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田中渓が語る 経済情報の価値
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2025年12月23日

【Sponsored by 日本経済新聞社】 トップランナーから業界最先端のトレンドを学ぶ「&questions」。今回は、「一流の思考から学ぶ ビジネスパーソンが知るべき経済情報の価値」をテーマに、元ゴールドマン・サックス証券 マネージング・ディレクターの田中渓氏に話を聞きました。 <ゲスト> ...
「最高の武器」を手に入れよ。元GS投資家が語る、経済情報の価値と一流の活用術
変化が激しく、情報過多な現代において、ビジネスパーソンにとって「情報」の質と活用術はキャリアを左右する重要な要素となった。
元ゴールドマン・サックス証券の投資家として17年間を過ごし、現在は投資会社の責任者を務める田中渓氏は、経済情報を「ビジネスパーソンが持つ唯一かつ最高の武器」と語る。
本記事では、田中氏が提唱する経済情報の真の価値と、一流が実践する情報収集、そして知識を武器に変えるための具体的な活用術について深く掘り下げる。

Q. なぜビジネスパーソンにとって経済情報が必要不可欠なのか?
ビジネスや投資において、情報なくして何かを成し遂げようとすれば、自らの経験とスキルに頼るしかなく、手戻りが多発する。
しかし、経済情報は、限られた情報の中から類推と推論を重ね、仮説を構築し、未来を予測することで、目標達成までのプロセスを大幅に「ショートカット」させる不可欠なツールである。
インサイダー情報が莫大な富を生む可能性を秘めるように、情報の質と非対称性は勝敗を分ける決定的な要因となる。プロの経済人ほど、この最強の武器である情報に時間と資金を惜しみなく投じるゆえんだ。
Q. 日々膨大に溢れる情報の中から、いかに信頼性の高い情報を見極めるのか?
玉石混交の情報の中から価値ある情報を選び抜く基準は「網羅性、中立性、真実性」である。特に金融分野の人間にとって、原点となる一次情報を確認する習慣は極めて重要となる。
具体的には、信頼できる新聞や官公庁の公式レポート、専門誌などに目を向けるべきである。
現代はアルゴリズムによって個人の好みに最適化された「フィルターバブル」に陥りがちであり、自分が見たい情報ばかりが表示される危険性を孕む。
これを避けるためには、あえて反対意見を持つメディアを購読したり、興味の対象外と思われる情報にも意識的に触れたりする必要がある。しかし、最も確実で重要な方法は、「人との対話」を通して生の情報に触れることだ。SNS上の意見がたとえ100万回拡散されていても、それはあくまで「1つの意見」が誇張されたものかもしれない。多様な人と直接会って意見を交換することで、情報が持つレバレッジを修正し、リアルな世論の相場感を掴むことができる。
Q. 情報収集のプロは、どのような情報源をどのように活用しているのか?
田中氏は情報収集を「全部」と形容するほど、多様な情報源からポートフォリオを組み、特性に応じて使い分ける。
伝統的な新聞は権威性と網羅性で基礎情報を固め、専門書で体系的な知識を得る。

一方、ブログやYouTube(PIVOT、ReHacQなど)、ポッドキャスト、SNSはトレンドの迅速な把握や多様な視点を得るために欠かせないツールである。
また、特定分野に特化したクローズドメディアや専門誌も深く踏み込んだ知見を得るために活用する。これらを漫然と摂取するのではなく、それぞれの長所を最大限に引き出すように意識している。
特に、非公開情報にこそ価値が宿る未上場企業投資や不動産投資においては、オープンな情報源だけでなく、人間関係のネットワークを通じた非公開情報の獲得が勝敗を分ける。常に情報提供を惜しまず、与え続けることで自身の周りに「情報バンク」のような信頼とネットワークを構築するプロの手法があるのだ。
Q. 効率的な情報インプットのルーティンや、情報収集を習慣化するための秘訣とは?
情報収集は往々にして「重要だが緊急ではない」タスクとされ、日々の業務に流されがちだ。この問題を解決するには、情報収集の時間を日課の中に「聖域」として組み込むのが効果的だ。

