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人生を豊かにするお金の使い方(字幕バージョン)
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2026年2月23日

小さな支出にこだわるメリット・デメリットとは?感情で決めた買い物は良い結果を生むのか?「後悔のない、賢いお金の使い方」を世界中で800万部を売り上げた「サイコロジー・オブ・マネー」の著者、モーガン・ハウセル氏に聞いた。 <ゲスト> モーガン・ハウセル|『アート・オブ・スペンディングマネー』著者 コ...
真の豊かさを築く「お金の使い方」:モーガン・ハウセルが語る心理学と人生戦略
世界的なベストセラー『サイコロジー・オブ・マネー』の著者モーガン・ハウセル氏が、新著『アート・オブ・スペンディング・マネー』を携えて日本のメディアに初登場した。今回のテーマは「お金の使い方」である。ハウセル氏は、貯蓄や投資だけでなく、人生を豊かにする支出の哲学に焦点を当てる。彼が語る、現代社会で賢くお金を使い、後悔のない人生を送るための普遍的な知恵を深掘りする。

Q. お金に関する成功は、知識よりも何が重要なのでしょうか?
金融の世界で成功する鍵は、必ずしもどれだけ知識があるかではない。投資もお金の使い方においても、強欲、恐怖、嫉妬、不安といった感情にどう向き合うかという心理的なソフトスキルが全てを左右する。ハーバードで学んでも破産する者がいる一方で、投資知識がなくとも忍耐力と落ち着きで富を築く者も存在する。これは感情との付き合い方が結果を分ける典型例だ。
Q. お金の使い方はなぜ貯蓄よりも難しいテーマなのでしょうか?また文化や価値観の違いは?
多くの人が「お金の使い方なんて議論する必要はない」「あればあるだけ使えば幸せ」と考えがちである。しかし、年収数億でも心が満たされない人もいれば、少ない収入で充実した人生を送る人もいる。この深遠なテーマについて語る本は驚くほど少ないと著者は指摘する。自身も長年深く考えることなく、自己探求の旅を通じてその複雑性と重要性に気づいたという。
お金の価値観に絶対的な正解はなく、文化、地域、世代、個人のリスク許容度によって「良い使い方」は大きく異なる。例えば、高級車で社会的成功を示すことを喜びとする文化もあれば、質素であることを美徳とする文化もある。重要なのは、他人の価値観に流されず、自分自身の性格や社会的な願望、リスク許容度に納得できる使い方を見つけることだ。

Q. 若者が陥りがちな「承認欲求」の罠と、そこから抜け出すヒントはありますか?
若い頃はスキルや経験に自信がなく、物質的な所有物を見せびらかすことで他者からの尊敬や賞賛を得ようとしがちだ。しかし、年齢を重ねるにつれ、本当の尊敬は家族や友人からの信頼や愛情から得られると気づく。この「自立なき富は特殊な形の貧困」というハウセル氏の言葉が示すように、真の幸福は内面的な関係性にこそある。
この価値観の変化は、残念ながら本を読むだけで身につくものではない。20代に経験する最高の満足感や燃えるような嫉妬心といった、痛みを伴う実体験を通じてしか学ぶことができないとハウセル氏は語る。誰もがそのプロセスを経て成長するのである。
Q. 「数字の呪縛」から自由になり、後悔を最小化する人生戦略とはどのようなものでしょうか?
「30歳までに〇〇円貯める」といった具体的な金額目標は、達成できない時にネガティブな失敗感を生み出すことがある。
ハウセル氏は目標(ゴール)ではなく仕組み(システム)を持つことを推奨する。例えば「毎月給料の10%を自動貯金する」という仕組みは、精神的な負担を軽減し、継続的な資産形成を可能にする。日本に限らず、「死ぬ時が一番お金持ち」になってしまうパターンは多い。長寿化する現代において老後への備えは当然だが、それが行き過ぎて資産を使う恐怖に囚われてしまうと問題だ。そこで「後悔の最小化」という考え方が役立つ。

未来の自分が振り返った時に「もっと使えばよかった」「旅行に行けばよかった」と後悔しないよう、現在の幸福と将来の安心のバランスを常に問いかけ続けることが鍵となる。
Q. SNSやAIといった最新テクノロジーが、現代人の金銭感覚や幸福観にどのような影響を与えているのでしょうか?
SNSは、人々の人生における「トップ1%の瞬間」だけを切り取り、他者と比較させることで、平均的な収入を得ている人でさえ「自分は落ちこぼれている」と感じるプレッシャーを増幅させている。ハウセル氏は、現実世界で友人と過ごす時間を増やすことで、この「比較地獄」から脱することを提案する。
生成AIはさらにこの問題を複雑化させている。AIはユーザーが何を不安に感じるかを正確に学習し、完璧な偽物や、あなたをさらに追い詰める「もっともらしい虚構」をゼロから生み出す能力を持つ。この技術により、比較による心理的な問題は10倍難しくなったと言う。
しかし、AIは強力なツールとしても機能する。かつて富裕層しかアクセスできなかった税金、資産配分、相続に関するパーソナライズされた金融アドバイスを、一般の人々も平易な言葉で得られるようになった。これは、個人の人生設計において革命的な進歩だとハウセル氏は評価する。
Q. 未来の自分にとって最も価値ある「お金の使い方」とは?30〜40代へ向けてメッセージをいただけますか?
30〜40代は資産形成のピークを迎える重要な時期だ。彼らへのメッセージは2点ある。まず第一に、他人の真似をするのではなく、自分自身の目標、欲求、性格を深く理解すること。そして第二に、未来の自分を具体的に思い描き、その未来の自分に「ありがとう」と感謝されるような行動を「今」すぐ実行することだ。
人に優しくできても、自分に優しくするのは難しいもの。しかし、30年後だけでなく、30日後の自分でさえ感謝するような行動を今とることが、複利の力で良い結果を生み出す原動力となるだろう。

ハウセル氏が最も価値があると感じたお金の使い方は、豪華なモノや旅ではなく「家族とのちょっとした旅行」だったと言う。旅行の真の価値は目的地にあるのではなく、日常から離れ、デバイスから解放され、家族と邪魔されない上質な時間を共有することだ。自然な会話が生まれ、その瞬間が何にも勝る最高の贈り物となるだろう。