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【年間1000人が行方不明 子どもの防犯対策】
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2026年5月6日

行方不明になっている9歳以下の子どもが年間1000人を超えている。狙われやすい子と狙われにくい子の違いとは。我が子を守る防犯対策とは。子どもの防犯対策について松丸俊彦氏と国崎信江氏に聞いた。 <ゲスト> 松丸俊彦|防犯コンサルタント 海外安全アドバイザー 元警視庁公安部捜査官 外交官 長年にわたり...
我が子を守る防犯対策:年間1000人の行方不明から学ぶ時代の真実
子供の安全を守ることは、現代社会における親たちの最大の関心事の一つだろう。毎年1000人もの子供たちが行方不明になる現実の中で、私たちは何を信じ、どう行動すべきか。本記事では、防犯の専門家たちが語る最新のデータと事例に基づき、子供を巡るリスクの実態と、家庭で実践できる具体的な防犯対策について深く掘り下げていく。過度な不安を煽るのではなく、具体的な知識を身につけ、冷静かつ的確に子供を守るためのヒントを得よう。

Q. 子供の行方不明、親の認識と実態の間に存在する大きなギャップとは何だろうか?
多くの親は未就学児や小学校低学年の連れ去りを最も恐れるが、警視庁のデータが示す行方不明者の実態は大きく異なる。9歳以下で年間およそ1000人が行方不明になる一方で、最も件数が多いのは10歳代で1万8000人にも及ぶ。この「親の懸念する年代」と「実際の被害が多い年代」とのミスマッチが、有効な防犯対策を妨げる要因となる。データに基づき、年代別のリスクを正確に把握し、対策を講じることが重要だ。

この乖離を認識しないままでは、適切なタイミングで子供を守る準備ができない。地域社会も、無闇に不安を煽るのではなく、データや具体的な事例をもとに、保護者と協力して本当に必要な年代の対策に注力すべきである。
Q. 長期休暇中に子供の犯罪被害が増加する具体的な理由は何ですか?
ゴールデンウィークや夏休みのような長期休暇は、子供たちが普段よりも開放的になり、行動範囲も広がるため、複数の要因が絡み合って犯罪被害が増加する傾向がある。一つは服装の変化で、軽やかになり露出度が増えることが性被害の誘因となる可能性が指摘されている。
もう一つの大きな要因は、親が子供の行動を把握しにくくなることだ。学校がなく友達の家に泊まる機会などが増えることで、「家出」なのか「外泊」なのか、あるいは「本当の行方不明」なのか、親が判断に迷う時間が長くなる。これにより、子供が行方不明になった場合の発見が遅れるリスクが高まるため、普段以上に細やかな見守りと家族間のコミュニケーションが必要となる。
Q. 「知らない人に付いていかない」を教える上で、「知らない人」の定義と親が伝えるべき重要な教訓は何ですか?
子供に「知らない人に付いていかない」と教えるだけでは不十分だ。PTA会長や顔見知りのママ友が犯罪に関与するショッキングな事例も過去にあり、子どもは誰を「知らない人」と判断すべきか混乱しやすい。重要なのは、親がその人の氏名、住所、職業、家族構成などを知っているかを基準にすることだ。これを家族で明確なルールとして共有すれば、子供は「親が知らない人=知らない人」と認識し、冷静な判断を下せるようになるだろう。