田中氏自身、早朝起床後、運動後の約1時間、さらに昼食時にも1時間から1時間半を情報インプットに充てている。朝一番の時間は、夜中に世界で起きた出来事を整理し、市場の動きに備える上で特に重要だ。
メール返信などを後回しにしてでも、邪魔が入らない静かな時間でインプットを優先させるルーティンが成功の鍵を握る。さらに、睡眠中にAIに情報をリサーチ・要約させ、入浴中などにチェックするといったテクノロジーの積極的な活用も効率化に貢献する。
通勤中のラジオやポッドキャスト、食事中の読書など、生活の「ながら時間」を有効活用することも、情報収集をライフスタイルの一部に溶け込ませる上で極めて重要である。
Q. インプットした情報を、どのように実践的な「使える知識」へと変換するのか?
単に情報を「読む」だけでなく、いかにそれを「活用」するかが、知識を武器に変える上で不可欠だ。
まず、あらゆるインプットは「アウトプット」を前提とすべきである。
例えば、新聞の見出しを読んだら、何が書いてあるか予測し、その情報が自身の業務や投資戦略にどう影響するか仮説を立てながら読む習慣が役立つ。一つの記事から関連情報を深掘りしたり、他の専門媒体に情報を探しに行ったりするアクションを起こす読み方が、情報の奥行きを広げる。
田中氏が提唱するもう一つの具体的な方法は、「面白い記事を見つけたら、その日のうちに3回、別々の人に話す」ことである。
同僚や顧客、友人など様々な相手に説明することで思考が整理され、その話が自分事として定着する。さらに、相手からのフィードバックや追加情報によって、情報の理解が多角的になり、新たな視点を得られる。これにより、情報は単なるデータから、日々の商談や人間関係を豊かにする「質の高いコミュニケーションツール」へと昇華されるのだ。
Q. 無料情報が溢れる現代において、あえて「有料情報」に投資する価値はあるのか?
無料情報がインターネットに溢れる現代では、「有料記事は不要だ」という声も聞かれるが、田中氏はこれに異を唱える。
玉石混交の無料情報の中から真実性を確認し、網羅的な視点を得るには膨大な時間と労力がかかる。しかも、不正確な情報に基づいて行動してしまうリスクもある。
これに対し、有料メディアの強みは、プロが厳選し、編集・分析した信頼性の高い情報を提供している点にある。
有料情報に投資することは、時間の節約であるとともに、質の高い情報源を確保するための「賢い投資」と捉えられるのだ。
田中氏は情報摂取を食事に例え、加工されたジャンクフードのような無料情報ばかりを摂っていては思考も偏ると指摘する。
オーガニックな食材を選ぶように、プロフェッショナルが丹精込めて届けた質の高い情報を選択することで、健全な脳と強固なコミュニケーションの武器を育むことができる。目先のコストだけではなく、長期的な視点での自己投資と考えれば、有料情報ははるかに「コスタタイパ」が良いのである。
Q. 「経済情報」は今後さらにその価値を高めていくのか?
現代は誰もがお金と向き合い、経済と無縁ではいられない時代だ。
経済は政治や国際情勢と深く連動し、その複雑性は増す一方である。このような状況下で、個人の思考や行動の基盤となる情報の重要性はますます高まっている。

混乱の時代であるからこそ、安易な無料情報に流されず、権威性、一次情報、中立性、網羅性といった基準を満たす高品質な「経済情報」の需要は飛躍的に拡大すると考えられる。
経済情報は単なるデータではなく、個人の成長、ビジネスの成功、そしてより良い未来を形成するための羅針盤となる最高の武器なのだ。情報を「知り、読み解き、活用する」習慣を持つことが、これからの時代を生き抜くビジネスパーソンにとって最も確かな力となるだろう。