
人気英語YouTuberが教える効率的な英語学習
効率的な英単語学習法:ネイティブとのスムーズなコミュニケーションのために
英語学習において単語力は欠かせない要素だが、どのくらいの単語数を覚え、どのように学習すれば効果的なのだろうか。英語YouTubeチャンネル「あつ英語」のATSUが、効率的な単語学習方法とビジネスシーンで使える英語力を身につけるポイントについて語った。

Q. ビジネスで使える英語になるために必要な単語数はどれくらい?
一般的に日常英会話では3,000〜4,000語が必要と言われていますが、それでは少なすぎます。その程度の語彙力では自分の言いたいことを大枠で伝えることはできても、ネイティブの返答を理解するのが難しくなります。
ネイティブの成人は2万〜3万語の語彙を持っているため、こちらが3,000〜4,000語しか知らないと、コミュニケーションが成立しない場面が多くなります。特にビジネスシーンでは複数のネイティブが集まる中で会話することも多く、そのような状況では相手は語彙レベルを下げて話してくれません。
日常会話もビジネス英語も、トピックによって必要な語彙レベルが変わるだけで、基本的な構造は同じです。円滑なコミュニケーションのためには約1万語の語彙が必要だと考えています。
Q. 1万語というと多すぎる気がしますが、どのような内訳ですか?
1万語は確かに多く感じますが、これは3つの構成要素に分けられます:
1. 中級単語:英検2級〜準1級レベルの単語で約6,000語
2. ネイティブがよく使うフレーズ・表現:約2,000語
3. 上級単語:TOEFL、IELTS、英検1級レベルの単語で約2,000〜4,000語
これらを合わせると1万〜1万2,000語になります。さらに、義務教育で習う基礎単語(約1,500〜2,500語)を加えると、合計で約1万4,000語になります。
Q. これだけの単語を覚えるのにどれくらいの時間がかかりますか?
3つの構成要素それぞれに200〜300時間、合計で500〜600時間の学習時間が必要です。1日3時間勉強すれば、5〜7ヶ月で習得できる計算になります。
ただし、単語学習だけでなく発音や会話の練習も必要なので、1〜2年くらいのスパンで語彙力を身につけていくのが現実的でしょう。
Q. 効率よく単語を覚えるコツはありますか?
「高速回転」という方法が効果的です。これは短期間で一周し、そのサイクルを何度も繰り返す方法です。
例えば、300分の学習時間があり、100個の単語を覚えるとします。1単語に3分ずつかけて1回だけ学習するより、1単語1分で3回繰り返す方が記憶の定着率が高いです。これはエビングハウスの忘却曲線という科学的な理論にも裏付けられています。
多くの人は1回で完璧に覚えようとして時間をかけすぎますが、それよりも最初は「覚えられない」前提で進め、繰り返しによって徐々に定着させる方が効率的です。
Q. 1単語1分の中で具体的に何をすればいいですか?
1分の中で行うべきことは3つだけです:
1. 単語を見て意味を確認する
2. 発音記号を確認して発音する
3. 簡単な英文をその場で作成してアウトプットする
これを淡々と繰り返していくのが最も効率の良い学習法です。ただし、発音記号を読めることが前提条件となります。正しい音で覚えないと、聞いた時に理解できなかったり、自分が話した時に相手に伝わらなかったりします。
カタカナ英語や雰囲気で覚えると、後で発音を覚え直さなければならず非効率です。だからこそ、単語学習の前に発音の基礎知識を身につけることが重要です。
Q. 単語学習を続けるためのポイントは何ですか?
最も重要なのは「感情に飲まれないで淡々と進めていく力」です。人間は学習を進める中で挫折感を味わうと、やり方を変えたくなります。1単語1分のルールを守っていたのに、「もう少し時間をかけた方がいいのでは」と考え始め、一貫性が失われます。
これは投資と似ています。長期的には正しいロジックでも、短期的な下落に感情が揺さぶられて売ってしまうようなものです。サイコパスっぽく聞こえるかもしれませんが、「いい意味で感情を失う」こと、つまりロボットのように淡々と続ける力が英語学習だけでなく仕事においても重要なスキルです。
Q. どのような単語帳を選べばいいですか?
まず自分のレベルを知ることが大切です。書店で中級単語帳をパラパラめくり、どれくらい意味がわかるか確認してみましょう。
中級単語の7割未満しかわからない→中級単語帳からスタート
中級単語が9割以上わかる→ネイティブフレーズに集中
中級単語もネイティブフレーズも9割以上わかる→上級単語に進む
全ての基準点は中級単語です。自分の現在地を確認してから学習の歩み方を決めていきましょう。
Q. 「Distinction」シリーズはどのような特徴がありますか?
Distinctionシリーズには主に6つの特徴があります:
1. 暗記時に例文と意味が見えない配置:半分に折ることで、単語だけを見て意味を思い出す練習ができます
2. 実用的な例文を必ず2つ掲載:ネイティブが日常で使う実用的な例文が各単語に2つずつ付いています
3. 音の変化・脱落を考慮した発音記号:リンキングなど、ネイティブの実際の発音を反映した発音記号を使用しています
4. 語源や由来の解説:イディオム表現などの語源を説明することで理解と記憶の定着を促進します
5. 語彙の意味を英語でも表記:同義語を英語で掲載し、英語のまま学習を進められます
6. 英語学習の全体像を把握:単語学習は英語力向上の一部分であり、全体像を理解した上で進めることが重要です
特に語源解説は記憶の定着に役立ちます。例えば "take it with a grain of salt"(話半分に聞く)という表現は、「塩と一緒に飲み込む」という直訳から、「味のないものは飲み込みにくいが、塩があると飲み込みやすくなる」という発想で生まれた表現であることがわかります。このような背景知識があると覚えやすくなります。
Q. 英語学習を始める前に知っておくべきことはありますか?
単語学習に入る前に最も重要なのは、英語学習の全体像を明確に把握することです。単語学習は全体の中の一部分に過ぎません。
中長期的に英語学習がどのように進んでいくのか、その道筋を理解することで、「今自分がどこにいるのか」がわかり、不安なく学習を続けられます。また、本当にやるべきことに集中できるようになります。
