KUROFUNE
大統領選挙のゆくえ
(37)
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2024年8月17日

日本に住む外国人が、「ニッポン」の文化や経済をテーマに議論。どうすれば日本がもっと良くなるか?を考えていく番組。 今回のテーマは「大統領選挙とマーケット」 <ゲスト> 茂木敏充|自由民主党 幹事長 栃木県足利市生まれ。東京大学、ハーバード大学大学院を経て マッキンゼーでコンサルタントを経験。199...
米大統領選、トランプvsハリス、日本に有利なのはどちら?激戦3州が決め手に
日本のメディアでも日々報道されるアメリカ大統領選。民主党のハリス候補と共和党のトランプ候補による一騎打ちが注目を集めている。この選挙結果は世界経済にも大きな影響を与えるだろう。元外務大臣の茂木敏充氏、経済アナリストのジョセフ・クラフト氏、ロイター通信のティム・ケリー氏の3名が語る対談から、大統領選の行方と日本への影響を探る。
Q. アメリカ大統領選の行方をどう予想する?
現時点では両候補が拮抗している状況だ。選挙人制度ではウィスコンシン、ミシガン、ペンシルバニアの「激戦3州」が特に重要となる。
この3州を制した候補が勝利する可能性が高い。全米で538人の選挙人のうち、この3州の選挙人は合計44人だが、この44人で全米の結果が決まると言われるほど重要だ。
現在、ウィスコンシンとミシガンではハリス氏が優勢だが、ペンシルバニア(選挙人19人)ではトランプ氏がリードしている。ハリス氏がペンシルバニアを取れなければ、ネバダ、アリゾナ、ジョージアの3州を獲得する必要があり、厳しい戦いになる。
副大統領候補の選択も重要なポイントだ。トランプ氏はJ.D.バンス氏を、ハリス氏はティム・ウォルツ氏を選んだ。トランプ氏は自分の強みを補強する人物を、一方ハリス氏は自分の弱みを補強する人物を選んだといえる。
8月22日までの民主党大会が終わるまではハリス氏優勢と見られるが、その後の展開は激戦区の取り合いと9月の討論会の結果次第だろう。
Q. トランプ前大統領はどのような人物か?
トランプ氏は多国間の枠組みよりも二国間の取引を好む傾向がある。交渉では相手の意見を否定すると倍返しで反撃してくるため、まずは受け止めることが重要だ。
また、ウィンウィンの合意を目指す姿勢も大切で、「トランプ氏にとっても日本にとっても良い結果」と感じさせることが交渉では有効だ。
閣僚の人選も政権運営に大きな影響を与える。トランプ氏は自身で強い政策思考を持っていない面もあり、閣僚やアドバイザーの意見が政策に反映されやすい。
選挙中のレトリックと実際の政権運営は異なる場合が多いため、選挙中の発言がそのまま政策になるとは限らない。また、議会構成も政策実現に大きく影響する。
Q. 日本にとってはトランプとハリス、どちらが有利か?
専門家の意見は分かれる。トランプ氏は1期目の経験から日本に対するイメージがあり、日米関係の重視も期待できる。一方、ハリス氏は外交経験が乏しいが、バイデン政権の路線を継続する可能性が高く、日米関係の大きな変化はないと予想される。
トランプ政権下で締結された日米貿易協定は、トランプ氏が再選した場合も維持される可能性が高く、日米間の貿易関係が悪化する可能性は低い。
米中関係については、トランプ氏の方がより対立的な姿勢をとる可能性がある。短期的には関税引き上げなどで関係が悪化した後、何らかの取引で状況が変わる可能性もある。
日本が注目すべきは日米関係よりも米中対立の行方だ。米中対立は経済や安全保障など広範囲に影響し、特に台湾問題などで日本も影響を受ける可能性がある。
Q. 最近の株価下落は大統領選の影響か?
8月初めの日経平均株価の大幅下落は、ヘッジファンドによるリスクオフやポジションの巻き戻しが主な原因と見られる。大統領選の影響は現時点では限定的だ。
市場は売り替えの材料を探すものであり、円高傾向やアメリカ経済への見方の変化などが一時的な下げにつながった可能性がある。大統領選の動向が株式市場に大きく影響しているという見方は少ない。
ただし、選挙結果によっては特定のセクターへの影響が考えられる。例えばトランプ氏が当選した場合は化石燃料関連株が恩恵を受ける可能性がある。
Q. 日本はどのように対応すべきか?
どちらの候補が勝っても、日米同盟が揺らぐことはないと予想される。日本としては、日米関係を維持しながら、米中対立の行方を注視する必要がある。
アメリカ側から見ても、米中対立の中で日米同盟を含む日本との関係は重要だ。一方、中国も二正面作戦を避けたいため、アメリカとは対立しても日本とは融和的な関係を築こうとする可能性がある。
日本は尖閣諸島問題など独自の課題については毅然と対応しつつ、米中両国との関係をバランスよく維持していく外交が求められる。
また、東海岸・西海岸のメディアだけでなく、アメリカ中西部の声も含めた多角的な情報収集も重要だ。米国の政治は地域によって大きく異なる見方があり、バランスの取れた理解が必要となる。