REBOOT JAPAN
【日本人をリブート】勝間和代×田中 渓/スキル・マネー・健康の最適解/AIを使い倒せ/新「読み・書き・そろばん」
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2026年4月5日

日本の社会にこびりついた古い成功体験や思考停止した習慣を強制終了し、日本人と日本という国をリブート(再起動)していく新番組。第1回のゲストは、勝間和代氏と田中渓氏。前編では日本人のOSを書き換えるために「スキル・マネー・健康」の最適解を示す。 <ゲスト> 勝間和代|経済評論家 1968年東京生まれ...
令和リブート:AI・お金・健康。常識を捨て、未来を書き換える
日本人が抱える古い成功体験、思考停止した習慣、そして惰性的な行動。これらを一度強制終了し、個人と社会を未来仕様に「再起動(リブート)」する時期が来ている。
本稿では、新番組「リブートジャパン」でMCの森本晋太郎が経済評論家の勝間和代、大学教授の田中渓と共に繰り広げた、スキル、マネーリテラシー、健康の3つの側面から、「今すぐ捨てるべきこと」と「身につけるべき新常識」を深掘りする。古いOSをアップデートし、令和の時代を軽やかに生きるための具体的戦略を明らかにする。

Q. AI時代に「捨てるべきこと」は何ですか?「身につけるべきこと」は何ですか?
AIが進化する現代において、努力、根性、長時間労働といった昭和の価値観は、もはや不要だ。勝間氏は、テクノロジーが優れた作業は全てAIに任せ、人間は人間しかできないこと、すなわち意思決定や共感といった高付加価値な領域に集中すべきだと説く。
田中氏も同意見であり、これまで学校教育で評価された記憶力や計算力、正確な表現といった能力は、機械が遥かに上回ると指摘する。人間が重視すべきは、倫理観、共感力、そして一見無関係に見える事柄を結びつける「越境能力」だと強調した。

特に、AIは常に「推論」でしか物事を語らず、時に嘘をつく「ハルシネーション」のリスクがあるため、AIが出した情報を盲信してはならない。私たちの知識や経験をもって、提示された情報の真偽を判断する能力こそ、人間に残された重要な役割なのである。
Q. AIを効果的に使いこなすにはどうすればよいですか?
AIをうまく使うスキルを伸ばす唯一の方法は、とことん「死ぬほど使う」ことだ。勝間氏は1日に100回以上、上級者は1日に1000回もの頻度でAIと対話し、思考の壁打ち相手として活用している。これほど多くの対話量を重ねることで、AIが自身の好みや思考パターンを学習し、オーダーメイドの優秀なアシスタントへと進化していく。
しかし、AIに全てを丸投げするのは危険だ。AIは言語の計算機であり、入力された情報を基に確率的な文書を返すに過ぎない。そのため、私たちは的確な問いを投げかける能力だけでなく、返ってきた回答が正しいか否かを自身の知識や経験で判断し、必要に応じてWeb検索などでファクトチェックする二重の検証能力が求められる。これは、特定の分野に関する基礎知識の学習なしには成り立たない。
例えば、語学力がない状態でアラビア語をAI翻訳した場合、最終的な日本語訳の正確性を判断することはできない。AIが間違えたときに、そのダメージが大きい投資判断や政治判断などにおいては、最終的に原点に立ち返って判断できる人間の能力が不可欠なのだ。
Q. 新しい時代の「読み書きそろばん」とは具体的にどのようなスキルを指しますか?
勝間氏と田中氏が提唱する令和版「読み書きそろばん」は、従来の枠を超えた新しい必須スキルを指す。

