
【里崎智也】稼ぐための5つの掟
8,291回視聴
2026年4月24日
引退後も1億円以上を稼ぎ出す里崎智也の『稼ぐための5つの掟』とは。自身が実践する、緻密な人生設計の全貌を語る。 <ゲスト> 里崎智也|野球解説者 1998年ドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団。2005年・10年には日本一を経験。06年のWBCでは正捕手として日本を世界一に導く。14年現役引退...
元プロ野球選手・里崎智也氏に学ぶ「攻める」ための最強の守り方
「ディフェンスが最強の攻撃」この言葉はビジネスの世界でも真実を示唆する。
元プロ野球選手で現在は解説者、YouTuberなど多岐にわたる活躍を見せる里崎智也氏が、自身の半生とキャリアを通じて培った「攻める」ための盤石な「守り」の哲学を語る。一見、大胆不敵に見える彼の裏には、いかなる状況にも対応できる強固なディフェンスが存在する。人生の失敗や不測の事態にどう備えるべきか、いかにしてチャンスを掴むための土台を築くのか。
そして、日本ではとかくタブー視されがちな「お金」との賢い付き合い方について、里崎流のリアルな視点で掘り下げていく。
自身のキャリアやビジネスを築く上で誰もが直面する疑問に対し、明確な指針と心構えを得られるはずだ。

Q. なぜ人生においてディフェンシブな資産形成が重要になるのか?
人生は予期せぬマイナスや失敗が避けられない。だが、それらを雪だるま式に拡大させないための「お城」の存在が不可欠だ。その「お城」こそが、堅実な資産貯蓄である。
私は人生において自分を守るべき一番大事なものは「お金」だと断言する。お金は決して人を裏切らず、個人の強力なディフェンスとなるからだ。
一見イケイケに見られる私だが、根本には非常にディフェンシブな考え方がある。この強固な守りがあるからこそ、安心して「攻撃」つまり新たな挑戦ができる。経済的な安定は、精神的なゆとりを生み、結果的に選択肢の幅を広げる。失敗を恐れて行動が鈍るのであれば、そのリスクをカバーできるだけの守りを構築するのが先決だ。人生の攻撃力を最大限に引き出すには、盤石なディフェンシブな基盤が絶対条件となる。
Q. 具体的な資産形成の第一歩として、どのような方法が推奨されるのか?
多くの人が「余ったら貯金しよう」と考えるが、その発想では決してお金は貯まらない。人間はなかなか意志の力だけで貯蓄を継続できないものだ。

そこで私が実践したのは、プロ入り1年目からの「強制的な積立貯蓄」だ。給料が振り込まれたら、まず月に10万円を自動的に定期預金口座に移動させる仕組みを構築した。これにより、使う前に貯蓄が行われるため、意識せずとも資産が増えていった。
仮にプロ野球選手の平均的な選手寿命が5年だとすれば、この方法で600万円の貯蓄が可能になる。この600万円という資金があれば、戦力外通告を受けたとしても、焦って仕事を探す必要はない。
資格取得のために専門学校に通う、大学に戻って学び直す、あるいは次の仕事を見つけるまでの準備期間として生活費に充てるなど、多様な選択肢を持てるようになる。精神的な余裕が生まれることで、冷静に自身のキャリアを再構築する時間を確保できるのだ。自ら仕事を辞める場合も同様で、退職後に必要な費用を準備してから辞めることが重要となる。
Q. プロ野球引退後のセカンドキャリアをどう構築していったのか?
プロ野球選手にとって引退は、まるで「ミステリーツアー」の始まりである。これまで野球しかしてこなかった人間が、突如として社会という大海原に放り出される感覚に近い。
私は現役中に税理士と相談し、引退までに「資産2億円」という明確な目標を設定した(家があれば2億、なければ4億)。これは、引退後に仕事がなかったとしても、年収800万〜900万円相当の生活を40年間も送れる計算だ。
資産運用からの収入となるため所得はゼロ扱いとなり、年金や保険料が安くなるなど、低所得者向けの恩恵も受けられるメリットがある。
このような盤石な資産、つまり「お城」を築いていればこそ、引退後の未知のキャリアにおいても、臆することなく思い切り攻めの姿勢で挑むことができると私は考えている。安心して新しい分野に踏み出し、様々な挑戦をすることができたのは、この揺るぎないディフェンス基盤があったからだ。
Q. 自分の価値や値段をどのように判断し、交渉していくべきか?
引退1年目は、自分の仕事における実力や市場価値が明確でない「ミステリーツアー」のような期間だ。この時期にお金の話を先行させると、「金に細かい」というネガティブな印象を与えかねないため、値段交渉は一切行わないことが賢明である。
私は引退後、自身のことを「新商品」と位置付けた。新商品はどんなものか分からないが、新鮮さゆえに人々に試してもらいやすい。その機会を最大限に活かすため、提示されたギャラは「言い値」で全て受けた。様々な仕事を通して経験を積み、多くの人との接点を作る「種まき」期間と割り切ったのだ。
自分の「値段」を設定する段階に入ってからは、まず相手に「いただけるだけのマックスください」と問い返すことで、相手の予算上限を探り、自身の相場感を測るデータとして蓄積していった。

