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失敗しない住宅購入/プロが選んだ自宅/新築VS中古/マンションVS戸建て/変動金利VS固定金利/居住性VS資産性/サバンナ八木
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2025年10月26日

FP1級芸人サバンナ八木がゲストとマネートークを繰り広げながら視聴者のマネーリテラシーを高める番組。第3回のゲストはMFS 取締役CMOの塩澤崇氏とTERASS社長の江口亮介氏。前編では、新築VS中古、マンションVS戸建て、変動金利VS固定金利、居住性(住みやすさ)VS資産性など、様々な選択肢を議論...
「失敗しない住宅購入」を専門家が徹底議論:最適な選択とは何か?
「家を買うべきか、買わないべきか」「買うなら新築か中古か」「マンションか戸建てか」。そして「変動金利か固定金利か」。住宅購入には数多くの問いが常に存在する。この長年の論争に対し、明確な「絶対的な正解」は存在しない。専門家たちがそれぞれの経験と知見に基づき、自分に合った最適な住宅購入の意思決定を下すためのヒントを詳細に解説する。
本記事では、彼らの意見を基に、多様な選択肢と複雑な金利戦略を体系的に深掘りする。

Q. 住宅購入における永遠の論争、「新築vs中古」「マンションvs戸建て」「変動金利vs固定金利」に絶対的な正解はあるか?
住宅購入に際し、「新築か中古か」といった二元論で単純に考えるのは危険である。プロの視点から見れば、最も重要なのは「物件を見極める力」を養うことだ。過去には、リーマンショック後のような不景気な時期に建てられた中古マンションが、建築費が安かったため、現在の新築よりも高品質な資材が使われ、重厚な造りである場合がある。
この事実は、築年数だけで物件を判断せず、個々の物件の質を評価するべきだという考えを支持する。

専門家たちの多様な選択もそのことを裏付ける。ファイナンシャルプランナーは家族の安心と騒音問題を重視し、固定金利で新築戸建てを選んだ。住宅ローン専門家は共働きの通勤時間短縮を優先し、変動金利で都心の中古マンションを購入した。そして不動産のプロは、市況判断と経営者としての節税メリットを考慮し、複数回の中古マンション売買を経て現在は賃貸住まいである。
このように、住宅の選択は個人のライフプランや価値観によって全く異なるものとなる。

