健康新常識
細胞が若返る食品成分/このお茶でオートファジー活性化/生活習慣で促進/オートファジーを低下させる要因
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2026年4月28日

健康業界のトップランナーが「新常識」を紹介する番組。若返り効果が期待できる食品成分に注目。抗老化研究で世界をリードする日本の最先端研究を生命科学者の吉森保氏がオートファジーを活性化するものを解説する。 <出演> 吉森保 生命科学者/医学博士 三田友梨佳 MC/フリーアナウンサー 森本晋太郎 MC/...
抗老化の新常識 オートファジーが拓く若返りの可能性
細胞が自らの不要な成分を分解し、再利用する仕組み「オートファジー」は、2016年のノーベル生理学・医学賞受賞を機に、その重要性が広く認知された。単なる老化防止(アンチエイジング)に留まらず、細胞レベルでの「若返り」を可能にするメカニズムとして、いま世界中で研究が加速している。
本稿では、オートファジー研究の最前線で明らかになった、驚くべき成分や生活習慣の知見を紹介する。老化を遅らせるだけでなく、積極的に「巻き戻す」可能性を秘めたオートファジーの真価に迫る。あなたの明日からの健康習慣をアップデートする、抗老化の新しい常識がここにあるだろう。

Q. オートファジー研究の最前線が今、なぜ若返りや健康長寿の鍵として注目されているのか?
オートファジーは細胞が古くなったタンパク質や機能不全に陥った細胞内小器官を分解し、新しい部品へとリサイクルする「細胞内リサイクルシステム」である。この機能が低下すると、細胞内に老廃物が蓄積し、老化やがん、神経変性疾患などの様々な病気の原因となる。そのため、オートファジーを活性化させる研究は、健康寿命の延伸、ひいては根本的な「若返り」につながるとして世界中で注目を集める。
研究は、病気の治療薬開発にとどまらず、日々の生活に取り入れられるサプリメントの開発へと広がる。世界各地の伝統食材が持つオートファジー活性化効果の検証もその一つであり、予期せぬ強力な成分が発見されるケースも珍しくない。
Q. 日本古来の「阿波晩茶」には、どのような驚くべき若返り効果が発見されたのか?
日本の各地域に古くから伝わる伝統食材600種類以上をスクリーニングした結果、徳島県に伝わる乳酸菌発酵茶「阿波晩茶」に極めて強いオートファジー促進効果が確認された。
カフェインをほとんど含まないため、老若男女安心して飲用可能である。
古くから健康茶として重宝され、「赤ちゃん茶」とも呼ばれてきた歴史がある。
この阿波晩茶エキスは、オートファジー活性化作用において、現在「最強」とされる既存の薬剤よりも強力であることが判明した。

その真価は実験でさらに明確になる。老化によって動きが鈍くなった線虫に阿波晩茶の濃縮エキスを与えると、なんと活発に動き出す「若返り」現象が見られたのだ。これは単に老化の進行を「抑制する」だけでなく、すでに老化した状態を「巻き戻す」可能性を示唆する画期的な発見といえる。
この強力な阿波晩茶濃縮エキスは、すでにサプリメントとして商品化されており、市販されている。1錠にお茶1リットル分もの成分が凝縮されており、気軽に日常生活へ取り入れられる点は魅力的だ。
Q. 近年話題の抗老化成分NMNとオートファジーには、どのような関係があるのだろうか?
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、体内でNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換される物質である。NAD+は、老化制御に重要な「長寿遺伝子」サーチュインを活性化するために不可欠な補酵素だ。年齢と共に体内のNAD+は減少するため、NMNを補給することでサーチュインを活性化させ、老化を遅らせる「抗老化」効果が期待されている。
オートファジーとNMNは異なるメカニズムで老化にアプローチするが、NMNがオートファジー活性も高めることが示唆されている。そのため、阿波晩茶のような直接的なオートファジー促進成分とNMNの併用は、相乗効果をもたらす可能性があると考えられている。老化は多面的な現象であるため、複数の経路からアプローチすることが、より効果的な健康維持につながるとされる。
NMNの摂取には注意点も存在する。クリニックで行われるNMN点滴のような過剰摂取は、かえって体内のNAD+生成酵素の働きを阻害し、有害となるリスクがあるという研究結果もある。経口摂取であれば、腸での吸収量に上限があるため、意図しない過剰摂取のリスクは低い。アンチエイジングのためとはいえ、「やりすぎ」は禁物であり、バランスの取れた摂取が重要だ。
Q. 日常生活の食生活、運動、睡眠を通じて、どのようにオートファジーを効果的に高められるだろうか?
オートファジーの活性化には、特別なことだけでなく、日々の生活習慣が大きく影響する。バランスの取れた食生活、十分な睡眠、適度な運動は、オートファジーを健やかに保ち、体の内側から健康を促進する。
オートファジーを活性化させる成分は身近な食品に多数存在する。

スペルミジン:納豆(特に含有量が多い)、大豆、キノコ、チーズ
アスタキサンチン:鮭
レスベラトロール:赤ワイン、ぶどう
カテキン:お茶
グルコサミン:エビ、カニ
セサミン:ごま
ケルセチン:だったんそば
特に納豆に含まれるスペルミジンは、世界中の研究者が認める強力なオートファジー促進物質であり、日本人が日常的に摂取しやすい「最強のフード」といえる。阿波晩茶に見られるように、発酵食品にこれらの成分が多く含まれる傾向があるのも特徴だ。ただし、効果を期待してこれらの食品だけを過剰に摂取するのは避けるべきであり、何よりもバランスの取れた食事が基盤となる。
Q. 老化に対し、単なる抗老化ではない「ビヨンドエイジング」とは、どのような考え方か?
オートファジー研究が進む中で、「老化」そのものへの向き合い方も進化している。「アンチエイジング」という言葉は、老化を敵対視するニュアンスを持つが、加齢に伴う経験や知識、深みをポジティブに捉える「ビヨンドエイジング」という考え方が提唱されている。アンティーク品のように、年を重ねることで価値が増すという視点である。

目指すべきは、老化に伴う病気を予防し、健康を維持しながら、年を重ねるプロセスそのものを楽しむ社会の実現だ。若さを至上とするのではなく、豊かな経験とともに「良い歳の取り方」をすることで、年配者が生き生きと輝く社会を築けるだろう。
ストレスや社会的孤立は、オートファジー活性を低下させ、老化を促進することが知られている。特に、定年退職後に社会との繋がりを失いがちな男性は、友人との交流など積極的なコミュニケーションが健康長寿に不可欠である。人間らしい丁寧な生活、つまりストレスを溜めずにバランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠、そして人との温かい繋がりが、真の抗老化戦略といえるだろう。
これまで漠然と「体に良い」とされてきた昔ながらの生活習慣が、オートファジー活性化という科学的根拠によって裏付けられる。この科学的な裏付けは、人々がより強く、主体的に健康的な習慣を実践するための大きな動機付けとなるだろう。