2026超予測
2026年超予測:1.2億円の物件を狙え。暴落待ちは「負け組」に
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2026年1月4日

上昇が続いている都心の不動産。インフレ、円安、金利上昇、規制変化などにより、2026年の不動産市場はどう変化するのか?オラガ総研の牧野知弘代表と、TERASSの江口亮介CEOに超予測してもらった。 <ゲスト> 牧野知弘|オラガ総研 代表 東京大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)、BCGを経て、...
2026年不動産市場予測:賢い住宅購入・売却戦略とは?
現在の首都圏不動産市場は価格高騰と金利上昇の複合的な要因により、これまでにない局面を迎えている。一般的なサラリーマンにとって「家が買えない」という声も聞かれる中、この激動の市場でどのように賢く行動すればよいだろうか。専門家の見解をもとに、2026年の不動産市場の主要トレンドと、購入・売却における具体的な戦略を探る。

Q. 2026年の首都圏不動産市場の主要な傾向は何だろうか?
2026年の首都圏不動産市場では、いくつかの明確な傾向が見られる。まず、年収1500万円程度のパワーカップル層がローンを組める価格帯に「1.2億円の壁」が存在し、このラインを超える高値物件は売れ行きが鈍化している状況だ。次に、多くの人々が期待するような不動産価格の急激な「暴落」は現実的ではなく、待つこと自体が高いコストを生み出す負け組戦略となりかねない。最後に、都心の物件が高騰し続ける中、購入者層は憧れのエリアから少し距離を置いた場所へ目を向ける「15分ずらし」の動きが加速すると予測される。中古物件が市場の主流となる中で、賢い選択肢が浮上してくるだろう。

Q. 「1.2億円の壁」とは具体的にどのような状況を指し、買い手はどのようにアプローチすべきか?
「1.2億円の壁」とは、主に世帯年収1500万円以上のパワーカップルが無理なく組める住宅ローンの上限額が約1.2億〜1.4億円である、という現実を指す。この価格帯を超える都心物件は、実需層にとっては手が出しにくく、特に1.5億〜3億円の「チャレンジ価格」で売り出された物件の売れ残りが顕著だ。売り主が金利上昇への不安を感じ始めていることもあり、この価格帯の物件では1割から1.5割程度の価格交渉が十分可能である。湾岸エリアのような人気地でも、築年数が経過した物件などを狙い、価格交渉を積極的に行うことが、賢く購入するための鍵となる。
Q. 不動産価格の「暴落待ち」戦略はなぜ推奨されないのだろうか?
不動産価格は株式市場のように短期的な暴落を起こすことは少なく、下落するとしても10年単位で緩やかに推移する傾向がある。この「暴落待ち」戦略が推奨されない最大の理由は「待つコスト」が極めて高いからだ。待っている間も賃料の支払いは発生し、またその間に物件価格が上昇すれば、さらに購入が困難になる。実際に首都圏では、前期比で25%も価格が上昇したケースがあり、この場合「暴落待ち」は数千万円もの機会損失に繋がりかねない。2025年問題で叫ばれた相続物件による市場崩壊も、世帯単位でみれば2030年代以降の話であり、都心部の需給バランスは当面崩れないと見るべきだ。早く動くことが有利となる。

Q. 金利上昇の動向は住宅ローンにどのような影響を与えるのだろうか?
金利上昇は住宅購入者にとって無視できない要素である。現在のメガバンクにおける固定金利はすでに4%から5%に達しており、優遇を利用しても3%半ばが一般的だ。変動金利に対する不安から固定金利を検討する人々にとって、そのハードルは非常に高くなっている。金利の変動は不動産価格にも大きく影響を与えるため、住宅ローンの借り入れには慎重な検討が求められるだろう。
また、近年話題の「50年固定ローン」については意見が分かれている。金融機関にとっては収益を確保しやすく歓迎すべき商品である一方、借り手側にとってはその長期性が課題となる可能性もある。区分所有マンションのように修繕維持費用がかさむ物件で50年ローンを組んだ場合、物件の価値下落やライフスタイルの変化に伴う売却時に、ローン残債が重荷となるリスクがあるからだ。
ただし、毎月のキャッシュフローを抑え、浮いた資金を他に運用する観点からは、肯定的に捉える見方も存在する。住宅ローンの平均完済期間は11年程度というデータもあり、50年という長期を前提としつつも、ライフプランの変化に応じて住み替えるという選択肢も現実的になってきている。
Q. 都心での購入が難しい状況で、賢い購入エリアの選び方はあるだろうか?
新築マンションの供給戸数が激減し、中古市場が主流となる中で、都心の高騰により多くの層が「買えない」現実と直面している。このような状況では、憧れのエリアから電車で15分〜20分圏内の郊外に目を向ける「15分ずらし」戦略が極めて現実的な選択肢となるだろう。例えば、中央区湾岸部のタワーマンションが1.2億〜1.5億円するのに対し、東横線で少し下った日吉本町では、新築戸建てが8000万円程度で購入できるケースがある。
東京がニューヨークのマンハッタンのように「働く場所であって、住む場所ではない」という世界基準に近づいている現状を受け入れる必要性も高まっている。これまで「通勤ファースト」だった日本人のDNAも、リモートワークの普及など働き方の変化により、「自分の価値観」や「生活の質」を重視する方向へ変わりつつある。都心居住にこだわらず、賢くエリアを広げることで、予算内で豊かな生活を実現できる物件を見つけられる機会は多く存在するだろう。冷静に自分の現実的な予算をまず決め、その範囲で最も良い居住地を探すプロセスが重要である。

Q. すでに都心部に不動産を所有している人々にとって、2026年は「売り時」になるだろうか?
2026年は不動産市場の調整期にあたり、これまでの価格上昇で含み益が発生している物件を所有する人々にとっては、その含み益を実現させる「売り時」となり得る。特に「会社ファースト」のライフスタイルから脱却したい50代以上にとっては、高値で売却し、より手頃な郊外へと住み替える「縮小買い替え」が、今後の人生を豊かにするための軍資金を生み出す絶好の機会だ。現在の高い価格が今後も継続する保証はないため、人生計画と資産状況を鑑みながら、積極的に検討する価値がある。
Q. 不動産購入・売却に際して、特に注意すべき点は何だろうか?
不動産購入・売却においては、衝動的な行動を避け、自身のライフプランに基づいた堅実な判断が求められる。特に50代以降が退職金などの余剰資金を安易な不動産投資に投じるのは最も危険だ。市場の調整期においては、購入した途端に含み損を抱えるリスクが高まるため、人生後半でのリカバリーが困難になる可能性がある。あくまで「次にどのような暮らしをしたいか」という前向きな目的のもと、買い替えや住み替えを検討するべきであり、「高いから売って賃貸に移行する」といった短期的な発想は避けるのが賢明である。不動産は人生の重要な資産形成要素であり、戦略的なアプローチが不可欠だ。