALL
2026年W杯、どこよりも早い優勝可能性徹底討論
(37)
2,152回視聴
2024年10月14日

アジア最終予選を圧倒的な強さで勝ち進んでいる日本代表。現時点の戦略で2026年W杯ではどこまで進めるのか?優勝の可能性もあるのか?3人のジャーナリストに徹底討論してもらった。 <ゲスト> 木崎 伸也|スポーツライター 1975年、東京都生まれ。2002年夏にオランダへ移住。翌2003年から6年間、...
2026年ワールドカップ 日本代表は優勝できるのか?専門家3人による最速分析
2026年ワールドカップの開催が北中米で予定される中、日本代表の優勝可能性について早くも議論が始まっている。木崎伸也氏、三村裕介氏、垣内昌之氏という日本サッカージャーナリズム界を代表する3名が集まり、日本代表の可能性を徹底分析した。

Q. 2026年ワールドカップで日本代表はどこまで進めるか?
ベスト8が現実的な目標と考えられる。日本代表の歴史的な壁はベスト16であり、これまでの最高成績はベスト16止まりだった。しかし、次回大会では参加国が48カ国に拡大され、各グループ上位2チームに加え、3位チームの中から成績上位8チームも決勝トーナメントに進出できる形式となる。この新しい形式により、ベスト32への進出確率は非常に高くなる。
また、FIFA世界ランキングの向上により、日本はポット2に入る可能性が高い。前回大会ではポット3だったため、強豪国と同じグループに入る確率が高かったが、今回はその可能性が下がる。組み合わせ次第では、グループステージ突破後もベスト8まで十分に進める可能性がある。
三村氏は「現時点ではベスト16が限界だが、この先2年弱をうまく過ごせば、ベスト8、さらにはベスト4も視野に入る」と指摘。垣内氏も「グループリーグの成績次第では弱いチームと当たることもあり、最低でもベスト16は行くだろう」と分析している。
Q. 組み合わせはどうなる可能性があるか?
開催国であるアメリカ、カナダ、メキシコは自動的にポット1に入る。その他の国はFIFAランキング順にポット分けされる。日本は現在ランキング20位以内に入っているため、ポット2に入る可能性が高い。
木崎氏によると、仮にメキシコと同じグループになった場合、メキシコシティ(標高2240m)での試合となる可能性がある。高地での試合は選手に大きな負担となるため、事前の高地トレーニングが必要になる。また、アメリカ大陸は広大なため、試合ごとの移動距離が長く、気候も大きく変わる可能性がある。
「ロサンゼルスからヒューストンへの移動は飛行機で3時間程度。この長距離移動が選手のコンディションに大きく影響する」と木崎氏は指摘する。三村氏も「香川選手によると、2014年の大会では3時間以上の飛行機移動が翌日の試合に大きな影響を与えた」と補足した。
理想的なのは、カナダと同じグループに入り、バンクーバーやシアトルといった近距離での移動で済む西海岸エリアで試合を行うことだろう。
Q. 最大のライバルはどこか?
3氏全員が南米勢を最大の障壁として挙げた。特にブラジルとアルゼンチンは優勝候補筆頭だが、コロンビアやウルグアイなど他の南米諸国も非常に強力である。
「日本は南米チームに対して相性が良くない」と垣内氏。三村氏は「2014年ブラジル大会のコロンビア戦が最もアウェイを感じた試合だった」と振り返る。スタジアム内が黄色一色となり、完全なアウェイ環境だった。
北中米での開催となる2026年大会では、南米諸国のサポーターが多数訪れることが予想される。「アメリカにはヒスパニック系の人口も多いため、南米チームとの対戦は完全アウェイになる可能性が高い」と三村氏は警告する。
さらに、アジア勢が南米チームに勝った例は非常に少なく、2018年の日本対コロンビア戦と2022年のサウジアラビア対アルゼンチン戦の2例しかない。
Q. 優勝に近づくための鍵は何か?
1. 森保監督のマネジメント
森保監督は「目の前の試合に勝つこと」と「日本サッカーの未来につながるかどうか」という2つの軸で判断を下している。三村氏は「日本対ドイツ戦では、この2軸をうまく機能させた素晴らしい采配を見せた」と評価しつつも、長期政権による弊害を懸念している。
例えば、記者会見を千葉県内で行うなど、自身の都合を優先させる傾向が見られる点を指摘。「日本サッカーの未来を考え、メディアと共闘するなら、もっとアクセスしやすい都内で会見を行うべきだ」と提言している。
また、2026年大会に向けて、森保監督が戦術だけでなく戦略にも目を向けることが重要だと三村氏は強調。「来年アメリカで開催されるゴールドカップやクラブワールドカップを視察し、移動の大変さやロジスティックスを体感することが必要」としている。
2. 理想と現実のバランス
木崎氏は「直前にやり方を変えることが日本の特徴」と指摘。2022年カタール大会では、ブラジル戦での手応えをもとに攻撃的なプレースタイルを採用し、ドイツとスペインを撃破した。
しかし、トーナメントで勝ち上がるには現実的なアプローチも必要だ。「日本選手は100%の力でプレーし続ける良さがあるが、タフな日程の中ではメンタルとフィジカルのコントロールが大事」と木崎氏は述べる。
2014年に優勝したドイツは、アメリカ大陸での大会では理想的なポゼッションサッカーを諦め、セットプレーを重視する現実的なアプローチを採用した。日本も理想と現実を使い分ける「二刀流」の戦い方が必要だ。
3. コンディション管理とPK対策
垣内氏は大会期間の延長(約40日間)を指摘し、長丁場でのコンディション管理の重要性を強調。「どこにピークを持っていくかが大事」と述べる。
また、PK戦に強いゴールキーパーの育成も課題として挙げた。「ベスト8に行くには2試合程度のPK戦を想定しなければならない。PK戦に強いキーパーがいれば大きなポイントになる」と垣内氏。
さらに、分析面での強化も不可欠だ。「カタール大会後の検証で、分析面でさらに強化できる点があった」と垣内氏は指摘。特に決勝トーナメントでは対戦相手が直前まで決まらないため、複数パターンの分析を準備しておく必要がある。
Q. 今後の展望は?
垣内氏は「10年前はイタリアの名将リッピ監督が日本のベスト8目標を笑っていたが、今は逆の立場になっている」と日本サッカーの成長を実感させる。
木崎氏はブックメーカーのオッズを引用し、「日本の優勝オッズは101倍。優勝は大それた目標だが、ベスト8は現実的」と語る。
三村氏は「戦術だけでなく戦略も考えていく必要がある」と強調。2026年大会の特殊性を理解し、それに合わせた準備が必要だと訴える。
今後の2年間で日本代表がどのように成長し、どのような準備を進めていくのか。2026年北中米ワールドカップに向けたカウントダウンはすでに始まっている。