THE DEEP SHOW
【若者に伝えたいこと】元オリックス社長の宮内義彦90歳に密着
(1278)
1.2万回視聴
2026年5月12日

34年間オリックスを率いてきた宮内義彦氏に密着。若手経営者が密かに集まる『未来の会』の中身とは?今の時代を生き抜くための成功哲学に迫る。 <MC> 東野幸治|お笑いタレント 加藤シルビア|アシスタント <ゲスト> 宮内義彦|オリックス シニア・チェアマン <目次> 00:00 ダイジェスト 0...
オリックス宮内義彦、90歳が語る経営と人生の極意
オリックスを34年にわたり牽引し、日本経済界の重鎮として名を馳せた宮内義彦氏。
90歳を迎えた今もなお、その探求心と情熱は衰えを知らない。経営の第一線を退いた今、彼は何を考え、どのような活動に力を入れているのだろうか。
次世代の経営者たちとの活発な議論、激動の時代を生き抜いた彼の仕事論、そして健康に対する哲学まで、その多岐にわたる活動と深く普遍的な洞察に迫る。長年の経験から紡ぎ出される言葉は、現代を生きるビジネスパーソンにとって、混迷の時代を乗り越えるための羅針盤となるだろう。

Q. 90歳を迎えた今、どのような活動に注力しているのか?
現在、宮内氏が最も情熱を注ぐ活動の一つは、若手経営者たちとの勉強会「未来の会」であると述べた。彼は「私のようにいろんな経験をしてきた人間の話をさせて頂くと、若い人には非常に役に立つと思ってもらえる」と感じており、自らがくぐり抜けてきた数々の修羅場の経験を次世代に伝えたいという強い思いを持っている。この交流は一方的なものではなく、宮内氏自身も若者から刺激を受けることを楽しみにしているという。多様な背景を持つ若手経営者が集まるこの会では、参加者それぞれがテーマについてプレゼンテーションを行い、その後深くディスカッションを行う形式をとる。
「未来の会」には、宮内氏が社外役員を務めるラクスルの担当者、ポピンズの社長、さくらインターネットの代表、ビジンインベストメントの小岩氏など、日本の経済を牽引する企業の若手経営者たちが顔を揃えている。特に小岩氏は、リーマンショックの際に自身の会社がオリックスの支援によって危機を乗り越えた経験を持つと語り、宮内氏への深い恩義と師事を表明した。また、この会には宮内氏の長男である宮内誠氏も参加しており、家族間の絆とともに、互いを尊重し刺激し合うビジネスパートナーとしての関係性も垣間見える。会は単なる交流に留まらず、共通のテーマについて深く学び、議論することで、次世代のビジネスリーダーたちが未来を洞察する力を養う貴重な場となっているのだ。

Q. 若手経営者との勉強会ではどのようなテーマを議論し、次なるフロンティアとして何を見据えているのか?
若手経営者たちとの勉強会「未来の会」で今回取り上げられた主要テーマは「地政学」であった。宮内氏は「地政学を始めたのは2000年ぐらいから」と語り、当時多くの人々が注目していなかった頃から、来るべき米中対立を予測していたと明らかにした。「その頃から私も米中対立はいずれ来るとずっと言っていた」と振り返り、その先見性には若手経営者たちも驚きを隠さない。現在の国際情勢を見ても、この宮内氏の予測がいかに的を射ていたかが理解できる。
地政学の歴史を紐解くと、世界はグローバルな時代とブロック経済圏の時代を繰り返しているという。第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして冷戦時代はブロック経済圏であり、現在は米中対立などを背景に再びブロック経済圏の時代へと突入したとの見解を示した。経営者として未来を見据えるには、こうした歴史のサイクルと国際情勢の根本的な構造変化を深く理解する必要があると説く。
さらに、これからの世界において地政学的に覇権を握る領域として、宮内氏は「宇宙」を挙げた。「宇宙を制するものがこれから地政学的には世界を制する」という力強い言葉は、現代における国家戦略の重要な要素を指し示している。また、「脳」もいまだ未開拓な分野として大きな可能性を秘めており、次なるフロンティアとして着目していると語った。宇宙開発や脳科学といった最先端領域が、これからのビジネスや国際関係に大きな影響を与えるとの彼の洞察は、未来の経営者たちにとって貴重な羅針盤となるだろう。