【読み:語学(特に英語)】単なる言語学習に留まらず、英語という「別の思考OS」をインストールする意味を持つ。多様な文化や思考を取り入れ、世界のニュースやサービスの流れを直接理解する力を養う。AI翻訳は完璧ではないため、人間的な共感やビジネス交渉には語学力が必須となる。
【書き:AIへの問いかけ(プロンプト能力)】自身の思考や感情を明確に言語化し、AIに「質の高い問い」を投げかける能力だ。勝間氏はタイピングでは追いつかない思考のスピードに対応するため、AIによる校正機能を介した音声入力を日常的に活用している。曖昧な「分からない」状態を脱し、的確なプロンプトを作成できる力は、AI時代に不可欠なコミュケーション能力である。
【そろばん:確率計算能力・金融リテラシー】物事を「1か0か」ではなく、確率で捉える思考力だ。AIは全て確率で物事を計算するため、人間もそれに合わせた確率思考が求められる。この能力を養う有効な手段として、勝間氏は「麻雀」を挙げている。麻雀はひたすら確率計算をするゲームであり、不確実性の中で最善手を探る思考が鍛えられる。
Q. 日本人が「お金の呪縛」から解放されるためには何が必要ですか?
日本人がお金や投資に対して臆病になるのは、「高金利で預金が増えた」バブル期の成功体験と、ハイリスクな投資による「破産」といった過激な失敗談が強く影響している。銀行に預けているだけでお金が増えた親世代の経験と、一部のレバレッジをかけたFXや仮想通貨などで大損する極端な事例が、日本人を「お金の呪縛」に囚わせている。
しかし、インフレが進む現代において、金利がほぼゼロの預金口座に資産を置いておけば、物の値段が上がる一方で実質的な価値が目減りしていく。つまり、銀行預金だけでは資産を守ることができない。田中氏はこの現状を踏まえ、貯金と投資のバランスを正しく理解し、お金に対する旧態依然とした意識を刷新する必要があると主張した。
また、投資=危険というイメージが強いが、正しい知識と方法があれば、決して投機的な行為だけではない。お金を増やすことに対するネガティブな感情を捨て、現代の経済状況に合わせた知識を習得することが、この「呪縛」から解放される第一歩である。
Q. インフレ時代における「賢い資産形成の方法」とは何ですか?
賢い資産形成の方法として、勝間氏が2007年の著書で提唱し、今や広く知られるようになったのが、「ドルコスト平均法によるインデックス投資」だ。
毎月手取り収入の2割程度を、全世界株式(オルカンなど)といった低コストなインデックスファンドに積立てるだけで、着実に資産を増やすことが可能だ。当時の読者でこの手法を実践した者は、現在、安全に資産を5〜7倍に増やしているという。複利効果により、10年で2倍、20年で4倍、30年で8倍と、着実に資産は増加していく。まだ始めていない者でも、老後の資産形成には遅くないと強調する。
手数料の安いオルカン銘柄の登場により、インデックス投資は格段に始めやすくなった。以前は投資信託の手数料で利益が相殺されることもあったが、今はその心配も少ない。長期積立、国際分散投資という王道戦略こそが、インフレ時代を乗り越える堅実な資産形成術である。
Q. 「億り人」になるための道のりはありますか?
安全な資産形成の王道がインデックス投資である一方で、田中氏は「億り人」を目指すならば、もう一歩踏み込んだ戦略を推奨する。
彼は、資産の8割はインデックス投資に、残りの1〜2割は「個別株」に投資することを提案。個別株投資はリスクも伴うが、世界経済への興味や知的好奇心を刺激し、自身の学習や新たな才能発見にもつながると言う。株主優待を目的に購入したり、企業の財務諸表を読み込んだりする中で、ビジネス感覚や分析能力が養われるメリットがある。
「億り人」になるためには、労働収入だけに頼らず、副業や個人事業といった複数の収入源を持つことが不可欠だ。また、お金の使い方を「投資、投機、消費、浪費」に分類して意識し、資産性のあるもの(エルメスのバッグや高級時計など)への支出は「消費」ではなく「投資」と捉えることも重要だと語った。これらの多角的なアプローチが、億り人への道を開くだろう。
Q. 最高のパフォーマンスを発揮するための「健康リブート術」は何ですか?
スキルやマネーの「OS」を再構築する上で、最高の資本である「健康」の最適化は欠かせない。

【睡眠がデフォルト】人間の本来の姿は「寝ていること」だと捉え、睡眠と活動の主従を逆転させるべきである。起きている時間は異常な興奮状態であり、最低7~8時間の睡眠を確保することが、頭脳と体のパフォーマンス維持に必須だ。田中氏も動物が食べたら寝ることに倣い、睡眠の重要性を語った。
【タイムボクシングの実践】勝間氏も田中氏も、「寝る・運動する・ご飯を食べる」といった健康維持のための時間を、他のどの予定よりも優先してカレンダーにブロックする「タイムボクシング」を実践する。仕事はそれ以外の時間に行うという発想の転換が、持続的な高パフォーマンスを生む。一日の活動量(約300kcal、1万歩など)をスマートウォッチで可視化し、客観的に管理することも有効だ。
【カロリー信仰を捨てる】従来のカロリーだけを気にする食生活は時代遅れだ。田中氏は血糖値スパイクを避けることに加え、タンパク質と「発酵性食物繊維」の摂取を重視した「FPCバランス(Fiber, Protein, Carbohydrate)」を提唱する。食事は健康を損なわない範囲で楽しむことを目的とし、勝間氏が「ゴルフ場選びはご飯の美味しさで決める」、田中氏が「食事のために走る」と語るように、美味しく食べ、ぐっすり眠るための手段として運動を位置づけている。