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石破ショック、日本はどうなる?
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2024年9月28日

自民党は27日投開票の総裁選で石破茂氏を第28代総裁に選んだ。石破氏が総理になるとどのように日本は変わるのか? これからの日本の展望を東大大学院教授の内山融氏に聞いた。 <ゲスト> 内山 融|東京大学大学院教授 1966年東京都生まれ。1990年東京大学法学部卒業、同年通商産業省入省。1992年東...
自民党新総裁に石破氏が決定!日本の政治・経済はどう変わるのか
先週、自民党の新総裁に石破茂氏が選出された。この結果は多くの専門家の予想を覆すものだった。今後の日本の政治・経済はどう変わるのか。東京大学大学院総合文化研究科教授の内山融氏に聞いた。

Q. 石破氏が総裁に選ばれたことをどう分析しますか?
石破氏の勝利は意外な結果でした。世論調査では小泉進次郎氏の人気が高かったにもかかわらず、議員票をあまり獲得できませんでした。小泉氏は出だしこそ良かったものの、討論会での受け答えが不安定だったことが懸念されたのではないでしょうか。
また、高市早苗氏が党員票で1位になったことも予想外でした。世論調査では高市氏は3位だったので、世論調査と党員票の結果にずれがあったことになります。これは世論調査と自民党党員の意識の違いを示していると考えられます。保守派の党員から支持を集めたのでしょう。
Q. なぜ最終的に石破氏が選ばれたのでしょうか?
決選投票で議員票が高市氏を上回ったことが大きいです。石破氏は以前から党内での評判があまり良くなかったため、これは予想外の展開でした。
理由として考えられるのは、「自民党の刷新」という課題です。これだけ政治不信が高まっている状況で、自民党を変えるには石破氏しかいないと議員たちが判断したのでしょう。高市氏だと安倍路線の継続という色が強く出てしまいます。
これは2001年に小泉純一郎氏が総裁になった時の状況に似ています。当時も橋本龍太郎元総理が有力視されていましたが、自民党への不信感が強かったため「自民党を変えるには小泉氏しかいない」という心理が働きました。今回も同様の判断があったのではないでしょうか。
Q. 「石破ショック」と呼ばれる株価への影響はなぜ起きたのですか?
石破氏が総裁に決まる前まで日経株価は上昇していましたが、決定直後に下落しました。これには二つの要因があります。一つは、市場が高市氏の当選を期待していたこと。高市氏ならアベノミクス路線で株価も上がるだろうと見込まれていました。
もう一つは、石破氏の財政規律重視の姿勢です。石破氏はデフレ脱却を掲げていますが、同時に財政規律も重視しています。目先の経済を良くするためには財政拡大が必要ですが、日本は借金大国でもあり、財政収支の改善も課題です。この二つのバランスをどうとるかが石破氏の経済政策の注目点となります。
Q. 石破氏の政策で特に注目すべき点は何ですか?
地方創生は石破氏が以前から力を入れてきた分野です。東京一極集中の弊害が指摘される中、地方自治体の財政難や基本的な行政サービスの維持が課題となっています。石破氏はデジタル技術を活用した地方創生を提案しており、この分野での具体的な政策に期待が持てます。
また、賃金に関しては最低賃金を1500円台にすることを2029年の目標として掲げています。労働市場の柔軟化も重要で、雇用を守りながら労働市場の流動性を高めて日本全体の生産性を向上させる政策が求められます。
安全保障面では、石破氏は長年この分野に力を入れてきました。自民党政権のもとで防衛費の増額が決まっており、その路線は継続するでしょう。特に注目されるのは「アジア版NATO」の創設を公約に掲げていることで、地域間の安全保障体制構築の具体的な取り組みが見られるかどうかが注目点です。
Q. 石破氏のエネルギー政策はどうなりますか?
エネルギー問題は重要な課題です。特に現在はAIやデータセンターの増加で電力消費量が増大しています。一方で脱化石燃料の流れもあり、原子力発電と再生可能エネルギーのバランスが問われています。
石破氏は以前は原発ゼロを主張していましたが、総裁選では現実路線にトーンダウンし、原発は使用するものの再生可能エネルギーに力を入れ、原発依存は可能な範囲で減らしていくという姿勢を示しています。ただし、原発の新設や建て替えについては様々な課題があり、実現可能性については慎重に見極める必要があります。
Q. 外交面ではどのような変化が予想されますか?
日米同盟については、誰が総理になっても基本的な方針に大きな変化はないでしょう。ただ、高市氏が総理になった場合、保守派であるため、アジア諸国との関係、特に韓国との関係が懸念されました。岸田政権では韓国との関係改善が図られてきましたが、高市氏だとその流れが変わる可能性がありました。
石破氏であれば、アジア諸国との関係悪化の心配は少ないでしょう。アメリカも日本と韓国の良好な関係を望んでいるので、その点でも石破氏の選出は歓迎されるかもしれません。
Q. 今後の政治日程はどうなりますか?
10月1日に総理指名選挙が行われ、その後解散・総選挙となる見込みです。選挙の時期については、小泉氏は首相就任後すぐに解散すると主張していましたが、批判も出ています。予算委員会を行ってから選挙すべきという意見も強く、その場合は11月頃になるでしょう。
ただ、総裁選で盛り上がった世論の注目が冷めないうちに解散したいという思惑もあります。予算委員会終了後、できるだけ早いタイミングでの選挙が予想されます。
Q. 石破氏に期待することは何ですか?
日本の民主主義の再活性化です。石破氏は民主主義について深い見識を持っており、政治学者から見ても的確な意見を述べています。政治が不安定だと経済も不安定になりますから、国民の政治への信頼を取り戻すことが基盤となります。
石破氏には自民党政治を立て直し、政治への信頼を回復させることを期待します。また、立憲民主党との健全な競争を通じて、日本政治全体を活性化させてほしいと思います。
野田佳彦氏が立憲民主党の党首に選ばれたことで、中道寄りの二大政党による建設的な議論が期待できます。2012年に野田氏が総理だった時には、「税と社会保障の一体改革」で自民党と民主党が合意した実績があります。このように、政党間で議論が行われ、有権者に現実的な選択肢が提示される政治を期待しています