さらに、「大人は困ったことを子供には聞かない」という鉄則を教えるべきだ。大人が子供に道案内や探し物を依頼するのは、非常に不自然な行為である。常に多くの大人が周りにいる場所で子供に助けを求めるような言動があれば、それは危険信号だと捉え、すぐにその場を離れるように指導したい。
Q. 意外な場所にも潜む危険から子供を守るため、日頃から意識すべきポイントは何ですか?
犯罪は路上で発生することが最も多いが、自宅周辺や集合住宅の共用部、公園なども決して安全ではない。マンションのエレベーターや駐輪場といった場所は、親が「安心」と考えがちな空間だが、過去には幼稚園児がトイレに連れ込まれそうになった事案もある。一瞬目を離した隙や、人が多いイベント会場でさえ、犯罪者は油断した親子の隙を狙っている。常に子供を視界に入れ、安全な場所だという思い込みを捨てて警戒心を持つべきだ。
オートロックマンションでも「友連れ」での侵入リスクは存在する。子供には、エレベーターで二人きりにならないよう郵便物を取り忘れたふりをするなど、具体的な対処法を教えたい。また、犯人は下見をし、共働きなどで家が空きがちな家庭を把握しているケースもある。子供が自宅の鍵を開ける瞬間は特に危険が高まるため、家に入る直前まで周囲を警戒するよう促す必要がある。
Q. 10代の子供たちがSNSを通じて巻き込まれやすい犯罪とその対策について教えてください。
行方不明者が最も多い10代では、SNSが起点となる犯罪が急増している。非接触で信頼関係を築き、最終的に「闇バイト」への勧誘、性被害、監禁といった深刻な事態に巻き込まれるケースが多発している。ゲームのチャット機能から海外に誘われ、パスポートを取り上げられ軟禁状態で詐欺の実行犯(駆け子)にさせられた高校生の事例も報告されている。親の目には見えにくいSNS空間での出会いが、重大な犯罪被害につながる可能性があるのだ。
対策としては、まず親が子供の生活の変化に気づくことが肝要だ。SNSに没頭する時間が異常に増える、部屋にこもりがちになる、行動を隠すといった兆候は、注意すべきサインである。スマホを買い与える際、「SNSで知り合った人と実際に会う時は、必ず親に相談する」というルールを明確に約束させ、繰り返し確認する必要がある。親子の良好なコミュニケーションが、SNSの危険から子供を守る最大の防波堤となる。
Q. 子供たちに「窃盗」の危険性や加害者になるリスクをどのように伝えれば良いですか?
10代に多い犯罪の一つに自転車窃盗がある。これは被害者にもなりやすいが、軽い気持ちで他人の自転車を借りてしまい「加害者」になってしまう危険性も秘めている。警察官出身の専門家は、若者が窃盗の罪の意識が低いことが多いと指摘している。子供たちは「ちょっと借りるだけ」という感覚で行動し、それが重大な犯罪行為であるという認識に乏しい場合がある。

このような状況を防ぐには、家庭だけでなく社会全体で「窃盗は犯罪であり、自身の人生や保護者の心に計り知れない影響を与える」という事実をしっかりと伝える必要があるだろう。テロ対策や金融リテラシーと同様に、義務教育の段階から犯罪に対する正しい知識を体系的に教えることが求められる。家庭では、事例を挙げながら、これが社会でいかに重い罪と見なされるかを、子供の理解度に合わせた言葉で根気強く伝える努力をしなければならない。
Q. 防犯教育を実践する上で、「人を疑う」ことと「自分を信じる」ことのバランスをどう保てば良いでしょうか?
親が「人を疑う子にはしたくない」と悩むのは当然のことだろう。このジレンマを解決するためのカギは、「自分の直感を信じる」という点にある。防犯教育の本質は、見知らぬ人すべてを疑うことではなく、子供自身が「おかしい」「ゾワゾワする」と感じた時に、その感覚を信じ、ためらわずに安全な行動をとる力を養うことにある。例えば、挨拶は歓迎するが、今の場所からどこかに移動させようとする声かけは危険と明確な線引きを教えることが有効だ。
また、家庭内での防犯意識に温度差がある場合は、具体的な役割分担を提案することが現実的だ。「全体のうち8割は私がやるから、あなたはこの2割を協力してほしい」といった形で提示すれば、協力的な態度を引き出しやすくなる。夫婦間で方針が異なると子供は混乱し、安易な選択をする傾向があるため、日頃のニュースなどをきっかけに「もしうちの子だったらどうするか?」を話し合い、一貫した教育方針を築き、ブレずに伝えることが不可欠である。防犯教育は、重苦しいものではなく、日常の何気ない会話の中で繰り返し行う「ながら防犯」として取り入れることが、子供たちの記憶に定着し、本当に必要なスキルとなるだろう。