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高配当株はなぜリターンが高いのか?
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2026年4月27日

今後も株は上がり続けると説く、マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジスト。その背景にある、普遍的な要因とは何か?2032年に向けた投資戦略や高配当株を勧める理由などと合わせて聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 神戸大学大学院・経済学研究科博士後期課程修了。経済学...
「株はずっと上がる」の真実:人生150年時代を生き抜く投資戦略
現代の投資家にとって避けて通れない「株はずっと上がる」という問い。本稿では、株式市場の専門家による解説に基づき、その真実を多角的に探究する。
普遍的な株高のメカニズムから、日本独自の投資環境、個人の長期的な資産形成戦略まで、激変する時代に合わせた賢明な投資判断のヒントを提示する。
Q. 株価はなぜ長期的に上昇すると考えられるか?
長期的な株価の上昇は、年率約7%のリターンをもたらす普遍的な要因に支えられている。第一に、インフレはモノの価値を高め、お金の価値を低下させるため、株式の価値も相対的に上昇する。第二に、企業は売上や利益の成長を通じて企業価値を向上させ、それが株価に反映される。
特に、コスト増を販売価格に転嫁することで、インフレ下でも名目上の利益を確保し成長を続ける。第三に、インデックス投資においては、不採算企業が市場から退出し、成長企業が入れ替わる「サバイバルバイアス」が常に働くため、市場全体は自然と最適化され上昇基調を保つ。

Q. 日本人が現金を多く持ちたがる背景に何があるのか?
長年続いたデフレ時代において、日本人は現金を「最もお得な資産」として認識してきた。モノの価格が下がり続ける環境では、現金の購買力が実質的に上昇し、「キャッシュイズキング」の状態が定着した。
しかし、インフレが常態化した現代において、現金の価値は目減りし続ける。この状況を多くの人々が認識し始めれば、「貯蓄から投資へ」という大きな流れが加速することは不可避だろう。長寿化が進む中で、資産の目減りを放置することは長生きリスクに直結すると考えるべきだ。
Q. 人生150年時代における投資配分ルール「100-年齢」は有効か?
投資の世界で語られる「100から年齢を引いた割合をリスク資産に投資すべき」という経験則は、個人の資産配分を決定する上での一般的な目安であった。しかし、医療技術の飛躍的進化により人類の平均寿命が延び、「人生150年時代」が現実味を帯びてくる中で、この画一的なルールは限界を迎える。
極端な話、120歳まで生きると仮定して計算すると、リスク資産比率がマイナスになる。長生きリスクに直面する現代では、年齢のみならず個人の健康状態、家族構成、財政状況などを総合的に判断し、より柔軟な資産配分を考える必要がある。
Q. 日本株の最近の好調は持続するのか?今後の日本企業の課題と成長への展望は?
近年の日本株の高騰は、東証による「PBR改革」が大きな牽引役であった。この改革は企業に対し「資本コストや株価を意識した経営」を求め、特にPBR1倍割れの企業に自社株買いなどの株主還元策を促した。その結果、市場の株式が減少し、一株あたりの価値が上がる「株のインフレ」が発生し、株価上昇の主要因となった。しかし、これは内部留保を吐き出す一時的な現象に過ぎず、日本企業の真の課題は、長年のデフレマインドを脱却し、AI活用などによる本源的な成長へ舵を切れるかにある。
日本には部品・素材といったBtoB領域において世界的に高い競争力を持つ企業が多く、これらの強みを生かすことで、今後の大きな伸びしろが期待できるだろう。

Q. どのような国・地域に投資を分散すべきか?
「株はずっと上がる」という原則は日本株だけに当てはまるものではない。一国集中投資のリスク、特に災害大国である日本のカントリーリスクを考慮すれば、グローバルな視点での分散投資は不可欠である。
推奨されるのは、経済のダイナミズムと圧倒的なテクノロジーを誇る「米国」、AIやロボット技術で著しい成長を見せる「中国」、そして今なお大きな伸びしろを持つ「日本」という3極への投資だ。さらに、企業活動とは異なりキャッシュフローを生まないが、株とは逆相関の動きをすることが多い「金」も、分散投資ポートフォリオの一部として有効な役割を果たす。
Q. 高配当株投資が有効な理由と実践する上での注意点はあるか?
高配当株投資が長期的に優れたリターンをもたらす事実は多くのデータが示すところだが、その理論的な背景には未解明な部分が多い。いわゆる「配当落ち」を考慮すれば、配当金の有無がトータルリターンに与える影響は限定的であるはずであり、これは投資専門家の間でも「ミステリー」と呼ばれている。しかし、実務的には定期的なキャッシュフローが得られる点で利点が大きい。

ただし、単に利回りが高いだけの銘柄を選ぶと、成長性が見込めない、あるいは株価下落によって見かけの利回りが高まった「罠」銘柄に陥る危険がある。減配しない「累進配当」を公言する企業など、厳選した質の高い銘柄を選別する必要がある。その判断は専門的知識を要するため、プロの意見を参考にするのも賢明な選択だ。
Q. 投資における「運」の役割は何か?成功のために個人がすべきことは何か?
投資の成功は、理論学習や相場分析、日々の情報収集など、あらゆる努力を積み重ねた上で、最終的には「運」が大きな要素を占める。しかし、運を単なる偶然と捉えるべきではない。運を引き寄せるためには、個人が為すべきことをすべてやり尽くす姿勢が不可欠である。
まさしく「人事を尽くして天命を待つ」の精神が、投資のみならず人生全体に通ずる真理であり、成功への道を拓く鍵となる。