PIVOT TALK BUSINESS
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2024年9月28日

かつて人気の就職先であった官僚。現在は、政治家との関係の変化や明るみになった内情などで、官僚離れが進んでいる。なぜ不人気になったのか元官僚の中野雅至氏に聞いた。 <ゲスト>中野雅至|神戸学院大学現代社会学部教授 1964年 奈良県大和郡山市生まれ。 1988年 同志社大学卒業。1989年 大和...
霞が関の官僚制度が危機を迎えている。かつてエリートの象徴として日本の行政を支えてきた官僚たちが、今「没落」の危機に直面している。彼らは過酷な労働条件と低下する社会的地位の中で苦しんでいるという。この状況は日本社会全体にどのような影響をもたらすのだろうか。

官僚とは、国家公務員の中でも特に一部の人たちを指す。一般的に、世界の国家公務員制度にはエリート公務員とそうでない人たちの区分がある。日本の場合、キャリア官僚と呼ばれる人たちが政策立案を担当している。彼らは政治家や大臣の意向を受けて、それをどう実現するかを考え、法律や予算という形にする仕事を担っている。
国会答弁の作成が最も長時間労働の原因となっている。国会で閣僚が質問を受ける際、その準備はほぼすべて官僚が行う。野党議員からの質問をあらかじめ聞き取り、それに対する答弁を夜通し作成して朝に大臣に渡す。コロナ対策室では月の残業時間が378時間に達したケースもあり、これは労働基準法が適用される民間企業では考えられない数字だ。
政治家が官僚をリソースとして尊重していないことが大きな要因だ。普通の企業であれば、従業員を使い捨てにするような働かせ方はしない。しかし、政治家は官僚を大切な人的資源と考えず、使い捨てる傾向がある。さらに、国家公務員には基本的に労働基準法が適用されず、「無定限無定量」という明治時代からの働き方の哲学が根付いている。
以前は民間企業と比較して高いと言われていたが、現在はそれほど高くない。特に長時間労働を考慮すると、年収600万円程度では割に合わないと感じる人が多い。民間企業、特にコンサルティング会社などに転職すると、年収が2〜3倍になるケースも珍しくない。労働時間と責任の重さに見合った報酬ではないという不満が広がっている。
1990年代半ばのバブル崩壊後の行政改革が大きな転換点となった。経済成長が鈍化し、少子高齢化による社会保障費増大の中で、政府の無駄を削減する必要が生じた。その標的となったのが官僚組織だった。問題は冷静な改革ではなく、「官僚が悪い」という感情論が広がったことだ。財務省に代表される官僚組織が日本経済の停滞を招いたという批判が強まり、官僚の権限や地位が次第に低下していった。
現在は完全に政治家が上の立場にある。かつては官僚が裏から政治を動かしていると言われていたが、2000年代以降、特に安倍政権下で内閣人事局が設置されて以降、政治家が官僚の人事権を握るようになった。これにより官僚の独立性が弱まり、政治家の意向に沿った行動を取らざるを得なくなっている。民主主義の観点からは政治家が主導権を持つことは正しいが、問題は専門知識を持った官僚をうまく活用できていない点にある。
最も象徴的なのは、東大生が官僚を志望しなくなっていることだ。かつては東大法学部からキャリア官僚になることがエリートコースとされていたが、今ではその人気が大きく低下している。また、若手官僚の離職率が高まっており、6000人近くが退職している。特に若い世代ほど「ブラックな職場で頑張っても将来性がない」と感じて転職する傾向が強い。
内閣人事局の設置自体は民主主義の観点からは正しい改革だった。選挙で選ばれた政治家が官僚の人事権を握ることは理にかなっている。しかし問題は、人事評価が客観的・透明性のあるものになっていないことだ。「お気に入り」や「覚えめでたき人」が出世するようになり、真面目に働いても評価されないという不満が広がった。さらに「官邸官僚」と呼ばれる一部の官僚だけが特権的な地位を得るようになり、官僚組織内部の分断が進んだ。これが官僚のモチベーション低下を招いている。
自衛官や警察官、消防士が足りなくなれば国民の安全が脅かされるという影響は分かりやすい。しかし事務労働者である官僚の不足は、すぐには目に見える形で影響が現れない。例えば、法律や予算の作成ミスが生じても、その影響が表面化するのは何年も後かもしれない。また、人材不足により法案や政策の質が低下すれば、長期的には国民生活に大きな悪影響を及ぼす可能性がある。「気がついたら手遅れ」になることが最も危険なのだ。
雇用の流動化を進め、専門性を高めたジョブ型雇用に移行することが一つの解決策となる可能性がある。官僚が特定の分野で専門知識を身につければ、大学教授やコンサルタントなど多様なキャリアパスを歩める。また、政治家と官僚の間に適切な関係性を構築することも重要だ。政治家が主導権を持ちつつも、専門知識を持つ官僚を尊重し、適切に活用する文化を育てていく必要がある。
※こちらは生成AIによるまとめ記事です。