TIME IS
言語化力の鍛え方/具体的な話と抽象的な話のバランスは1:1/たとえ話がうまくなるトレーニング【荒木俊哉】
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2026年1月20日

多忙なビジネスパーソンへ、圧倒的な成果を上げている著名人が時間術のヒントを提供する「TIME IS」。今回は、電通のコピーライター・荒木俊哉氏に「瞬間言語化トレーニング」を聞いた。自分の考えを言葉にできない悩みを3つのプロセスに分解して鍛える。後編は②自分の言いたいことが「まとまらない」をなくす、③...
言語化力を飛躍させる!思考整理から「伝わる」を実現する実践トレーニング
「言いたいことがまとまらない」「どうも伝わらない」と感じるビジネスパーソンは多い。
本稿では、思考を具体化し、抽象化する力を鍛え、相手に「伝わる」コミュニケーションを実現するための具体的な言語化トレーニングを紹介する。
何を伝えるかを明確にし、言葉の力を最大限に引き出すための実践的なアプローチを習得するべきだ。
Q. なぜ「何を伝えるか」が重要なのか?言語化トレーニングでどのような効果が得られるか?
コミュニケーションにおいて「どう伝えるか」のテクニック以上に「何を伝えるか」という内容が本質的に重要だ。
内容が不明確であれば、どんなに巧みな表現を用いても真意を相手に届かせられないだろう。
言語化トレーニングは、頭の中の漠然とした思考を具体化し整理する力を養う。
これにより、自分の言いたいことの核心を捉え、伝えるべき情報を明確にできるだろう。
「言いたいことがまとまらない」「伝わらない」という悩みを解消し、思考を整理して明確なメッセージを発信できるようになるのが、このトレーニングの主な効果である。
Q. 思考を整理するための「抽象化」とは何か?どのように鍛えられるのか?
「抽象化」とは、複数の具体的な事象や情報の中から共通要素を見つけ出し、それらの本質を「つまりこういうことだ」と一言でまとめる思考プロセスのことだ。
この能力が高い人は、物事をシンプルに捉え、相手に分かりやすく説明できるため、知的な印象を与えるだろう。
抽象化は日常的な脳トレで鍛えられる。

例えば「会社」と「プロ野球」のような無関係な二つの対象から、チームプレイ、専門家の集団、上下関係、数字で結果を求められるなど、共通点を10個リストアップするゲーム感覚の訓練が有効だ。
これにより、物事の本質を捉える力が向上し、会議で多様な意見を統合する際にも応用できる。
Q. 相手に「伝わる」コミュニケーションを実現する、具体と抽象の黄金バランスはどのくらいか?
話が相手に効果的に伝わる人の共通点は、抽象的な話(結論や概念)と具体的な話(経験や事例)のバランスが優れている点にある。
この両者の理想的な割合は「1対1」の黄金バランスである。

抽象的な結論を述べたなら、それと同じ分量だけ具体的なエピソードや例を添えることを意識するべきだ。
抽象論だけでは理解が困難なことが多く、具体例だけでも全体像が掴みにくいため、両者を同量ずつ組み合わせるのが最も効果的である。
これにより、聞き手はメッセージを深く理解し、納得感を覚えることができるだろう。
Q. 「若手社員の育成」をテーマに、具体と抽象を組み合わせて自分の意見を伝える例はあるか?
「若手社員の育成とは何か」というテーマで、自分の考えを具体と抽象で伝えるトレーニングを考えてみよう。
まず、「失敗を恐れず挑戦できる環境を作る」「仕事で任せる部分を作る」「リーダーを育てる」といった具体的な育成方針を複数挙げる。
これらの共通点から「若手社員が主体的に考え、挑戦しながら成長していける環境を作る」と抽象的な結論を導き出す。

次に、この抽象的な結論に対して「なぜそう言えるのか?」と深く自問自答を繰り返す。
例えば「自分も上司にそう育ててもらった経験があるから」「自分で考える癖があればどんな場面でも対応できるようになるから」「最終的に、自分や上司がいなくなっても部を支えられる社員に育てたいから」といった、自身の経験に基づく具体的な理由が明確になってくるだろう。
このプロセスにより、抽象的な結論と、それを支える説得力ある具体的な根拠とが結びつく。
Q. 「AIを活用できる人」について、具体と抽象をセットで伝える例は何か?
「AIを活用できる人とできない人の差は何か」という問いに対する意見を、具体と抽象をセットで表現する練習は有益だ。
まず、自身のAI活用経験から具体的な話を展開する。
例えばコピーライターであれば「AIは便利な検索ツールではなく、多様なキャッチコピー案を壁打ちしてくれる後輩のようだ。ただ答えをもらうだけでなく、AIと一緒に考える姿勢が重要だ」といった経験を具体的に語るだろう。
次に、この具体的な経験から「AIを活用できる人とできない人の差は、答えをAIに丸投げするか、AIと一緒に考えて自身の発想を広げるかの違いだ」と抽象的な結論を導き出す。
このアプローチにより、聞き手は共感しやすくなり、メッセージの説得力が増すだろう。
ニュースの視聴後など、日常的にこのトレーニングを実践するのも有効である。
Q. 「例え話」を効果的に使いこなすトレーニング法はどのようなものか?
話が分かりやすい人の多くは例え話がうまいが、これはセンスではなく技術で習得可能な能力だ。
例え話の本質は、理解されにくい事象Aを、聞き手がよく知る事象Bと結びつけ、「AはまるでBのようだ」と共通点を見出して説明することにある。
トレーニングは二段階で行うべきだ。

まず「リーダーに必要な資質」などのテーマに対し、自分の意見を「チーム全員を活かし、人を魅了する仕事を実現する資質だ」と抽象的に一言でまとめる。
次に、この抽象概念を別の具体的な例に置き換えて表現する。
「例えば映画のディレクターのように、一人ひとりの個性や強みを活かし、チーム全体を輝かせる資質がリーダーには必要だと考える」といった具体例を提示するのだ。
この練習により、聞き手の腑に落ちる例え話を瞬時に生み出す力が身につくだろう。