PIVOT TALK LIFE
車離れ・家離れが加速。最強の資産は「自分自身」
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2026年4月19日

車や家の所有意欲が激減し、家の購入ハードルが年収1000万円にまで高騰する20代の最新事情。「NISA貧乏」を避けて「今」を楽しむ推し活消費へのシフトや、不確実な時代を生き抜くための「自己投資」の重要性について、調査データをもとに徹底解説する。 <ゲスト> SMBCコンシューマーファイナンス <...
20代のお金事情のリアル:激変する消費・投資マインドと未来への備え方
現代の20代の消費行動や価値観は、上の世代とは大きく異なる。かつて「所有すること」が一種のステータスとされた車や家への意欲は激減し、投資への関心は高まりつつある一方で、「NISA貧乏」といった新たなトレンドも生まれている。加えて、彼らが未来、特に老後に対して抱く漠然とした不安もまた、その金銭感覚を形作っている大きな要因の一つと言えるだろう。

本稿では、最新の調査結果から、今を生きる20代が抱えるお金に関するリアルな悩みや傾向を深掘りする。不確実な時代を生き抜くために、彼らが重視するものは何か。そして、未来へ向けて最も重要な「投資」とは何かを探求していく。
Q. 20代の若者が車や家への所有意欲が減退しているのはなぜか?
調査によると、車や家を購入したいと考える20代の割合は、過去12年間で大きく変化している。かつては80%台を推移していた所有意欲が、2026年には50%台へと大幅に減少したのだ。同時に、どれだけ年収があっても車や家を購入したくないと考える層が12%から20%へと増加しており、この傾向は明らかである。
この変化の背景には、所有に対する価値観そのものの変容がある。かつて「家や車を持つこと」は社会的ステータスであり、個人の成功を示す指標の一つであった。しかし現代の若者は、それらを必ずしも「マスト」とは捉えていない。モノを持つことよりも、共有すること、あるいはより自由なライフスタイルを志向する価値観が浸透しているのだ。
特にシェアエコノミーの発達は、所有欲の希薄化に拍車をかけている。必要な時に車や住居を借りたり、サービスとして利用したりすることで、維持費や管理の煩わしさから解放される利便性を享受できるため、「所有」する必要性が薄れたと考えられる。
Q. 現代の20代は、車や家を購入するためにどのくらいの年収を求めているか?
車や家に対する所有意欲は減少しているものの、実際に購入を検討する際の世帯年収のボーダーラインは年々上昇傾向にある。20代の過半数が「車を購入してもよい」と考える世帯年収は、前年の600万円から700万円へと増加。同様に、家を購入できると考える世帯年収は、900万円から1000万円へと、こちらも100万円の上昇を見せた。
これは、現代の20代が直面する物価高騰と不動産価格の高騰を強く反映した結果と言える。ガソリン代を含む車の維持費は高まる一方であり、住宅も建設費や土地価格の上昇によって取得が困難になっている。生活費の負担が増大する中で、これらの高額な買い物を実現するためには、より多くの収入が必要不可欠だと認識されているのだ。
経済的なハードルが上がったことで、所有欲がある層であっても、実現可能なラインがより高収入へとシフトしている現状が浮き彫りになっている。高収入でなければ選択肢にすら上がらないと感じている若者が増えているのだ。
Q. 若者の車や家に対する意識は、都市部と郊外でどのような違いがあるか?
自宅購入の意向については、都市部と郊外で地域差はほとんど見られない。どちらの地域でも、ある程度の年収があれば家を購入したいと考える傾向があることが分かった。

一方で、車の購入意向に関しては地域ごとの違いが顕著である。特に都市部では「車はそもそも欲しくない」と回答した20代が38.1%にも達しており、これは約4割の若者が車なしの生活を送っていることを意味する。都市部では公共交通機関が発達しており、車がなくても移動に困らないため、車を持つ必要性が低いと考えられているのだ。
さらに驚くべきは、これまで車が生活必需品とされてきた郊外においても、「車の購入意向なし」と回答した層が3割を超え、この10年間でその割合が3倍に急増している点である。都市部に比べると車の必要性が高いにも関わらず、郊外の若者もまた車を手放す傾向にあることが明らかになった。車の維持費の高騰や、カーシェアリングなどのサービス普及が、地域を問わず「所有」の価値を相対的に低下させている可能性が高い。
Q. 20代のNISA利用率は低い傾向にあるようだが、その背景には何があるのか?
新NISA制度の開始などで投資への関心が高まっているかと思いきや、20代のNISA利用率は意外な実態を示している。なんと、前年の21%から減少して17.4%にとどまっているのだ。これは、メディアでの盛り上がりとは裏腹に、多くの20代がまだ本格的な投資に踏み出せていない状況を表している。

その背景には複数の要因がある。一つは「NISA貧乏」といったワードがトレンドになったことに示されるように、投資に過度に資金を回しすぎて現在の生活が圧迫されることへの懸念がある。日々の生活費や突然の出費に対応できる手元資金を確保することの重要性を痛感している若者も少なくない。
また、老後や将来への漠然とした不安を感じている一方で、「今を充実させたい」という強い消費マインドを持つ若者も多い。「推し活」など、自分の好きなことや熱中できることには惜しみなくお金を使いたいという価値観が、投資を後回しにする一因になっている。長期的な資産形成よりも、短期的な喜びや経験を優先する傾向が強いのだ。
Q. 20代は老後の生活についてどのようなイメージを抱いているのか?
20代は、自らの老後の生活に対して非常にネガティブなイメージを抱いていることが調査で判明した。「老後の生活が楽しみだ」と回答した20代の割合は、2022年には約3割であったが、直近の調査では15%へと半減している。
この深刻な結果は、20代が置かれている現代社会の不確実性と直結している。年金制度の持続可能性への不安、インフレによる物価上昇、先行きが不透明な世界経済や地政学的リスクなど、彼らを取り巻く環境は決して楽観視できるものではない。これらの要因が複合的に作用し、漠然とした将来への不安、特に老後の生活への不安が彼らの心に重くのしかかっているのである。
先の見えない時代を生きる中で、老後に希望を抱くことが難しいと感じる若者が増えているのは、非常に示唆に富む結果と言えよう。彼らは未来に対して具体的な展望を描くことが困難であり、これが消費行動や貯蓄、投資へのアプローチにも影響を与えている可能性がある。
Q. 不確実な時代を生きる20代が今すべき最も重要な「投資」とは何か?
物価高、AIの発展、年金問題など、不確実性に満ちた現代において、20代が抱える将来への不安は根深い。しかし、このような時代だからこそ、確実に報われる「投資」が存在する。それは「自分自身への投資」である。絶対に裏切らない、唯一の確かな資産は自分なのだ。

20代の最大の武器は「時間」である。この時間をどのように使うかが、彼らの未来を大きく左右する。短期的な視点に囚われず、目先の楽しみを大切にしつつも、長期的な視野を持ってライフイベントを描き、未来の解像度を高めることが重要である。
自己投資は、具体的に様々な形で実現できる。例えば、資格取得やスキルアップのための学習、異なる文化に触れるための旅行、人脈を広げるための交流活動など、多岐にわたる。これらの経験を通じて、自分自身のスキルや知識、人間性をアップデートし続けることが、将来において最も高いリターンをもたらす資産となる。
金融投資も有効な選択肢だが、まずは自分という資産を最大限に磨き上げることが、不安定な時代を乗り越えるための土台を築く最良の戦略と言える。常に変化に対応できるしなやかな自分を育てることが、究極の安定につながるのだ。