
橋下徹氏に聞く、政治への新提言:前編
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2024年8月24日
自民党総裁選を前に日本の政治が変わるための新提言「政権変容」の真意を元大阪市長で弁護士の橋下徹氏に聞いた。メディアのあり方、政治とカネの問題、野党間予備選について紐解く。 <ゲスト>橋下 徹|元大阪府知事/元大阪市長/弁護士 早稲田大学政治経済学部卒。1998年、橋下綜合法律事務所を開設。 ...
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政治と金問題、どうすれば解決する?橋下徹が語る「政権変容論」
政治とカネの問題が日本政治の根深い課題となっている中、橋下徹氏は従来の「政権交代」ではなく「政権変容」という新たな概念を提唱している。なぜ「変容」なのか、そして日本政治をどう変えるべきか—深掘りしてみた。
Q. 政治とカネの問題の本質は何ですか?
国会議員は国民と同じ納税ルールに従っていない。一般の国民は確定申告で領収書を提出し、税理士費用も払って納税義務を果たしている。一方、国会議員には政治資金に関して特別扱いがある。
政治献金を集めた時も税金がかからず、使う時も領収書なしで自由に使える。これが国民の怒りを買う最大の原因だ。
実は簡単な解決策がある。国民と同じ納税ルールに従わせ、税務署による厳格なチェックを入れることだ。政治家は「ノミニケーション(飲みニケーション)が必要」と言い訳するが、それなら領収書を出せばいい。見せられない理由が説明できないのが問題だ。
Q. なぜ「政権交代」ではなく「政権変容」を提唱するのですか?
2009年の民主党政権への政権交代で、多くの国民が失望感を味わった。与党経験のない議員がいきなり政権を運営するのは難しい。
現在、世論調査では政権交代を望む声が多いが、野党各党の支持率は低い。国民の気持ちとしては「自民党は嫌だけど、野党に任せるのも不安」という状態だ。
そこで提案するのが「政権変容」という中間ステップ。自民党が過半数割れした状態で、一部野党も入る形の政権運営をまず目指す。野党も経験を積み、将来的な政権交代につなげていく。政権交代という最終ゴールの前に、中間ポイントを設定する考え方だ。
Q. 政権変容を実現するために必要な条件は何ですか?
絶対条件は自民党・公明党の過半数割れだ。過半数を持っている限り、彼らは批判があっても変わらない。
例えば、維新の会が政治とカネの問題で自民党と合意を結んだことがあったが、結局自民党に蹴られてしまった。自民・公明が過半数を持つ限り、野党の要求を無視できる。
過半数割れすれば、彼らは野党の言うことを聞かざるを得なくなる。一部でも野党の政策を実現することで、「政治が変わった」と国民が実感できるようになる。
Q. なぜ自民党は批判されても選挙で勝ち続けるのですか?
自民党の支持率は20%台だが、選挙では過半数を取れる。これは野党候補が乱立するからだ。
小選挙区制では、自民党と公明党は候補者を一本化するが、野党は維新、立憲、国民民主、共産などバラバラに立候補する。自民党批判票は野党に分散し、結果として自民党が当選する構図だ。
千葉の補欠選挙でも、自民党批判票の合計は自民党得票を上回っていたが、野党候補に分散したため自民党が勝った。これは多くの選挙で起きている現象だ。
Q. 野党候補の一本化はなぜ難しいのですか?
従来の「野党一本化」は、政策をまとめて一致団結することを意味した。しかし維新と立憲民主党、共産党では政策をまとめるのは難しい。
提案しているのは「野党予備選」という方法だ。仲良く話し合って候補者を決めるのではなく、野党同士で激しく競争して、勝ち残った一人が小選挙区に立候補する仕組みだ。
目的は政権交代ではなく、自民党過半数割れ。各野党は比例代表で議席を確保しつつ、小選挙区では一本化して自民党に対抗する。しかし野党各党は比例代表の票数を重視し、予備選という発想になかなか至らない。
Q. 「新旧対立構造」とは何ですか?
単純な年齢の問題ではない。改革の志と古い政治スタイルの対立だ。
自民党では小林鷹之氏や小泉進次郎氏など中堅・若手が動き始めている。彼らが本当に古い政治スタイルから脱却できるかは、今後注視すべき点だ。
一方、維新の会では若い世代の幹部が「政治はノミニケーション」という古い政治スタイルに飲み込まれてしまった例もある。菅義偉氏は年齢は上でも改革魂は強い。年齢ではなく「改革魂年齢」がポイントだ。
Q. 次の選挙で政権変容を実現するには何が必要ですか?
現在、自民党支持率は20%台、野党は一桁台で、大多数は無党派層だ。この無党派層を引き付けることが鍵になる。
最近の東京都知事選で石丸伸二氏が166万票を集めたように、従来の政治とは異なるアプローチも必要だ。
国民が「自民公明が必ず政権維持」という思い込みを捨て、不安定さを作り出すことで、政治家の意識と行動が変わっていく。有権者が変わることで政治も変わる。
