BODY SKILL SET
40代のための食事・運動スキル【岡田隆】
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2024年9月28日

ビジネスパーソンのための体・心の鍛え方を一流の専門家から学ぶ。健康に良いものとして疑ってこなかったストレッチだが、科学的な根拠はどうなっているのか? <ゲスト> 日本体育大学教授。2012年から2021年まで柔道全日本男子チーム体力強化部門長を務め、2016年リオデジャネイロオリンピックでは史上初...
【40代のためのボディスキル10ヶ条】最も効果的な痩せる習慣って? 日体大教授・岡田隆が解説
体型が気になる40代に朗報。日本体育大学教授の岡田隆氏が、最も効果的な身体作りの方法を教えてくれました。まさかの「飲み会後のラーメン」も上手く活用できるというのは驚きです。

Q. 飲み会で食べ過ぎた翌日はどうすれば良い?
飲み会に行った後の対処法が重要です。実は飲み会後の行動次第で、かなりのダメージコントロールができます。私たちはよく「火消し」と呼んでいますが、飲み会で食べたものは体内に入って消化され、血液に入り、肝臓で代謝されて全身の細胞に分配されます。
この分配先が体脂肪細胞だと脂肪が増えてしまうので、分配先を筋肉に向けることが大切です。つまり、筋肉をエネルギーを欲している状態にすれば良いのです。
具体的には、飲み会後は歩くことをお勧めします。1駅分歩く、マンションの階段を使うなど、できる範囲で運動をしましょう。その後にお風呂に入って温まり、血液循環を良くして発汗すれば、水分補給も自然に行えます。そして十分な睡眠をとることで、翌日の活力が満たされます。
翌日の食事も変えることが重要です。朝食と昼食は、通常より脂質と糖質を控えめにし、食物繊維を多く取りましょう。そして夜にジムで軽く運動をすれば、ほぼリカバリー完了です。
さらに驚くべきことに、前日の飲み会で摂取したエネルギーを使って筋トレをすれば、逆に良い筋トレになる可能性もあります。飲み会で摂取した炭水化物が筋肉のグリコーゲンとして蓄えられ、それを筋トレで使い切れば無駄になりません。
Q. 飲み会の「しめのラーメン」はどうすれば良い?
しめのラーメンは美味しいですよね。ただし選び方が重要です。脂質と糖質の組み合わせは体脂肪になりやすいので、背脂たっぷりのラーメンは危険です。代わりに塩味のクリアなスープのラーメンを選びましょう。これならほぼ炭水化物だけなので、翌日の筋トレのためのエネルギー源として活用できます。
実は筋肉には「グリコーゲンストレージ」というガソリンタンクがあります。このタンクが空の状態でラーメンを食べれば、摂取した炭水化物はタンクを満たすだけで、太りにくくなります。そして翌日、そのエネルギーを筋トレで使い切れば良いのです。
ラーメン店を選ぶときも戦略的に考えましょう。「あのラーメン屋に行きませんか?」と提案して、自分にとって有利な選択をすることも一つの方法です。
Q. 痩せるために味覚を変えるとはどういうこと?
味覚は栄養素のゲートキーパーと言えます。食べたものを認知し、本当に必要かどうかを判断する重要なシグナルです。しかし現代人は、スマホを見ながら食事をするなど、味の認知に集中していないことが多いです。
食事に集中すると、様々な味を感じることができます。例えば、お酒の1杯目の一口目は非常に美味しく感じますが、2杯目からはそれほどでもなくなります。これは体が必要としている量を超えていることを示しています。
よく噛んで食べることも重要です。噛むことで舌の味覚センサーに食物がたくさん触れ、脳は「十分な栄養を受け取った」と認識します。逆に液体からカロリーを摂取する場合、噛まないため味覚センサーに触れる時間が短すぎて、摂取量をコントロールしにくくなります。
素材の旨味だけで楽しめるようになれば、無駄な調味料を使わなくても満足できるようになります。シンプルな料理の素材の微妙な違いを味わえるようになることで、健康的な食生活が実現できます。
