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世界で3社だけのAI技術【ソ・ジェヒョン】
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2026年7月27日

AI相場の主役は、NVIDIAだけではない? 1.3兆円の運用実績を持つ韓国の投資家ソ・ジェヒョン氏がNVIDIA・ブロードコム・マーベル...世界で3社だけが握るAI技術の寡占構造を図解。その先で特需が波及する"AIの未開拓株"として「基板」と「光ケーブル」に注目する理由を解き明かす。 ※本動画...
AI時代の技術革新と賢明な投資戦略:光通信、基盤、そして「雑草引き」の哲学
AI革命が進行する中、表面的なトレンドの裏で深遠な技術革新とサプライチェーンの変貌が起こっている。本稿は、AI進化を牽引する中核技術から、それが生み出す投資機会、さらには個人投資家が陥りがちな落とし穴まで、具体的な企業名と最新情報に基づいて深く掘り下げて解説する。
今日の複雑な市場を勝ち抜くための羅針盤を読者に提示する。

Q. なぜ今、AI時代の半導体は「光通信」に注目すべきなのだろうか?
AIは膨大なデータを扱い、処理速度と効率が生命線だ。従来の銅線は電気抵抗が大きく、AI処理における発熱や電力損失、速度低下が深刻な問題となっている。データ量を高速かつ大量に送受信するためには、従来の「一般道」であった電力通信から、桁違いの速度を誇る「高速道路」たる光通信へのインフラ転換が不可欠だ。
これは、現代のAIデータセンターが直面するボトルネックを解消する唯一の手段であり、その重要性は計り知れない。
Q. 次世代AIチップ「Vera Rubin」は、これまでのAI開発と何が違うのか?

これまでのAIチップは、主に学習用途に特化し、GPUが主役だった。例えばNVIDIAのBlackwellシリーズでは、GPUが全体の90%を占め、CPUはごく一部(GPU8枚に対しCPU1枚程度)だった。GPUが大量の計算をこなす一方、CPUは「オーケストラの指揮者」のような役割で、最低限の指示を与えるに留まっていた。
しかし、AIが「エージェントAI」として進化すると、段階的に細かい指示をリアルタイムで下す必要が出てくる。NVIDIAが下半期から生産を開始するVera Rubinシリーズは、この推論プロセスを強化するためにCPUの割合を大幅に増やしたのだ。GPU対CPUの比率は3対1程度にまで高まり、将来的には1対1も視野に入る。
これはAIの運用形態が学習から推論、すなわち「自ら考えて行動する」フェーズへと移行している証左であり、データ通信量の激増を意味する。
Q. AI半導体を支える上で不可欠な「光ケーブル」技術を寡占する企業群とは?
GPUやCPUが増えれば増えるほど、チップ間の通信量が膨大になる。従来の銅線では、データ伝送時に発生する抵抗による発熱、電力消費、速度低下という限界がある。この問題を解決するのが光ケーブルによる直接接続技術だ。チップからチップへ光信号でデータを送ることで、電気抵抗の問題を根本から解消する。
ただし、この技術は極めて高度であり、デジタル信号を光信号に、また光信号をデジタル信号に変換し、圧縮して半導体チップに直接実装するコパッケージド・オプティクス(CPO)技術を持つ企業は、現在のところ世界でNVIDIA、Broadcom、そしてMarvellのわずか3社のみである。
MarvellはNVIDIAのジェンスン・フアンCEOから「時価総額1兆ドル到達の有力候補」と評され、さらに2024年6月にS&P500への採用も決定した。
これはその成長性と市場における評価の確かな裏付けだが、機関投資家の買いを誘うため、S&P500組み入れ後の高騰には注意が必要である。購入を検討するならば、編入イベントが通過し、一時的な価格上昇が落ち着いた時点が良いだろう。
Q. 光ケーブル以外にも、AI半導体成長を支える意外な日本の技術は何か?

