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プレミアリーグ大予測:アーセナルは連覇するか?
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2026年8月22日

8月22日に開幕するプレミアリーグ。アーセナルは連覇するのか?日本人選手10人は活躍できるのか?レギュラーメンバーに展望してもらった。 <ゲスト> 木崎伸也|スポーツライター 1975年、東京都生まれ。2002年夏にオランダへ移住。翌2003年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材。スポーツ...
激変のプレミアリーグ2026-27シーズン:組織再編と新戦術が紡ぐ新たな覇権争い
世界のトップリーグであるプレミアリーグが、2026-27シーズンに向けて大きな変革の時を迎えた。多くのビッグクラブで監督交代や主力選手の移籍など、大規模な組織再編が進行しており、これまでとは異なる顔ぶれでの覇権争いが予想される。

本稿では、激動のシーズン開幕を前に、専門家の分析を基に今季の注目ポイントを深掘りし、各クラブの戦力と戦略の行方を探る。
Q. 今シーズンのプレミアリーグで最も注目すべき点は何があるか?
今シーズンは多くのクラブで監督が交代し、9人の新監督が就任する。この中でも特にスペインとドイツ出身の監督が目立ち、戦術トレンドに大きな影響を与えるだろう。ポゼッションを重視するスペイン流と、縦への速さとハイプレスを特徴とするドイツ流がぶつかり合い、リーグ全体のサッカーが激変する可能性を秘めている。特に、いわゆる「ロックンロールサッカー」と呼ばれるドイツ流の台頭は、試合の強度とスピードを一段と引き上げると見られている。

同時に、マンチェスター・シティではペップ・グアルディオラの退任が噂され、リバプールやチェルシー、トッテナムといったビッグクラブも監督交代や主要選手の入れ替えなど、大規模な組織再編を経験している。これに対して、アーセナルは比較的継続性を保っており、この点がシーズンを左右する大きな変数となるだろう。主力選手や監督の入れ替わりが激しいチームは、短期間での戦術浸透とチームケミストリーの構築が求められる。
Q. 今シーズンのプレミアリーグの優勝争いの本命はどこで、波乱要因は何があるのか?
多くの専門家は、昨シーズンの躍進に続き、戦力の継続性と盤石な補強を遂げたアーセナルを優勝候補の筆頭に挙げている。安定した組織と成熟した選手層は、リーグを戦い抜く上で大きな強みとなる。しかし、一方で、その他のビッグクラブにおける大規模な組織再編は、予測不能な要素を多く含んでおり、優勝争いは混沌とする可能性が高い。
波乱要因としては、マンチェスター・シティの転落が指摘されている。ロドリやベルナルド・シウバといった中盤の核となる選手の流出は、チームのバランスを大きく崩す可能性がある。また、マレスカ新監督のロマンを追い求める戦術が、現行の選手層と合致しない場合、予想外の低迷を招く恐れがあるだろう。一方、プレシーズンの結果から、イラオラ新監督のリバプールが躍進する可能性も取り沙汰されている。チェルシーもシャビ・アロンソ監督のもとで、戦術的な確固たる土台を築きつつあり、サプライズを起こすポテンシャルを秘めている。
Q. 「絶対本命」アーセナルの強みと唯一の死角は何か?
アーセナルの最大の強みは、中盤のデクラン・ライスとカイ・ハバーツ、左ウイングのトロサールや新加入のソリスといったキープレイヤーが戦術に完璧にフィットしている点にある。特に守備強度はリーグ随一と評され、強固な守備陣は失点のリスクを最小限に抑えるだろう。右サイドのセンターバックやサイドバックの控えにやや手薄な部分は残るものの、全体的に見て穴のない選手層とバランスの取れたチーム構築が実現している。