たとえば、騒音問題や瑕疵保険の安心感を重視するならば「新築戸建て」が適している。また、通勤時間短縮や即入居を優先するならば「都心の中古マンション」が有力な選択肢になる。自分が何を最も大切にするかを明確にすることが、後悔しない住宅選びの第一歩となるだろう。
Q. 「金利が上がっても変動金利」という選択肢は本当に有利なのか、その具体的な戦略とは?
住宅ローンの金利に関して、「金利が上がっても変動金利」という考え方がある。これは塩澤氏が提唱するもので、変動金利を選ぶ際の重要な戦略の一つである。この戦略の要点は、借り入れ額を年収の5倍から7倍までに抑えることである。
これにより、もし金利が上昇しても、家計が耐えられる十分なバッファを確保でき、変動金利の低金利メリットを享受しやすくなる。専門家自身もこの原則に従い、世帯年収の5倍の借り入れで家を購入している。
変動金利のメリットを最大限に活かすためには、返済初期10年間の金利支払いの特性を理解することが不可欠だ。住宅ローンは、借入当初に元本が多く残るため、支払利息の大部分がこの期間に集中する。したがって、低金利の変動金利を利用して最初の10年間を乗り切ることは、総支払額を抑える上で非常に有利となる。
また、変動金利を選択し、固定金利との差額をNISAなどの積立投資に回す戦略も有効である。これは将来の金利上昇に対する「自作の保険」となり、資産形成にも寄与する。固定金利は銀行に払う「掛け捨て保険」とも言えるが、この投資戦略はリスクヘッジと同時に資産を増やせる可能性を持つ。
現在のインフレ傾向は株価上昇の追い風となるため、このアプローチはさらに魅力的であると示唆されている。
Q. 変動金利のリスク、特にバブルのような急激な金利上昇は懸念すべきか?
多くの人が懸念するバブル期のような急激な金利上昇、すなわち8%にもなるような状況は、現在の日本では考えにくいと専門家は指摘する。バブル期は、不動産の利回り(2〜3%)に対して借入金利(8%)が大幅に高く、異常な「逆ザヤ」状態であった。これは賃料収益よりも支払利息の方がはるかに大きいという不健全な市場環境であったことを意味する。
しかし現在の不動産市場では、賃料も物件価格に追随して上昇しているため、利回りと金利のバランスは健全に保たれている。したがって、バブル期のような急激な市場の崩壊リスクは低いと判断できる。
金利は経済状況と深く連動する調整弁である。景気が良くなれば金利は上がり、悪化すれば下がるのが基本だ。この原則に基づけば、株価が暴落するような不景気の局面では、住宅ローン金利も低下する可能性が高い。金利が一方的に上昇し続けるというシナリオは非現実的であり、日本銀行も経済情勢に応じて金利調整を行う役割を担っている。
最も懸念されるのは、「資産価値が暴落する中で金利だけが高い」という「全部逆回転」シナリオだろう。しかし、もし金利が急騰するほどの事態となれば、それに合わせて物価も大幅に上昇し、物件価格も連動して上がっている可能性が高い。
この場合の究極の対策は、「いざとなったら売れる家を買っておく」ことである。物件を売却し、賃貸に切り替えることで、リスクから逃れる選択肢がセーフティネットとなる。結局、リスク許容度は人それぞれであり、自身の不安度に合った選択をすることが賢明である。
Q. 日本の経済が抱える構造的な問題は、今後の住宅ローン金利にどのような影響を与えるのか?
日本が大幅な利上げに踏み切れない背景には、「人口減少」「円安への依存」「高齢化(シルバー民主主義)」という3つの構造的な制約がある。これらはいずれも経済の急激な冷え込みにつながる大幅な利上げを困難にする要因であり、今後も金利が比較的低位で推移する可能性を示唆する。

まず、日本の経済規模は「人口(件数)×物価(単価)」で決まる。確実に減少していく人口数を背景に、経済規模を維持するには政府や日銀は緩やかなインフレ、すなわち物価の「単価上昇」を目指さざるを得ない。この状況下で需要を冷やす急激な利上げは、国家方針と矛盾するため、実行されにくい。
次に、日本は輸出産業の競争力を維持するため、ある程度の円安を容認している状況がある。利上げは一般的に通貨高要因となるため、輸出に悪影響を与えかねない急激な金融引き締めには慎重にならざるを得ないだろう。そして、高齢者が多数を占める「シルバー民主主義」の下では、社会保障費が国家予算の多くを占め、経済成長に直結しない消費が増加する傾向がある。
この状況も、経済の足を引っ張るリスクがあるため、政策決定者は大幅な金利上昇には及び腰にならざるを得ないのだ。
Q. どのような基準で、自分の状況に最適な住宅購入の意思決定を下すべきか?
自分に最適な住宅ローンを選ぶには、まず自身の状況を「年収の安定性・向上性」と「購入物件の資産性」という2軸で分類することが役立つ。たとえば、年収が継続的に上がる見込みがあり、資産価値が期待できる物件を購入するなら、「変動金利で上限まで借り入れる」戦略が有効である。一方で、年収が不安定で、資産性の低い郊外の物件を検討している場合は、「固定金利で予算を抑えるか、あるいは購入を一度見送る」という選択が合理的となるだろう。
また、住宅選びは「資産性」と「家計の余裕・暮らしの豊かさ」とのバランスを取る作業である。必ずしも高資産価値物件が万人に最適というわけではない。都心からわずかに離れた、赤羽、池袋、田端に囲まれた「城北デルタ」のようなエリアは、資産価値が比較的安定し、価格も手頃、かつ生活コストが安いという特徴を持つ。
このような地域は、過度なローンを組まずに家計に余裕を持たせつつ、旅行などの体験にお金を使いたい家族にとって、賢明な選択肢となるのだ。最終的には、経済的な側面だけでなく、自身や家族の幸福感をどこに求めるかを明確にすることが、後悔のない住宅購入に繋がる。