
目標を達成する「習慣化」のコツ/成功の秘訣はルーティン化/「運」は試行を繰り返す習慣
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2026年1月3日
多忙なビジネスパーソンへ、圧倒的な成果を上げている著名人が時間術のヒントを提供する「TIME IS」。今回は、明治大学教授の堀田秀吾氏に「目標を達成する習慣化のコツ」を聞いた。 <出演者> 堀田秀吾|明治大学 教授 <参考書籍> 『科学的に証明された すごい習慣大百科』 https://amzn...
科学が導く!人生を好転させる最高の習慣術:挫折しない目標達成から運を引き寄せる脳活用法まで
仕事、健康、ダイエット、メンタル、そして「運」。私たちの人生を構成するあらゆる側面の「成功の鍵」は、たった一つ、「習慣化」にある。
しかし、多くの人が新たな目標を設定しても、三日坊主で終わってしまうのが現実だろう。
本記事では、明治大学教授である堀田秀吾氏が提唱する、科学的根拠に基づいた習慣術を紹介する。脳の仕組みを巧みに利用し、行動経済学の知見も取り入れた、誰でも無理なく実践できる画期的な方法を探る。
本記事を読めば、挫折を回避し、日々の生活を好転させる具体的なヒントが得られるはずだ。

Q. なぜ目標設定しても三日坊主で終わってしまうのか?
目標が高すぎると、かえってパフォーマンスが低下するという研究結果がある。
やる気を失うほどの目標設定は避けるべきだ。段階を踏んでステップアップできるような、手頃かつ具体的な目標を立てることが肝要である。
「英語を頑張る」といった漠然とした目標よりも、「毎日30分英単語を覚える」のように具体的で測定可能な目標の方が達成率を高める。
目標を書き出す、友人に話す、そして進捗を定期的に報告するという行動は、達成率を最大33%も向上させることが研究で示されている。
楽観的なだけのポジティブ思考では不十分であり、成功に必要なのは、困難を認識した上で臨む「現実的なポジティブ思考」である。
人間の脳や心は、本能的に変化を嫌う。そのため、新しいことを始めるときにやる気が出なかったり、続かなかったりするのは自然なことだ。気合や精神論で乗り越えようとしても、習慣化は難しい。

不安やネガティブな感情は考えれば考えるほど強まる一方、情報が多すぎると人は合理的な判断ができなくなる。
このことから、考えすぎずに「まず行動する」こと、あるいは「行動で打ち消す」ことが、心理的に好ましいと分かる。
Q. 行動力が続かない、やる気が出ないといった悩みを解決する具体的な方法はあるか?
仕事や勉強の効率化は、行動をルーティン化し自動化することから始まる。
面倒なことも習慣になってしまえば楽に実行できるため、パフォーマンスのムラがなくなる。
先延ばし癖の改善には三つの方法が有効だ。まず、すぐ得られる喜びや報酬を用意する。次に、他の行動の選択肢を減らす。最後に、失敗への不安を払拭する。
不安を感じる状況で「私はワクワクしている」と声に出してみるだけで、脳はその身体状態を「興奮」と解釈し、効率的に働くように調整するといった方法だ。
「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しい」と感じるように、体と脳は密接に連携している。作業前にコメディを見て笑うことで、生産性が10〜12%向上したという研究もあるほどだ。
前日にキリの悪いところで仕事を辞める「ザイガルニック効果」を利用すれば、翌日スムーズに作業を開始できる。
また、人間の意思決定は環境に大きく左右される。物理的に資料やパソコンを開いたままにするなど、強制力なく行動を促す「ナッジ」を上手に活用するのも良い。
脳のやる気スイッチである側坐核は、行動を開始しなければ働き出さない。
やりたくないと感じても、まず小さな一歩を踏み出すことで、脳はそれにのめり込む性質を持っている。
Q. 仕事や勉強の効率を上げるために、どのように集中力を維持し、時間の使い方を改善すれば良いか?
人間の集中力は一般的に25分が限界だと言われる。集中力が落ちてきたと感じたら、「ポモドーロ・テクニック」(25分作業+5分休憩を繰り返す)を試すと良い。
多くの決断を毎日繰り返すことで「決断疲れ」が蓄積し、判断力は低下する。そのため、重要な決断は頭が疲れていない午前中の早い時間か、昼休憩直後に行うべきである。
スティーブ・ジョブズのように日々の選択の回数を減らす工夫(毎日同じ服を着るなど)も、決断疲れを防ぎ、脳のリソースを重要な事柄に集中させるのに役立つ。
マルチタスクは非効率だ。特にスマートフォンの誘惑は大きく、視野にあるだけで集中力を削がれるため、物理的に見えない・触れない状況を作ることが最も効果的である。
例えば、仕事部屋とは別の場所に置いておくなどが挙げられる。さらに「もしスマホを見そうになったら、スクワットを10回する」といった「イフゼン・プランニング」で行動パターンを事前に決めておくと、誘惑を撃退しやすくなる。

