健康新常識
耳掃除とヘアカラーは厳禁/テレビじゃ言えない/耳掃除でカビ/毛染めの神経毒が耳と目に悪影響【健康新常識】
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2026年1月28日

健康業界のトップランナーが「新常識」を紹介する番組。耳掃除とヘアカラーはしてはいけない──。耳鼻咽喉科専門医の坂田英明氏が警告。テレビじゃ言えない理由とは? 言葉が聞こえるのに理解できない「聞き取り困難症」についても解説する。 <出演> 坂田英明 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医/医学博士 三田...
耳掃除はカビを招き、ヘアカラーは神経毒?あなたの聴覚を脅かす日常の「新常識」
毎日の習慣が、実はあなたの耳を傷つけているかもしれない。長年当たり前だと思っていた耳掃除のやり方やヘアカラーの安全性に、意外な落とし穴があることが明らかになった。また、近年注目されている「聞き取り困難症」は、聞こえているのに言葉が理解できないという悩みを抱える人々が密かに直面する問題である。
本稿では、耳の専門家が語るこれらの「新常識」を深掘りし、あなたの耳の健康を守るための具体的な対策を考察する。これまで耳のケアを後回しにしがちだったあなたも、今日から意識を変え、より健全な聴覚を維持するきっかけとしてほしい。

Q. 音は聞こえているのに会話の内容が理解できないのはなぜか?
多くの人が「音は聞こえているのに、話の内容が頭に入ってこない」と感じることがある。これは集中力の欠如や不注意から生じる問題だと捉えられがちだが、実は「聞き取り困難症」、または「聴覚情報処理障害(APD)」と呼ばれる脳の処理能力の問題である可能性がある。
この症状は、聴力検査では異常がないと診断される点が特徴的だ。耳から脳へと音は正常に伝わるものの、脳がその音声情報を言葉として意味づけたり、必要な情報を選び出したりする過程がうまくいかない状態を指す。特に、文章のように複雑な情報や騒がしい環境では、その傾向が顕著に出ることがある。
Q. 「聞き取り困難症」はどのように診断され、どのような対策が有効か?
聞き取り困難症の診断には、通常の聴力検査に加え、音の方向感覚や騒音下での聞き取り能力を測る精密な検査が必要となる。これにより、症状の有無を客観的に判断できる。
現在のところ、この症状に対する根本的な治療薬はない。しかし、環境を整備することや、一部のケースでは補聴器をわずかに装着し音を増幅することで、聞き取りが改善される場合がある。具体的には、視覚情報と組み合わせて理解を深めたり、会議や教室では静かな席を確保したりするなど、職場や学校における「合理的配慮」が非常に重要である。医療機関からの正式な意見書があれば、そのような配慮を求めることが可能となる。
また、聞き取り困難症が発達障害と合併しているケースも存在するため、多角的なアプローチで個々に適した対処法を見つけることが大切である。本人が幼少期から「自分は周囲と違う」と感じていたり、読解が苦手だったりといった兆候がないか、注意深く観察することが早期発見に繋がる。
Q. 頻繁な耳掃除は耳の健康に良くないというのは本当か?その理由とは?
驚くべきことに、多くの人が日常的に行っている綿棒を使った耳掃除は、耳の健康にとって極めて有害である。外耳道に刺激を与える行為は、皮膚を傷つけ、毛を本来と逆の内向きに生えさせてしまうことがある。これにより雑菌が繁殖しやすくなり、炎症(外耳炎)や、ひどい場合には耳の中にカビが発生するリスクが高まる。

アメリカでは、綿棒のパッケージに「耳掃除に使用してはいけない」という注意書きが明記されているほど、その危険性は広く認識されている。耳垢は、自然に外へ排出される自己浄化作用があるため、本来は積極的な掃除を必要としないのだ。専門家は、耳掃除は年に一度で十分であり、毎週の耳掃除は禁忌であると強調している。風呂上がりに耳に水が入った場合でも、自然乾燥を待つか、タオルで軽く拭く程度で十分であり、綿棒での刺激は避けるべきだ。もし耳がかゆいと感じる場合は、すでに炎症を起こしている可能性があるため、耳鼻咽喉科を受診する必要がある。
Q. ヘアカラーはなぜ耳の健康に悪いと言われるのか?どのような成分が問題か?
ヘアカラー剤の中には、聴覚を含む神経系に悪影響を及ぼす可能性がある成分が含まれていることがある。特に問題となるのは、神経毒として知られる「アニリン」の誘導体だ。日本の染色に対する規制は、かつての「お歯黒文化」の影響もあり、有機溶剤系の成分に対して比較的甘い背景があるという。しかし、このアニリン誘導体、特に成分表示に「アミノフェノール」と記されている物質は、頭皮から容易に吸収され、体内に蓄積されやすい性質を持つ。

アニリン誘導体は、脳の平衡感覚を司る「前庭小脳」にダメージを与えることが分かっている。前庭小脳はアルコールの影響も最初に受ける場所であり、めまいやふらつき、耳鳴りといった症状を引き起こす原因となり得る。日本政府は過去2回にわたり、ヘアカラー剤に関する警告文を発表しているが、報道される機会が少なく、その危険性は広く一般には知られていないのが実情である。
Q. ヘアカラーの有害な成分から身を守るにはどうすればよいか?
安全にヘアカラーを楽しむためには、成分表示を注意深く確認し、「アミノフェノール」などのアニリン誘導体を含む製品を避けることが重要だ。市販のカラー剤だけでなく、美容院で使われる業務用の染料にもこれらの成分が含まれていることが多い。
代替案として、ヘナや昆布エキスなど、植物や海藻由来の自然派染料がある。これらはアレルギーがなければ、比較的安全に髪を染めることが可能である。ただし、化学染料に比べて色のバリエーションが限られるため、美容院によっては積極的に取り扱っていない場合もある。耳鳴り、めまい、ふらつきなどの症状がある人は、ヘアカラーがその原因となっている可能性を疑い、積極的に自然由来の製品を選ぶなど、意識的な選択が必要だ。
Q. 脳の「聞く」能力と全身の健康にはどのような関係があるか?
人間の聴覚は極めて主観的で、同じ音でも脳の処理によって感じ方が大きく変わる。例えば、コオロギの鳴き声を日本人は「風情」と感じるが、海外では「ただのノイズ」と認識されることも少なくない。また、騒がしい場所で特定の会話に集中できるのは、脳が音の重要性を瞬時に判断し、不要な音を遮断しているためだ。つまり、聞きたい音は「聞いている」が、不要な音は「聞いていない」のである。

この音の情報処理能力は、加齢と共に低下する可能性がある。処理能力が衰えると、音の方向を正確に認識できなくなったり、会話の内容が理解しづらくなったりする。さらには、この聴覚情報処理能力の低下が、物忘れや認知機能の低下に繋がる可能性も指摘されており、脳の健康維持において聴覚のケアがいかに重要であるかを物語っている。