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超エリートAI起業家が語る「AI時代の人間」
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2026年2月18日

音声AIの進化により、リアルタイム同時通訳はどこまで可能になっているのか?日本の高校を経て、米国のトップスクールで博士号を取った超エリート起業家2人に、「AI時代の人間」と「音声AIと同時通訳の可能性」について話を聞いた。 <ゲスト> 小島熙之|Kotoba Technologies, Inc. ...
知能を実装しSFを現実に──“日米クロスボーダーAI起業家”が語る人間とAIの未来
日本の名門校から米国のトップ大学・大学院へと進学し、AI研究の最前線で博士号を取得。そのキャリアパス自体が、類まれな挑戦の連続であった。
Kotoba Technologiesを共同創業したCEOの小島熙之氏とCTOの笠井淳吾氏は、まさに“開拓者”と呼ぶにふさわしい起業家たちだ。
本稿では、彼らが情報もノウハウも少ない時代にどのようにして海外での道を切り拓き、AI研究の深遠な魅力にはまり、そして来るべき「AIが人間を超える時代」をどのように見据えているのかを深く探る。


Q. 日本の名門校から直接米国の大学へ進学した動機は何だったか?
笠井氏は日本の理系・文系で分断される教育システムに疑問を抱いていた。哲学と自然科学の両方に興味があり、分野を横断して学べる米国のリベラルアーツ教育に魅力を感じたことがエール大学進学のきっかけだったと語る。
一方、小島氏は宇宙工学への強い関心があった。「ロケットを飛ばすならNASAがあるアメリカだろう」というシンプルな動機がミシガン大学進学へと導いた。どちらのケースも、明確な学習意欲や目標が、前例の少ない海外挑戦を後押ししたのだ。
Q. 情報が少ない中で海外大学受験をどのように乗り越えたのか?
当時の海外大学受験はノウハウがほとんどない時代であり、あらゆる側面で苦労を強いられたと二人は振り返る。
英語の試験対策はもちろんのこと、推薦状の手配、エッセイの作成など、全てのプロセスが手探りの挑戦であった。特に笠井氏は「先輩に聞けるだけ聞いた」と語り、小島氏はなんと一度も現地に赴かないまま出願を行ったという逸話もある。
言語の壁、文化の壁にも直面しながら、周囲のサポートや自身の強い意思で未知の道を切り拓いていった。
Q. 米国の大学生活で感じた日本とのエリート教育の違いとは何か?
笠井氏によると、米国のエリート学生は圧倒的に「話すのがうまい」点が日本の学生と大きく異なっていたという。
彼らは本を一度も読まずに内容について議論できるほどの高い発信力とプレゼン能力を備えている。また、マルチタスクに優れ、学業だけでなくクラブ活動など様々な分野で多彩な能力を発揮する学生が多かったとも指摘する。
日本のような詰め込み型の知識ではなく、知識をどう表現し、どう応用するかという能力が重視される環境であったと説明した。

Q. 宇宙工学や哲学の道からAI研究に転向したきっかけは何か?
小島氏は、ミシガン大学1年生の時に運命的な出会いを経験する。ディープラーニングの火付け役となったImageNetデータセットを作成した教授の研究室で偶然にもAIに触れる機会を得たのだ。
画像認識と自然言語理解を同時にこなすAIに「SFを現実で作れる」衝撃を受け、当初志していた宇宙工学からAIへと完全に“ピボット”したと語る。
一方、笠井氏は哲学への探求から始まった。中国留学や人類学など様々な分野を経験する中で、「言語の意味とは何か」という哲学的な問いを追求していた。
データから言語の意味を理解し実装できるAIの可能性に惹かれ、大学3年でAI研究の道へと進んだという。
Q. Metaなどでのインターン経験がありながら博士課程に進んだ理由とは何か?
二人はGoogleやMetaといったトップ企業でのインターンを経験しているが、博士課程への進学を選んだ。
小島氏は、大企業での働き方が「サラリーマン」のようで自身には合わないと感じ、より本質的で大きな研究を追求したいと考えた。また、AI研究が他の分野に比べて結果を短期間で出せる「イテレーションの速さ」も魅力的だったと語る。
笠井氏も同様に、大企業では部分的な仕事しかできないことに物足りなさを感じ、研究を通して社会にインパクトを与えたいという思いが博士課程へと進ませた。

当時の博士課程入学は非常に競争が激しく、学部時代に一流会議で論文を発表するほどの高い実績が求められたという。
Q. お二人が感じるAI研究の根本的な魅力とは何か?
小島氏は「SFの世界を自分で作れること」が最大の魅力だと断言する。
かつて画像認識も言語理解もできなかったコンピューターが、まるでSF映画のように振る舞う現実に強い興奮を覚えた。宇宙開発のような大規模プロジェクトとは異なり、ラップトップ一つで最先端の研究を進め、成果を出せるスピード感もAIならではの魅力だと述べる。
笠井氏は「知能を実装できること」にAIの魅力を感じる。
長年、哲学者たちが考察してきた「意味とは何か」という問いを、AIを通して実際に検証できるようになったのだ。ChatGPTのようなAIが登場したことで、データ駆動型アプローチが知能の実装に有効であると実証され、従来の哲学的な議論に新たな知見をもたらした。AIは人間とは何かを考える上での「際限のない」研究対象であり、尽きることのない探求の場だとしている。
Q. AIの進化は人間社会にどのような影響を与え、人間は何が残されると考えるか?
AIが進化する中で「人間の仕事はほとんど残らないだろう」と二人は口を揃える。生成AIの登場初期は、クリエイティブな仕事が人間の領域とされたが、真っ先にAIに代替された。次にブルーカラーの肉体労働も、ヒューマノイドロボットの登場によりAIに奪われる可能性があると指摘する。
人間とAIを分かつ唯一の点は「生存本能」の有無であるという。
人間は「生きたい」「子孫を残したい」といった本能に基づいて行動するが、AIはそのデータから学習するのみで、本能自体は持っていない。しかし、これが人間の優位性を保証するものではないとも語った。
歴史を振り返れば、テクノロジーの発展によって人間は計算、力、移動といった様々な分野で「主役の座」から追いやられてきた。そして今、知能の領域もAIに席巻されようとしている。
「人間は何が残されるのか?」という問いに対し、はっきりとした答えは見つからないとしつつも、哲学的観点からは「人間の定義そのものが変わる時代」であると述べた。

人間は主体的な「生産者」から、AIが生み出すものを受け取る「消費者」として生き残る可能性はあるものの、その役割の変化は不可避だという見解を示した。
未来の世代はAIが前提の社会で育つため、彼らが担う役割によって「新しい人間のあり方」が再定義されるだろう。その姿を想像することは困難だが、それがこの時代の「面白い」と同時に「怖い」部分であると締めくくった。