午後の眠気には、26分の仮眠が有効である。NASAの研究では、これにより午後のパフォーマンスが34%も向上するとされる。
ただし、30分以上の睡眠は逆効果になる場合があるため注意が必要だ。コーヒーを飲んでから30分以内に仮眠をとる「コーヒーナップ」は、カフェインが覚醒作用を発揮する頃に目覚めるため、より効果的に頭をスッキリさせることができる。
Q. ダイエット中の食欲や暴飲暴食を抑える効果的なテクニックはあるか?
食欲をどうしても抑えられないときは、おでこを30秒間トントンと軽くタッピングするという奇妙なテクニックが効果的である。
人間の体の中で最も重要な脳が近くにあるおでこに集中させることで、食欲に向かっていたエネルギーをそちらに転換させ、食欲を半分から三分の一に減らすことが可能になる。
無性にジャンクフードが食べたくなるときは、疲れやストレスによって、欲求のブレーキ役である脳の前頭葉の機能が低下しているサインかもしれない。
その欲求そのものではなく、背景にあるストレスを自覚し、十分な睡眠や休養でリフレッシュすることが根本的な解決につながる。
食事の環境を整えることも食欲抑制に有効である。
お皿のサイズを半分にするだけで摂取量が29%減り、小さいスプーンを使うことで一口の量が減り、結果的に食事の総摂取量を減らせる。
「おかわりをしない」といったルールと組み合わせることで、より効果を発揮する。
Q. 健康を維持し、運動を継続するための簡単な習慣や方法はあるか?
日本人は一日平均7時間座っている世界一座りすぎの民族である。座りっぱなしは病気リスクを高めるため、定期的に立ち上がったり、スタンディングデスクを活用したりと、意識的に動く工夫が必要だ。
運動が苦手な人には「ゆるい運動」を推奨する。激しい運動はかえってストレスを増やすこともあるからだ。
ウォーキング程度の速さでゆっくり走る「スロージョギング」は、ウォーキングの2倍のエネルギーを消費し、肥満や生活習慣病のリスク軽減に効果的だ。
これを既存の習慣と組み合わせる「ハビットスタッキング」(例:帰宅して手を洗ったら、すぐにスロージョギングをする)により、無理なく続けられる。
さらに手軽な運動として、映画館での映画鑑賞も挙げられる。
映画を鑑賞すると心拍数が上昇し、軽い有酸素運動に匹敵する効果が期待でき、脂肪燃焼やストレス回復にも有効だ。
ただし、自宅での鑑賞ではその効果が薄れる可能性もあるため、映画館で観るのがおすすめである。
Q. ストレスを管理し、メンタルヘルスを保つための日常的な習慣はあるか?
怒りの感情は6時間以上免疫力を低下させる一方で、他者への労りや慈しみの感情は24時間以上免疫力を高める。
怒りは健康を害するため、無意味である。精神的な健康のためにも、他者を思いやる気持ちを持つことが重要である。
常に最高のものを求める「マキシマイザー」ではなく、「自分の基準が満たされれば満足」とする「サティスファイサー」の心構えを持つことが、ストレス軽減につながる。
完璧主義を手放し、「足るを知る」という考え方は、古くから人間のメンタルヘルスに重要だとされてきた。
多忙で温泉に行けないような人には「手浴」がおすすめだ。38度のお湯に手首から先を10〜15分浸すだけで、ストレスが解消される。
これは医療現場から生まれた簡便な方法で、心身のリラックス効果が期待できる。
Q. 運のいい人になるためには、どのような習慣を身につけるべきか?
「運のいい人」とは、偶然幸運が巡ってくる特別な存在ではなく、「とりあえずやってみる」という行動傾向が強く、新しい状況や出会いに対して柔軟な人々である。

自ら積極的に偶発的なきっかけに飛び込んでいく習慣を持っている点が特徴だ。
結論として、運とは天からの授かりものではなく、「思考を繰り返す習慣」そのものである。
つまり、自らの行動と考え方の積み重ねによって、「運」は引き寄せられ、創り出されるのだ。目の前のチャンスに「とりあえずやってみる」心が、幸運への第一歩となる。