PIVOT TALK BUSINESS
できる人の英語 使える表現5選
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2025年12月3日

外交の場でも重要な鍵を握る英語戦略。 元外交官でLearner's Learner代表・黒川公晴氏は価値ある英語力には三つの柱があるという。 ビジネスに生きる英語を身につける秘訣とは? <ゲスト> 黒川公晴|Learner's Learner代表・ミネルバ認定講師 ペンシルバニア大学組織開発学修士...
英語力よりも戦略がカギ?元外交官が教えるグローバルビジネス英会話術
今日のグローバルビジネスにおいて、英語は必須のツールである。しかし、流暢な英語だけが成功への道ではない。ネイティブレベルの言語能力がなくても、相手に聞く耳を持たせ、信頼を築き、円滑にコミュニケーションを進める戦略が存在する。
元外交官の知見から、非ネイティブが実践すべきコミュニケーションの「型」を探る。重要なのは、言葉そのものよりも、戦略的な「ふるまい」にあるのだ。

Q. 英語が流暢でなくても、相手に聞いてもらうにはどうすれば良いか?
相手に聞く耳を持たせるためには、「物理的な位置」ではなく「心理的なポジショニング」を確立することが肝要だ。このポジショニングの基盤は、自身の「肩書き」、独自の「専門性」、そして何よりも相手が切望する「情報」にある。
特に、平職員であっても他国の大使に真剣に耳を傾けさせた外交官時代の例が示すように、相手が必要とする情報を持つことは強力な武器となる。自身の知識やネットワークを「テイカー(奪う側)」としてではなく、「ギバー(与える側)」として活用し、相手に利益をもたらす姿勢で臨むと、自然と話に引き込まれるだろう。
Q. 会話の主導権を握るための「聞く力」と「質問力」の秘訣は何か?
流暢に話すことだけがコミュニケーションの成功ではない。特に交渉や議論の場では、徹底的な「リスニング」が鍵を握る。多く話す人ほど実は相手の話を聞き逃している場合が多いのだ。

ここで大切なのは、会話全体の目的を把握し、議論がズレた際に「ファシリテーター」として介入することだ。相手の言葉の裏にある感情や不安までも察知する「ディープリスニング」を実践すると、深い信頼関係が生まれる。
さらに、自分の発言を少なく抑えつつ会話を活性化させるのが「質問力」だ。相手の関心事を「何を」「いつ」「どのくらい」「なぜ」「これからどうなるか」の5つの視点から掘り下げると、ほとんど話さずとも会話が盛り上がり、好印象を与えられるだろう。
Q. 流暢さに頼らず、英語での説得力を高めるには何が重要か?
英語の流暢さ以上に、ボディランゲージ、声のトーン、そして「フィラーワード」(「You know」「Like」など)の使い方が、聞き手に与える印象を大きく左右する。ボディランゲージは腹から目線までの「コンフィデンスゾーン」で行うと自信が伝わり、情報は6割増しで伝わるとされる。

説得力を高めるには、低い声で落ち着いて話すことも重要だ。また、自信を損ねるフィラーワードは意識的に避け、堂々とした「沈黙」に置き換える。さらに、英語を日本語を介さず「イメージ」で捉える「イメージ思考」を習得すれば、会話への反応速度が飛躍的に向上する。難しい専門用語も簡単な言葉でイメージを「描写」する意識を持つと、瞬時に伝えたい内容が伝わるだろう。
Q. 効果的な英語学習法として何が推奨されるか?
リスニング力、発音、英語のリズム感、語彙力の全てを同時に鍛える上で、「シャドーイング」は費用対効果が非常に高い学習法である。特に「文章は読めるが話されると理解できない」という課題を持つ人には絶大な効果がある。これは、脳が音声を認識する能力が不足しているため、シャドーイングにより音を捉える能力を強制的に鍛えられるからだ。
流れてくる音源を数語遅れて追いかけることで、ネイティブの言葉遣いや抑揚が感覚的に身につき、表現の引き出しが増える。学習素材としては、「BBC Learning English」や「NHK World Japan」が初心者向けに良い。さらに上級者には、スクリプト付きポッドキャスト「Think Fast, Talk Smart」が、リアルな英語ネイティブの会話のテンポと間合いを学ぶのに最適である。
Q. ビジネスシーンでよくある困った状況にどう対処すればよいか?
グローバルなビジネスシーンでは、困難なコミュニケーションに遭遇することがあるが、その際に最も重要なのは「謝らない」「黙らない」「自信をなくしたように見せない」という3つの姿勢を保つことだ。

早口で聞き取れない場合:「興味深い質問ですね。なぜそう尋ねるのか、意図を詳しく教えていただけますか?」と、相手の質問の真意を問うことで、より丁寧な説明を促せる。
初対面での雑談:いきなり自己紹介せず、会場や天気など共有の「その場にある要素」から会話を始める。「良いネクタイですね」のように共通の話題から入ると、自然な会話の流れが生まれ、心理的な距離も縮まる。
プレゼンで緊張した際:ゆっくり話し、文末のトーンを下げ、不要なフィラーワードを避け「間」を取ると、落ち着きと自信を演出でき、説得力が増す。
意見を否定された場合:まず「おっしゃる点は理解できます」と共感を示しつつも、自分の意見は安易に譲らず、冷静に「もう一度私の立場を述べさせてください」と主張し、必要に応じて「チームに持ち帰って検討する」と伝えると良い。
質問に即答できない場合:「良い質問です」と感謝を伝えつつ、今考えられる限りの回答を示し、「詳細を確認の上、改めてお伝えします」と、誠実にフォローアップを約束する。
Q. 英語を学ぶ最終的な目的と、それがキャリアにもたらす価値とは何か?
英語は単なる言語スキルに留まらない。それは、自分の専門性や知見を国境を越えて展開し、世界に対して前向きな影響を与えるための「リーダーシップツール」である。既に備わっているあなたの知識、スキル、ネットワークを英語というレンズを通して世界に発信することで、その影響力は劇的に広がるだろう。
もはや「英語が苦手だから」と躊躇する時代ではない。自分の強みを活かし、積極的に機会に身を晒すことで、あなた自身のリーダーシップはさらに磨かれ、キャリアにおける価値を飛躍的に向上させる。英語学習を、単なる語学の習得ではなく、自身の可能性を広げるための戦略的な投資と捉えるべきなのだ。