テレビやラジオ出演のような露出機会は、私のことを知ってもらうための「宣伝(薄利多売)」と捉え、ギャラ交渉にはこだわらない。一方、講演会や野球教室など、自身のパフォーマンスが直接評価される場では「ビジネス」として適正な対価を求める。このように仕事の種類に応じて戦略を使い分けることが重要だ。さらに、「早く言ってきた人の仕事が一番」という「早い者勝ち」の鉄則を貫くことで、金額や仕事の大小で約束を反故にしない信用を築いてきた。この信頼こそが、長期的に安定した仕事を得る秘訣だと私は考えている。
Q. 「お金の話」は日本人にとってタブー視されがちだが、どう向き合うべきか?
日本では「お金の話は下品だ」「金に細かい」といった風潮があり、なかなかオープンに語られることが少ない。しかし、自ら積極的にお金の話をすることで、情報やビジネスチャンスが劇的に増えることを実感してきた。
世の中には、投資や資産形成について語りたい人、成功体験や有益な情報を共有したい人がたくさんいる。だが、日本特有の文化的背景から、なかなか話を切り出せずにいるのが実情だろう。
私がオープンにお金の話をすると、「この人はお金の話をしても大丈夫だ」と相手が安心して、様々な情報を提供してくれるようになる。良い投資話、節税のコツ、あるいは新しいビジネスのアイデアなど、それらは結果として自分の資産形成やキャリア形成に直結する重要なインプットとなる。
お金について語ることを躊躇せず、前向きな姿勢で臨めば、その情報や繋がりが巡り巡って、仕事や収益の向上に繋がる可能性がある。臆せずお金の話をすることが、より豊かな未来を切り開く鍵だ。
Q. 投資や資産運用でプロの助言を求めることの利点は何か?
物事を効率的に上達させる方法は二つしかない。自分でとことん調べ、考えて行動するか、あるいは「餅は餅屋」で、その道のプロに教えを乞うかだ。
特に投資や資産運用において、自分で全てを調べて知識もないままに手を出すのは、はっきり言って丁半博打と同じである。当たるも八卦当たらぬも八卦、という姿勢では安定した資産形成は望めない。プロである銀行や証券会社の担当者に相談すれば、無料で専門的なアドバイスを受けられる場合がほとんどだ。彼らは膨大な知識と経験を持つプロフェッショナルであり、私たちが独力で得られる情報量とは比べ物にならない。
手数料がかかる投資商品でも、その手数料はプロの知識と安心を買うための「相談料」と捉えればいい。最終的に判断を下すのは自分自身だが、その判断の質を高めるためには、優秀なプロの意見を最大限に活用すべきである。時間と労力を無駄にせず、より確実性の高い選択をするために、私は常にプロに聞くことをモットーとしている。
Q. 「資産を余らせて死ぬ」という独自の人生哲学について詳しく教えてください。
個人事業主や経営者にとって、節税のためだけに無駄な経費を使うことは「悪」であると私は断言する。会社員の経費とは異なり、個人事業主の経費は、結局は自分の手元からお金が減っているだけに過ぎない。節税効果を期待して不必要な買い物をするよりも、潔く税金を払う方が、結果的に手元に残る資産は多くなるものだ。

人生はいつ終わるか誰にも分からない。もし「何歳の何月何日に死にます」と正確に告げられるのであれば、それに合わせて計画的に資産を使い切ることも可能だろう。しかし、それができない以上、常に一定の資産を「余力」として持っておくことが非常に重要となる。
万が一の時の保険としての資産があれば、心にゆとりが生まれ、人生を楽に生きられる。もし数百万、数千万、あるいは数億円を余らせて人生を終えたとしても、その人生の中で四季折々の美味しい食事を楽しみ、好きな時に旅行に出かけ、子供や孫にプレゼントを贈るなど、望む通りの生活ができたのなら、これほど最高なことはないのではないか。
全てを使い切ることを目標にするのではなく、「全てを余らせて終わる」ことこそが、最も充実し、精神的に豊かな人生の最終目標だと私は考えている。決して、資産を使い切って最後は息絶えるような人生が良いとはいえないだろう。