Q. 長年の経営者人生で培った「仕事の極意」とは何か?
長年の経営者人生でたどり着いた仕事の極意は、シンプルながらも本質的なものであった。宮内氏は「睡眠ですよ。夜は寝る」と力強く述べ、重要な考え事は「太陽の下で考える」べきだと主張した。彼によると、夜に考え事をすると、とかくネガティブな方向に思考が進みがちで、結果的に良い判断ができない。一生懸命やると寝る間も惜しんで考えてしまうものだが、そうすると「結果も良くないし、自分自身にも良くない」と自身の経験から学んだという。前向きな状態で物事を思考するためには、心身が整っている「太陽の下」での思索が不可欠であり、そのために「夜はしっかり寝る」ことが何よりも重要だと彼は説いた。
さらに、若い世代に向けての仕事の極意として、「寝る間を惜しんで働くのはダメだ。寝る間を惜しんで勉強すべきだ」と独自の考えを明かした。多くの人が努力の証として捉えがちな「徹夜での仕事」に対して、宮内氏は厳しい見方を示している。現代は知識集約型社会であり、かつての時代と比較して知識の重要性はさらに高まっていると強調した。そのため、表面的な仕事をごまかせても、知識の不足はごまかせないと述べる。特に彼は、人生における「30歳」までが知識を徹底的に蓄積する重要な時期であると考えており、「僕はもう30歳まではもう勉強を怠っちゃだめだと僕は思う」と次世代に強いメッセージを送った。

Q. 息子を「オリックスには入れない」と突き放した理由、またその教育方針とは?
自身の長男である宮内誠氏も「未来の会」に参加しているが、宮内義彦氏は息子に対する教育方針について興味深いエピソードを披露した。「息子は昔からオリックスには入れないよと。自分で仕事をやれ」と言い続けてきたという。その言葉通り、宮内氏は息子が自社に入社することを認めず、経営者として一切の援助も行わなかったと語った。親として、息子を敢えて突き放す厳しい姿勢を貫いたのだ。
結果として、息子は自力で起業し、なんとその会社を上場させるに至った。宮内氏は「私は全然援助も何もしていない」と繰り返し、息子が「勝手にやった」ことだと胸を張る。この事実から、「厳しさの中に愛情」が込められた彼の独特な教育哲学が見て取れる。息子も「叱咤激励の叱咤しか貰っていない」と苦笑しながら証言しており、突き放すことが真の自立と成功を促すという彼の信念を物語っている。
Q. 90歳で矍鑠とした姿を保つ秘訣や健康法について教えてほしい?
90歳にしてなお、活発に活動を続ける宮内氏にその健康の秘訣を尋ねると、「私非常に横着だから、なんかこう健康のために何かというは何にもやっていません」という意外な答えが返ってきた。しかし、続けて彼は「ただ心がけていることはね」と前置きし、定期的な健康診断の重要性を説いた。自身の体の状態を正確に把握し、もし異常が見つかった場合には「おかしなことは早く手を打つ」という、早期発見・早期対応を徹底しているのだ。特別な養生はしないものの、プロの目による客観的な健康チェックは怠らないという現実的な姿勢が、彼の長寿を支える基盤となっているようである。
運動習慣については、かつてはゴルフを楽しんでいたと語るが、今では「もうサマにならない」と苦笑する。それでも身体を動かすことの重要性は認識しており、「ちょっと歩く」「散歩」なども取り入れているという。しかしそれも「定期的じゃないんです」「思いついたら」という気まぐれなもので、ストイックに義務として行うものではないと明かした。無理なく続ける、自然体の運動が彼らしいスタイルと言える。
また、お酒の飲み方についても独自の哲学を持っていた。「1日おきに飲む」ことで休肝日を設けているというが、その目的は「体調がいい」ことよりも、休肝日の後に飲むお酒が「ものすごく美味しい」と感じられることにあるという。この工夫によって「倍飲む」こともあると語り、医師からは注意されていると明かしたが、人生の喜びを最大限に味わうための彼なりの知恵がうかがえる。健康を維持しながらも、人生の楽しみを諦めない宮内氏のしなやかな生き様がここにはある。
Q. 自身の人生経験で最も印象深い学び、特に失敗から得た教訓とは?
宮内氏の人生に最も大きな影響を与えた出来事の一つは、幼少期に経験した終戦であった。「8月15日にいよいよ敗戦になって、世の中がひっくり返ったのをね、子供の頃に忘れられない」と述懐した。昨日と今日で日常が「全く違う」、考え方も「全く違う」という価値観の根底からの転換を体験したことは、彼のその後の人生観、そして経営者としての世界観形成に深く刻まれたという。激動の時代を目の当たりにした経験が、彼に未来を深く洞察する力を与えたのかもしれない。
自身の「失敗」についても赤裸々に語った。「これ全部私の失敗ですけどね」と前置きし、かつての球団経営で「赤字を減らせ」「黒字に持っていけ」と現場に指示したことを失敗だと振り返った。「できもせんことを言ったわけだ」と自身の反省点を述べ、そのような無理な目標設定は、結果的に何も良いものを生み出さないことを学んだという。経営者として、現実を直視し、実現可能な目標を設定することの重要性を、自らの失敗から痛感した経験であると語った。