& questions
(0)
339回視聴
2026年5月1日

【Sponsored by Sansan】 注目すべき企業やプロジェクトのトップランナーを招き、キーワードをもとに掘り下げていく番組「& questions」。 ▼ 目次 00:00 ダイジェスト 06:05 AI活用の9割は期待外れ 16:09 AI活用の鍵「AIレディデータ」 26:05 デ...
AIが急速にビジネスの現場に導入される中、その活用に期待通りの成果を見出せない企業が9割にものぼるとの衝撃的な調査結果が示された。
AIの恩恵を十分に受けられない背景には、多くの企業が抱える「データ負債」の問題が存在する。
本稿では、ソフトバンクの平岡氏とSansanの鳴海氏による議論に基づき、AI活用の壁となっているデータ負債の正体と、その解決策について深掘りする。

Sansanの調査によれば、AIツールを導入した企業の90%以上が「期待通りの動きをしなかった」経験を持つ。この原因は、AI活用が個人の作業効率化に留まり、企業全体のROI向上や売上増に直結していないためである。

例えば、情報収集やメール作成のドラフト生成など、個人の業務改善には一定の効果が見られるが、これが企業全体のビジネス戦略に組み込まれ、明確な成果を生む段階には至っていないのが現状だ。
AIが効果的なアウトプットを出すためには、Web上の情報に加え、企業固有の社内データを学習させる必要がある。しかし、この社内データが不正確、不完全、または不統一である「汚れたデータ」であることが最大の障壁だ。
表記の揺れ:会社名が「Sansan」と「三三」のようにカタカナと漢字で混在している、または略称が用いられている。
情報の古さ:過去のM&Aによる社名変更や、移転前の古い住所がシステムに残存している。
入力ルールの違い:部署や担当者によって情報の入力方法や詳細度が異なる。
重複データ:同じ取引先が複数登録されている。
不完全な情報:「鳴海入力中」のように入力途中の情報が放置されている。
資料の多重管理:社内で類似の資料が部門向けに表現を変え、複数バージョンが存在する。
これらの問題は、AIが学習しても正しい情報を識別できず、誤った回答(ハルシネーション)を生成してしまう原因となる。個人の利用ではその都度修正が可能だが、企業のビジネス現場では誤ったデータに基づく判断が致命的な影響をもたらす場合もあるのだ。
汚れた社内データは、業務上のロスだけでなく、企業の競争力低下に直結する。特に経営判断の基盤となる「取引先データ」の品質が低いと、誤った意思決定を招くリスクがある。

意思決定の遅延・誤り:売上データ分析や資本投下先の選定、最適な仕入れ先の判断など、重要な経営戦略が根拠のないデータに基づき実行される可能性が高まる。
膨大なメンテナンスコスト:表記揺れや重複の修正、古い情報の更新など、データ整備には従業員による手作業が伴う。従業員100名以上の企業では年間平均3.9億円ものコストが費やされていると試算されている。
業務負担の増加:情報量が増加する現代において、データメンテナンス業務は継続的に増大しており、直近1年間で半数の企業が業務負担増を実感している。
汚れたデータは「データ負債」として企業の成長を阻害し、新規事業の立ち上げや既存システムの改修を非効率にする。これはエンジニアリングにおける技術負債と本質的に同じ問題構造である。
「AIレディデータ」とは、AIに学習させるためのデータが最新性、正確性を常に担保し、利用可能な状態にあることを指す。特に、インターネット上に情報が少ない取引先のデータは、これを実現することが難しい。

Sansan Data Intelligenceは、この課題を解決する。企業内の社内システムと連携し、データ品質の向上を自動的に行う。具体的なプロセスは次の3ステップである。
品質の低いデータ特定と名寄せ:社内の「汚れた」取引先データを、Sansanが持つ1000万件以上の企業データベースを活用し、高精度で識別し、名寄せを行う。
データクレンジング・付与:識別された情報に基づき、表記の揺れを解消し、欠落している事業所情報などを自動で付与、最新化する。
システムへのフィードバック:クレンジングされた正確なデータを顧客の社内システムに還元し、データの品質を維持するサイクルを確立する。
このサービスは、データ品質をダッシュボードで可視化することで、これまで「問題が起きてから対処」していた受動的なメンテナンスから、問題発生を未然に防ぐ能動的なデータ管理への転換を可能にする。これにより、営業部門は自社の未取引企業リストを条件検索で作成するなど、攻めの戦略にもデータ活用できる。
AI時代における企業の競争力は、データ品質によって大きく左右される。技術負債と同様に、データ負債の蓄積は意思決定を遅らせ、企業を誤った方向へ導くリスクを高める。この負債をいかに管理し解消するかが喫緊の課題だ。
データ品質向上への第一歩は、まず自社のデータがどのレベルにあるのかを正確に知ることである。Sansanが提供する「取引先データ診断サービス」では、企業が持つ取引先データを預けることで、クレンジングの必要性などをまとめたレポートを受け取ることができ、現状を客観的に把握できる。
平岡氏が語る「テクノロジーでみんなをサボらせ、心に余白を作る」という目標のように、データ整備は従業員が「自分の仕事が少し楽になる」といった小さな喜びを起点に進めることが、組織全体を変革する鍵となる。日本企業が本来持つ「品質へのこだわり」を、これからは「データ」にも向け、属人化された暗黙知に頼るのではなく、誰もが活用できるクリーンなデータ基盤を構築すべきである。