PIVOT TALK MONEY
個人投資家がプロに勝つ方法
(123)
5,865回視聴
2024年8月13日

かつてファンドマネージャーとして2000億円超を運用し、ベンチマークに勝ち続けてきた窪田真之・楽天証券チーフ・ストラテジスト。「株式投資を学ぶには、本を読むだけでは不十分」と語る窪田氏が作ったのが、クイズを通して株のセンスを磨く「株トレ」。実際の問題を通じて、投資の鉄則を伝授してもらう。 <ゲスト...
プロの運用も上回る個人投資家の強み - 窪田真之が語る投資成功の秘訣
投資の世界では、プロのファンドマネージャーよりも優位に立てる個人投資家の強みがある。長期投資派も知っておくべきチャート分析の重要性から、投資家としてのマインドセットまで、実績ある投資の専門家が本音を語る。
Q. なぜ長期投資派でもチャート分析を学ぶべきなのですか?
チャート分析は長期投資家にとっても非常に重要です。本当の長期投資に適した大型で割安な銘柄、例えばNTTのようなビジネスが安定していて景気変動の影響を受けにくく、配当利回りも高い銘柄であれば、短期的な変動にあまり注意を払う必要はないかもしれません。
しかし、そのような銘柄はごく一部です。ほとんどの株式は、長期保有を計画していても短期的なシグナルを監視する必要があります。特に小型株の場合は重要で、成功した投資家は「10銘柄のうち6〜7銘柄は期待を裏切る」という現実を理解しています。
成功の秘訣は、裏切られたと判断した瞬間に損切りし、本物だと確信できる残りの3銘柄に集中することです。表面的には語られない真実ですが、損切りの技術と本物の銘柄を見極める力を併せ持つことが重要なのです。
Q. 個人投資家はプロに対してどのような優位性を持っていますか?
多くの人は「プロには勝てない」と思いがちですが、実はそうではありません。アクティブファンドの半数以上がインデックスファンドのパフォーマンスに及ばないという事実があります。プロの中にも「なんちゃってプロ」が少なくないのです。
個人投資家には独自の優位性があります。最大の強みは機動力の速さです。自分で投資期間を決められる自由さがあります。また、小型株投資においては、機関投資家が大量の株を買おうとすると市場に影響を与えてしまうため、ポジションを構築するのに時間がかかります。一方、個人投資家は迅速に行動できるため、この機動性を活かしてプロと戦い、勝つことは十分可能なのです。
Q. ベンチマークを継続的に上回る秘訣は何ですか?
ベンチマークを継続的に上回るには、チャート分析とファンダメンタル分析の両方を実践することが不可欠です。私の場合、3ヶ月ごとに東証株価指数との成績比較を報告する必要があり、2年連続で負け続けると解雇されるという厳しい環境でした。
実践していた方法の一つは、ポートフォリオが指数に対して勝っているか負けているかを日中も常に監視し、負けている銘柄を特定して、チャートが崩れていれば迷わず売却することでした。また、週末には全上場銘柄の週足チャートを確認し、「丸」「バツ」「三角」でシグナルを分類していました。強い売りシグナル(バツ)が出た保有銘柄があれば、ファンダメンタルズで確信がある場合でも保有量を調整していました。
ファンダメンタルズを重視しつつも、短期的なテクニカル指標に注意を払い、それに応じて行動することが継続的な成功につながったと考えています。
Q. 投資で成功するためのマインドセットはどのようなものですか?
成功しているファンドマネージャーは、常にワクワクした気持ちでゲーム感覚で投資に取り組んでいます。顧客の大切な資金を預かっているという重圧で真面目になりすぎると、冷静な判断ができなくなります。
市場が下落している時でも、例えば「指数が3%下がっているのに自分のポートフォリオは1.5%しか下がっていない、よし!」と前向きに捉えられる人が成功します。下落時に暗い気持ちになってしまう人は、次の判断も間違えてしまう可能性が高いのです。
投資とは人生におけるリスクテイクの一形態に過ぎません。誰もがさまざまな場面でリスクを取っています。たまたま投資の世界では、そのリスクの結果が数字として明確に表れるだけです。リスクに対して健全な姿勢を持ち、結果に一喜一憂しない冷静さを保つことが重要です。
Q. 優れたファンドマネージャーになるために必要な資質は何ですか?
優れたファンドマネージャーになるには、経営者の視点を持つことが不可欠です。テクニカル分析は短期的に負けないために重要ですが、長期的に優れた銘柄を選ぶには経営者の目が必要です。
経営者としての発想ができる若者が増えることが、優秀なファンドマネージャーの増加につながります。ただし、そうした人材が全員ファンドマネージャーになる必要はなく、むしろ一部の人だけがこの道に進むのが社会全体にとって望ましいでしょう。
また、経営分析においては、優れた製品やサービスを開発・提供することだけでなく、それをいかに収益化するかという視点も重要です。日本には素晴らしい製品を作る会社が多いものの、適切に利益を上げることに罪悪感を持つ傾向があります。真のファンドマネージャーは、製品の質と収益性の両方を見極める目を持っている必要があります。
Q. 投資初心者はどのように投資スキルを磨くべきですか?
投資初心者は、まず基本的な知識を身につけるために良書を読み、基礎を固めることから始めるべきです。その上で、自分の欲望や恐怖に流されないレベルの少額資金で実践を重ねることが大切です。
実践を通じて経験を積んだ後は、自分の興味や得意分野に応じて進む道を選べます。例えば、金額を増やして本格的な投資を始める道もあれば、自分が詳しい分野(AIなど)の企業を徹底的に調査し、確信を持った企業に集中投資する道もあります。
株式投資の魅力は資産形成だけでなく、経済や企業について学べることにもあります。オールカントリー指数などの投資からスタートし、日本株、米国株、インド株など国ごとの銘柄を保有することで、各国の経済状況についても広く学ぶことができます。さらに個別企業に投資することで、より深い知識を得ることができます。
ただし、全ての人が深く投資に関わる必要はありません。仕事や家族を優先したい場合は、インデックスファンドへの積立投資で十分です。投資への関わり方は人それぞれであり、自分に合ったアプローチを選ぶことが重要です。