AI半導体の進化を支えるのは、光ケーブルだけではない。データセンターのチップが高集積化し、多層化するほど、それらを支える「物理的基板」の需要が急増する。日本の村田製作所や韓国のサムスン電機は、この高多層基板の主要メーカーである。
チップへの安定した電力供給には「MLCC(積層セラミックコンデンサ)」が不可欠であり、これは日本の村田製作所、韓国のサムスン電機、台湾のYageoなどごく少数の企業しか量産できない。これらの企業は、増大する需要に対応するため、設備増強を積極的に進めている。
例えば、サムスン電機がMarvellに対し1.5兆ウォン規模のシリコンキャパシタを輸出したニュースは、Marvellがその部品を使って昨年比で10倍ものカスタムASICを製造しようとしていることを示唆する。これは、縁の下の力持ちとしてAI半導体市場を支える、日本を含むアジア企業の技術力とサプライチェーンにおける優位性を物語る。また、フジクラ、古河電工、浜松ホトニクスといった日本企業も、光ファイバーケーブルや光関連デバイスで世界トップクラスの技術を誇り、光インフラをハード面で支える重要な役割を担う。
Q. AI時代の新技術と目される「空飛ぶクルマ」や「SMR」への投資にはどのようなリスクがあるのか?
期待と夢に満ちた新技術への投資は魅力的だが、過熱した市場評価には警戒が必要だ。特にイーロン・マスクが率いるテスラは、高い成長期待から株価収益率(PER)が極めて高く評価されてきたが、EV市場の競争激化や自動運転・ロボティクス分野におけるNVIDIAなどの台頭により、かつての「絶対的な優位性」は薄れつつある。
また、マスク氏が手掛けるもう一つの事業、スペースXの上場は、これまでテスラに集中していた成長株投資家の関心を二分させ、資金の分散を招く可能性が高い。過去には、AIの核となる半導体メーカーTSMC株を全て売り払い、テスラ株に資金を移した投資家がいた。結果、TSMC株はAIブームで2倍に高騰したのに対し、テスラ株は横ばいで推移し、莫大な機会損失を生んだという教訓がある。
空飛ぶクルマ(eVTOL)もまた、市場の拡大は期待できるものの、航空機製造業界の歴史が示す通り、極めて利益率が低い事業であり、現段階で過大な資金を投じるべきではない。Archer Aviationのような新興企業は、ビジネスモデルが確立されていない「赤ん坊」の状態であり、リターンを生むまでには長い時間と巨額の投資を要する。小型モジュール炉(SMR)も、長期的な電力供給のソリューションとしては期待されるが、実際に稼働して利益を生み出すまでには膨大な建設時間が必要だ。当面のAIデータセンターの切迫した電力需要に対しては即応性に欠け、現状ではガスタービン製造企業(GE Vernovaなど)の方が現実的な投資先となり得る。新技術は「夢」に溢れているが、現実的な収益性やタイムスパンを考慮した投資判断が求められる。
Q. 長期的に市場で勝ち続けるための投資哲学とは何か?

投資家として市場で長期的に成功を収めるためには、表面的な株価の変動に一喜一憂せず、「世の中の構造変化」を深く理解することが不可欠だ。企業の利益の根源は、一時的な流行ではなく、技術革新、文化の変容、人口構造の変化、地球環境の変化、そして政治・地政学的状況の変化という5つの大きな潮流によって決定される。これらの変化を先読みし、その流れに乗る産業に初期段階で投資することが成功への鍵となる。
特に近年では、かつての単一覇権時代が終わり、各国が自国の利益を追求する「各個撃破」の地政学的環境が形成されている。米軍のアフガニスタン撤退以降、世界各地で局地的な紛争が常態化し、防衛産業が大きな収益機会を得ているのはその一例だ。実需に基づいて成長する産業を見極める必要がある。
そして、一度投資したら時間をかけて見守るが、常にポートフォリオの見直しを怠らない。もし投資した企業が時代の流れから外れ、「雑草」となってしまったならば、自身の最初の判断が誤っていたというプライドを捨て、速やかに損切りし、成長の見込みのある企業へと資金を集中させる勇気が求められる。多くの個人投資家は、損切りをためらい、下落株に資金を追加投入しがちだが、これでは限られた投資資金を非効率に散漫させるだけだ。伸び続ける企業に積極的に投資し、不調な企業は断捨離する、「雑草引き」の精神が、豊かな実りを生む庭園(ポートフォリオ)を作るために必要不可欠だ。