しかし、唯一の死角は、チャンピオンズリーグなどの大舞台で、膠着した状況を個人の力で打開できる「スペシャルな」アタッカーの不在である。圧倒的な個の力で相手を切り崩し、得点をもぎ取れる爆発力のある選手は、シーズンを通じて勝ち点を取りこぼさないためにも不可欠となる。ユベントスのユルディスやレアル・マドリードのビニシウスのような選手獲得を最終的に実現できるかが、連覇と悲願のCL制覇を狙う上で鍵を握るだろう。
Q. 主力選手流出が相次ぐマンチェスター・シティは今季どのような戦いになるのか?
マンチェスター・シティは、ペップ・グアルディオラ監督退任の噂に続き、ロドリやベルナルド・シウバといった中盤の絶対的核となる選手の大量流出に見舞われている。これほど多くの主力が放出される背景には、ペップ退任時の移籍条項の存在が囁かれている。中盤の厚みが失われたことで、攻撃の起点作りや守備の安定感に大きな影響が出ることが予想される。
マレスカ新監督は「ロマンを追い求める」戦術を好む傾向があるが、経験豊富な中盤選手を失った現状で、その戦術が機能するかは不透明である。指揮官がチームの財政力に頼り、非現実的な補強を試みることで、かえって組織のバランスが崩れるリスクは高い。この状況は、かつてアレックス・ファーガソン監督退任後のマンチェスター・ユナイテッドが経験した組織的な混乱と類似しており、大規模なチーム編成変更と新体制への移行がスムーズに進まなければ、シーズン後半には大きな低迷を経験する可能性もある。
Q. 中盤の要を失ったマンチェスター・ユナイテッドはどのようにチームを立て直すのか?
マンチェスター・ユナイテッドは、中盤の守備の要であったカゼミロを失ったことで、中盤の守備力とセットプレーでの得点源を大きく欠くことになる。後釜と目されるメイヌーやティーレマンスといった選手は、ポテンシャルこそ高いものの、守備強度や安定性には波があり、カゼミロが担っていた役割を完全にカバーするには至らない可能性がある。シーズンを通して中盤のバランスをどう保つかが最大の課題である。
攻撃面では、マルクス・ラッシュフォードやブルーノ・フェルナンデスらの個人の能力に依存する傾向が引き続き見られるだろう。ブルーノは状況に応じてゲームメイクも得点もこなせる柔軟性を持つが、彼に過度な負担がかかる状況が続く。また、ルーク・ショーやリサンドロ・マルティネスといったディフェンス陣の度重なる怪我もチームの不安定要素となる。守備を組織的に再構築できず、個人の力に頼り続けると、昨シーズン後半に見せた勢いを維持することは難しいだろう。
Q. イラオラ監督のリバプールは、かつてのクロップ時代のような「カオス」のサッカーを取り戻せるのか?
リバプールに就任したイラオラ新監督は「組織化された遅いテンポよりも、ハイテンポなカオスを好む」と公言している。これはクロップ監督が以前提唱した「ゲーゲンプレス」に代表される、ボールサイドに選手を寄せて激しく奪い、そのまま素早く攻撃に転じるスタイルへの回帰を示唆する。この「カオス」のサッカーは、対戦相手にとって非常に予測困難で強力な武器となる一方、自チームには極めて高い運動量と集中力が要求される。
日本人MFの遠藤航は、その優れたボール奪取能力と知性的なポジショニングにより、このイラオラ監督の戦術にベストマッチする。しかし、ヨーロッパの大会も加わって週2日ペースとなる過密日程を考慮すると、サブ選手の選手層の薄さが懸念点として挙げられる。ツィミカスなどのサイドバックの控え選手が戦術に適応できるか、ファン・ダイクを欠いた時に守備が維持できるかなど、メイン選手が離脱した際の戦力低下は避けられない課題となる。
Q. シャビ・アロンソ監督が指揮を執るチェルシーは、上位争いに食い込める可能性を秘めているか?
チェルシーはシャビ・アロンソ監督を招聘し、彼にチームの全権限を委ねる「マネジメント条件」での契約を結んだ。これはレバークーゼン時代の成功体験を尊重し、アロンソの意向を最大限に反映するチーム作りの現れだ。アロンソはレバークーゼンと同様に3-4-3のシステムを基本とし、パーマーやロジャースらをシャドウに配した攻撃陣はプレミアリーグ随一の破壊力を秘めている。カイセド、エンツォ、ラビア、そして精神的支柱となるリース・ジェームズらが機能すれば、中盤も厚みを増すだろう。

さらに、ジョーダン・ヘンダーソンやウェルベックといった経験豊富なベテランの獲得も、若手主体のチェルシーに精神的な安定感をもたらす。これは、アロンソがレバークーゼンでジャカを獲得した事例と共通しており、勝利に飢えた若手と、チームをまとめるベテランを組み合わせることで、強固な集団を作り上げることを目指している。もしフロント陣が、このアロンソ監督の戦略とビジョンをシーズンを通じて揺るぎなく支持し、彼がピッチ上の戦術に集中できる環境を保証するならば、チェルシーはかつてジョゼ・モウリーニョが就任した時のような快進撃を再現し、優勝争いにも食い込める可能性を十分に秘めていると言えよう。