Q. 移動は歩いた方が良いのはなぜ?
人類は歩くように進化してきましたが、現代では電車や車などの移動手段の発達により、体を動かさなくなっています。これは人類の歴史の中でもごく最近の変化であり、私たちの体はまだこの状況に適応できていません。
歩行は素晴らしい運動です。歩き始めは炭水化物をエネルギー源として使いますが、同時に約40%は脂質も燃焼しています。そして約20分歩くと、エネルギー供給への貢献は脂質の方が高くなります。
よく「20分以上歩かないと意味がない」と言われますが、それは誤解です。20分未満でも脂質は燃焼しているので、短い時間でも歩くことには価値があります。エレベーターの代わりに階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活の中で少しでも歩く機会を増やすことが大切です。
さらに、効率的な歩き方のコツもあります。60分連続で歩くよりも、30分歩いて10分休み、また30分歩く方が、後半の脂肪燃焼効率が高まります。これは休憩中に脂肪の分解と運搬が進み、筋肉で使う準備が整うためです。例えば筋トレをした後に少し休んでから買い物に行くと、脂肪燃焼しながら買い物ができる理想的な組み合わせになります。
Q. モチベーション管理のコツは?
体作りでは、心が動かないと何も始まりません。いくら理想的な方法があっても、続けられなければ意味がないのです。
多くの人は最初はモチベーションが高く、筋トレも食事も睡眠も完璧にしようとします。しかし、生活が激変し過ぎて続かなくなってしまいます。代わりに、生活を激変させない程度の小さな変化を少しずつ積み重ねていくのが良いでしょう。
プロの場合でも、世界選手権後などモチベーションが下がる時期があります。同じトレーニングをしても、心の状態によって体の反応は大きく変わります。実験では、モチベーションが下がった状態でのトレーニング効果は、モチベーションが高い時の1/6程度になることがわかっています。
体作りは短距離走ではなく、マラソンのようなものです。長く続けた人が最終的に勝ちます。そのためには、一瞬で燃え上がる強烈な炎よりも、弱火でコトコト続けられる方法を見つけることが重要です。
最低限これだけは守るという基準を設けましょう。例えば、筋力トレーニングなら前回扱った重量を下げないこと、睡眠なら7時間は確保すること、食事ならオートミールやプロテインを適宜活用することなど、自分にとっての最低ラインを決めておくと良いでしょう。
Q. 自宅トレーニングとジムトレーニング、どちらが良い?
自宅トレーニングとジムトレーニング、どちらにも価値があります。それぞれのメリットを理解して活用するのが良いでしょう。
ジムトレーニングの最大のメリットは効率の良さです。筋肉を成長させるという観点では、ジムの方が効果的です。しかし、ジムへの移動時間や準備の手間を考えると、必ずしも総合的な効率は良くないかもしれません。
一方、自宅トレーニングは移動時間がなく、いつでも、どこでも、どんな格好でもできるという利点があります。重要なのは、狙った筋肉に十分な負荷をかけられているかどうかです。
自分の体重を負荷にするトレーニングは、十分な効果を得られます。例えば、ブルガリアンスクワットは片足で体重を支えるため、かなりの負荷になります。これを継続すれば、足腰が強くなるだけでなく、お尻も引き上げられて足が長く見える効果も期待できます。
上半身なら、通常の腕立て伏せよりも、本やプッシュアップバーを使ってより深く体を下げる「ディーププッシュアップ」が効果的です。これにより大胸筋が強くストレッチされ、美しい形を作ることができます。
また、背筋運動では、手を伸ばしてから背筋を上げることで、加齢とともに丸くなりがちな背中を正しい姿勢に戻すトレーニングになります。
トレーニングの回数は、自分の限界までやるのが基本です。10回という固定概念にとらわれず、自分の体に合った回数を見つけましょう。筋肉を限界近くまで使うことで、筋肉のキャパシティを上げることができます。
自分に向き合い、自分だけの体を作っていくことが体作りの本質です。