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【23年間で億り人に】なぜサラリーマンこそインデックス投資なのか
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2025年10月23日

今では一般的になったインデックス投資。長期で続けていくにあたり、モチベーションの維持や下落時の心構えはどのように考えれば良いのか?実際に23年間のインデックス投資で「億り人」になった、個人投資家の水瀬ケンイチ氏に聞いた。 ▼プロフィール 水瀬ケンイチ|個人投資家 都内IT企業会社員にして下町の個人...
23年で億り人になった、サラリーマンのための「インデックス投資術」
一般的な会社員から23年間のインデックス投資で「億り人」となった、個人投資家の水瀬ケンイチ氏。経済評論家の故・山崎元氏との共著「ほったらかし投資術」でも知られる同氏が、自身の著書『彼はそれを「賢者の投資術」と言った』の内容を交えながら、25年間の投資人生から得た学びと教訓を語った。

Q. これまでの投資歴と「億り人」達成までの道のりはどのようなものであったか?
水瀬氏は投資を日本株の個別株投資で開始した。この頃は会社勤務中にトイレに駆け込み携帯で株取引を行う「トイレトレーダー」であったという。このままでは仕事と資産の両方を失いかねないという危機感から、手間のかからない投資方法を模索し始め、インデックス投資にたどり着いた。

2002年からインデックス投資を開始し、23年間継続した結果、52歳までに「億り人」となった。グラフを見てもわかる通り、最初の5年間は含み損の時期が続き、貯金がゼロでローンを抱える状態から始めたことを考えると、その道のりは決して平坦ではなかったと水瀬氏は語った。彼の成功は、誰でも再現可能な「地道な積立」と「継続」がもたらした成果と言える。
Q. インデックス投資を「ベスト」な投資法と考える理由は何か?
インデックス投資は世界中に分散したインデックスファンドに毎月同じ金額を積み立てていくだけであり、一度設定すれば「投資家がやることがなくなる」という点が最大の魅力だ。特に証券会社の自動積立サービスを利用すれば、購入ボタンすら押す必要がなく、平日はもちろん、通勤中や寝ている間も自動的に資産形成が進む。
過去の個別株投資で経験したような、銘柄選定や決算チェック、日々の株価変動に振り回される手間から解放され、本業やプライベートな時間に集中できるようになった点が、インデックス投資が自身にとって「ベスト」であると水瀬氏が考える最大の理由であると述べた。この手間のかからなさこそが、インデックス投資を長期的に継続するための重要な要素となる。
Q. 長期投資の継続における「困難」と、それを乗り越えるための「秘訣」は?
インデックス投資は長期的な視点で見れば利益を得る可能性が高いが、資産を築くには時間がかかる。水瀬氏自身もリーマンショックを含む約5年間、投資元本を下回る含み損の時期を経験した。この間、精神的に追い込まれ「底なし沼にお金を捨てているような感覚」に陥ったこともあったと告白している。

しかし、彼はこれを「口数は積み上がっている」と前向きに捉え、相場が安い時期こそ将来の大きなリターンのために「弾を込める時期」だと自己を鼓舞し、積立を継続した。また、市場が急騰するごく短期間を「稲妻が輝く瞬間」と呼び、このタイミングを逃さないためには市場から一時撤退せず「常に居続けること」が極めて重要だと強調する。
さらに、資産が億単位になると、日々の変動額も大きくなるため、メンタルコントロールが重要となる。水瀬氏は、日々の損益を「金額」ではなく「率」で把握するように意識を切り替えた。「1日で500万円の変動」などではなく、「プラス2%」「マイナス3%」といった比率で見ることで、過度な動揺を避け、冷静に投資を継続できたと語る。
Q. ライフイベントと投資の関係について、どのような学びがあったか?
投資の中期段階で水瀬氏は体調を崩し、キャリアの一時的な中断を余儀なくされた。この際、心の支えとなったのが「生活防衛資金」だ。彼は生活費の2年分を目安とした預貯金を確保しており、これにより、資産を急いで取り崩すことなく健康の回復を優先する決断ができたという。
この経験から、市場の暴落時だけでなく、自身の病気や会社の倒産など予期せぬライフイベント発生時にも、生活防衛資金が投資の継続と人生の選択肢を支える重要な役割を果たすと水瀬氏は力説した。経済的に苦しい状況で投資資産を安値で売却することなく耐え抜くためには、適切な額の生活防衛資金を確保することが不可欠であると、彼の経験は教えてくれる。
Q. 将来の不確実な経済状況において、長期投資の信念をどう保つか?
リーマンショックの渦中にあった時期、水瀬氏は海外旅行からの帰路で空港の本屋に並んだ「資本主義の終焉」といった類の書籍を見て、「人間は、危機的な状況でも『儲けたい』という欲望を持ち続け、資本主義経済を終わらせないのだ」という確信を得たという。皮肉なことに、悲観的な本が大量に売れる状況そのものが、人間の飽くなき商魂の表れだと感じた。
彼は、地政学リスク、金融危機、インフレなど、未来の経済を正確に予測することは不可能であり、それらに一喜一憂して売買すべきではないと考える。投資家が信じるべきは、予測不能な未来ではなく、「より良い製品やサービスを求め、豊かになりたい」という人間の根源的な欲望が企業活動を促し、経済全体を成長させるという資本主義経済の仕組みそのものであるという。この普遍的な原理が変わらない限り、インデックス投資は有効に働き続けるとの信念を持っている。
Q. これからインデックス投資を始める人への具体的なポートフォリオとアドバイスは?
水瀬氏が25年間の投資経験で培った知識とノウハウを凝縮した結果、これから投資を始める人にはたった2種類の金融商品をお勧めするという。それは「全世界株式のインデックスファンド(オルカン)」と「個人向け国債変動10年」である。
全世界株を選ぶ理由として、たとえ将来的に現在覇権を握る米国が失速し、中国やインドなどが台頭しても、全世界株ファンドは自動的にその比率を調整するため、常に成長の恩恵を享受できる点を挙げた。これにより、自分で銘柄の入れ替えを行う手間なく、最適な分散投資が可能になるという。

ポートフォリオにおける「クッション材」として日本債券を組み込むことも重要と説く。リーマンショック時の経験から、為替リスクのある外国債券は株安・円高時に大きな評価損を抱え、クッションとしての役割を果たさないことが判明したため、為替リスクのない日本債券、特に金利が変動し最低金利保証もある「個人向け国債変動10年」を推奨している。これは「ほったらかし」投資との相性が抜群に良いと語った。この2本の組み合わせにより、誰もが究極のシンプルで再現性の高い「ほったらかし」投資を実行できると水瀬氏は結んだ。