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【速報分析】高市相場は続く。日経平均は年内7万円超えも
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2026年2月10日

高市自民大勝を受けて、急上昇した日経平均株価。この上昇は続くのか?年内の株価はどこまで上がる可能性があるのか?今後のリスクと合わせて、マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏に聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 上智大学外国語学部卒。神戸大学大学院・経済学研...
高市政権と米国リスクが揺り動かす日本株の未来
近年稀に見る政治状況の中、日本株市場は急速な変動を見せている。
特に高市政権の誕生、そして変動の激しい米国市場の動向が、日本株の方向性を大きく左右する要因となっているのだ。
現在の日本株市場の評価、将来的な展望、そして潜むリスクについて、専門家の見解を踏まえ、深掘りしていく。

Q. 今回の日本株の急騰はどのような背景によるものか?
直近の日本株急騰の要因は二つある。
一つは自民党が事前予測をはるかに上回る大勝を収めたことだ。
選挙結果発表前の段階では、すでに自民党の勝利が市場に織り込まれていたため、いわゆる「噂で買って事実で売る」セオリーが適用されると考える向きが多かった。
しかし、その歴史的な大勝が「ポジティブサプライズ」として市場に受け止められ、株価を大きく押し上げたのである。
もう一つの大きな要因は、先週末にニューヨークダウ工業平均株価が5万ドルの大台を達成したことだ。
通常、日経平均とNYダウは同様の動きを見せることが多く、NYダウが大幅上昇したことで、日本市場も連れ高の形で買いを集めた。
この二つの強力な材料が相乗効果をもたらし、結果として日経平均は一時5万7000円台まで上昇する場面も見られた。
Q. 現在の日本株のバリュエーションは割高と見るべきか、それともまだ上昇余地があるのか?
現在の株価水準に対する評価は、どの利益予想を基準にするかで異なってくる。
一般的に新聞などで示されるPER(株価収益率)は、多くの場合、現在の会計年度(今期)の予想利益に基づいているため、3月で終わる今期基準で考えると20倍を超えており、一見すると割高に見えるだろう。
そのため、短期的な視点では警戒が必要という意見もある。
しかし、多くの機関投資家は、企業の将来性を評価する上で、向こう1年間の予想利益、すなわち来期の予想利益を重視する傾向がある。
来期ベースで日本企業全体の予想利益を見ると、まだPERが20倍を超える水準には達していない。
さらに、日本経済が長年のデフレから脱却し、「成長の芽」が出始めているという市場の認識も重要だ。
成長が期待できる企業や市場においては、多少見た目のバリュエーションが高くても許容されやすいという特性がある。
これらの点を踏まえると、現状のPERは正当化される側面があり、まだ株価上昇の余地は十分にあると言えるだろう。

Q. 高市政権の政策は、今後の日本株市場にどう影響するのか?
高市政権が今後どのような政策を実行するかが市場の注目点となる。
ここで重要なのは、「景気対策」と「成長戦略」の区別である。
景気対策は、景気低迷時に経済を下支えするための緊急措置であり、いわば風邪の時に解熱剤を飲むような「対症療法」である。
一方、成長戦略は、経済の構造改革や新たな産業育成を通じて、長期的な視点で国の基礎体力そのものを強化しようとする「根本治療」に該当する。
高市政権が掲げる17の重点分野は、目先の景気を刺激する即効性のあるものではなく、むしろ長期的な日本の成長力を引き出すことを意図した「成長戦略」に分類される。
このような政策が政府だけでなく、民間企業も巻き込みながら、官民一体となって着実に実行されるならば、市場は日本経済の持続的な成長に期待を抱き、企業価値や株価の再評価へと繋がる可能性は高い。
特に、PER(株価収益率)のような株価評価の指標において、「成長期待」がプレミアムとして乗じることで、バリュエーションの切り上がりが正当化され、株価をさらに押し上げることが期待される。
Q. 日本株、特に日経平均は今年、どこまで上昇する可能性があるのか?
日本経済に「成長の芽」が出てきたと市場が評価し、PERがさらに拡大すれば、日経平均は大幅に上昇する可能性を秘めている。
もし成長期待からPERが現在の20倍程度から25倍程度まで許容されるようになれば、話は大きく変わる。
これに加えて、来期の日経平均の1株当たり利益(EPS)が3100円程度まで増加すると予測されており、EPS3100円にPER25倍を適用すると、日経平均は理論上7万7500円という水準が導き出されるのである。
確かに、短期間で急ピッチな上昇を見せているため、一旦の調整は避けられないかもしれないが、年内目標として設定されていた6万円台は、この勢いと日本企業の好業績を鑑みれば、簡単にクリアする可能性が高い。
そして、勢いがつけば、6万円台半ばはおろか、7万円台に到達することも、決して非現実的なシナリオではないだろう。
これは、日本企業の現在の業績と将来的な成長期待が組み合わさることで、7万円台という水準も正当化できるレベルにあることを示唆している。
Q. 現在の日本株市場における最大のリスク要因は何であるか?
日本国内の政治情勢は選挙の大勝によって安定に向かっているため、現在の日本株にとっての最大のリスク要因は、海外、特に「米国発の不確実性」であると考える。
今年に入ってからも、トランプ大統領の予測不能な行動が、世界各地で様々な波乱を引き起こしている。
具体的には、ベネズエラへの介入、グリーンランド領土問題における欧州諸国との対立、イランとの緊張関係の高まりなどが挙げられる。
これらの地政学的な問題に加え、米国内政にも深刻な混乱が見られる。
移民政策に反対するデモが全米で激化し、州兵が動員される事態にまで発展しており、抗議者の中から死者が出るという衝撃的な事件も発生している。
このような事態がさらにエスカレートすれば、米国の民主主義の根幹を揺るがしかねず、それが世界市場を直撃する可能性がある。
金融政策の面でも不透明要素が多い。
次期FRB議長にタカ派とされる人物が指名されたことで、これまでの市場の利下げ期待が揺らいでいるのだ。
政治、外交、金融政策といった多岐にわたる分野で、米国は極めて混沌とした状況にあり、これらの米国発の不確実性は11月の中間選挙に向けてさらに高まることが予想されるため、投資家は最も警戒すべき点である。

Q. 過度な円安は、日本株にとって引き続き好材料と見ても問題ないのか?
円安が株価に直接影響を与える構図は過去のものとなりつつある。
確かに輸出企業にとっては追い風となることが多い円安だが、現在では行き過ぎた円安は、株価にとってむしろ間接的なリスクとなる可能性があるのだ。
その理由は、円安がさらに進行した場合、日本銀行がそれを抑制するために、想定よりも早期に、あるいは急激な利上げに踏み切る可能性が出てくることにある。
もし利上げによって長期金利が急騰すれば、企業の資金調達コストが増加し、経済活動が停滞する恐れがある。
最悪のシナリオとしては、円が売られ、日本国債が売られ、そして株も売られるという「トリプル安」の状況を招く可能性も否定できないため、円安が進行しても手放しで喜べる状況ではないと認識しておくべきだ。