ビジネス虎の巻
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2025年9月26日

生命保険不要論は本当か?保険に詳しいファイナンシャルプランナーが大激論。前編のテーマは医療保険・がん保険。保険営業の不都合な真実とは? <ゲスト> 長尾義弘/ファイナンシャルプランナー 黒田尚子/ファイナンシャルプランナー <目次> 00:00 ダイジェスト 01:12 人生の3大支出、保険が第...
保険は人生で住宅に次ぐ大きな出費になる可能性があるのに、比較検討せずに加入している人が多いというのが現状です。本記事では、保険専門家である長尾義弘さんと黒田尚子さんに、医療保険やがん保険について本当に必要なのかを聞きました。

多くの専門家は「医療保険は基本的に必要ない」と言います。なぜなら日本には公的健康保険と高額療養費制度があるからです。高額療養費制度では、医療費の自己負担に上限があり、一般的な収入の場合は月に約9万円程度です。

しかし、実際に病気を経験したファイナンシャルプランナーの黒田さんは「保険とはそもそも起こるか起こらないか分からないものに対して備えるもの。損得で考えるものではない」と指摘します。
また、高額療養費制度でカバーされるのは医療費の一部だけで、実際には個室代、通院の交通費、家事代行サービスなど、病気に関連する様々な出費が発生します。特に小さな子供がいる家庭では、家事をどうするかという問題も出てきます。
さらに、病気になると精神的にも不安定になり、経済面の心配が治療に専念できなくなることも。「医療保険があれば安心して治療に取り組める」という側面もあります。
医療費対策として、どのくらいの預貯金があれば十分なのでしょうか。

黒田さんによると、医療費ベースでは大体200〜300万円の預貯金があれば、医療保険は不要かもしれません。しかし、預貯金が少ない人ほど保険に入った方がよいという逆説があります。「お金がないから保険に入らない」と考える人が多いですが、実はそういう人こそ保険が必要なのです。
専門家の間でも医療保険が不要と言われる一方で、がん保険については「必要」という意見が多いです。これはがん治療が長期化しやすく、治療中の収入減少が大きな問題になるからです。
長尾さんは「がん保険の本当の役割は収入減を補うこと。標準治療していれば実はそれほど治療費はかからない」と説明します。
一方、40歳で乳がんを経験した黒田さんは、自身の経験から「がんは1年目に最もお金がかかる」と話します。彼女の場合、2年目だけで約248万円かかり、そのうち約170万円は人工物による再建手術の費用でした。ただし、現在は保険適用になっている治療も多いため、標準治療であれば年間50〜100万円程度と言われています。
がんの罹患率は年齢とともに上がります。女性は30代後半から乳がんや子宮頸がんのリスクが上がり始め、男性は50代半ばから罹患率が上昇します。若年化の傾向もあるため、「思っているより早く検討した方がいい」というのが専門家の意見です。
20年以上前に加入した保険は、当時の医療状況に合わせて設計されていることが多いです。例えば2000年頃の保険は入院がメインの時代の商品で、現在は外来治療が中心になっています。
古い保険をそのまま維持するか見直すかは、保障内容と現代の医療ニーズを比較して判断すべきです。特に働き盛りの世代が今がんになった場合、「治療給付金」が付いているかどうかが重要です。これは抗がん剤治療や放射線治療など、月に5〜30万円支給される給付金で、収入減をカバーする役割があります。
新しく保険に加入する際は、「保険料免除特約」をつけることをおすすめします。これはがんや三大疾病にかかった場合、以後の保険料が免除される特約です。重要なのはこの特約は加入時にしかつけられないこと。
がん経験者は再度がん保険に加入することが難しいため、一度かかった後も保険料を払い続けなければならないことが多いです。その負担を減らすためにも、この特約は重要です。
住宅ローンの団体信用生命保険(団信)は、死亡時にローンが返済されるため、死亡保障としては「最強」の保険です。さらに「がん特約」や「就業不能特約」がついていれば、がんになった場合や働けなくなった場合もローンが免除されるため、非常に心強い保障になります。
ただし、団信の保障は住宅ローン完済とともに終了することに注意が必要です。
保険の相談先として、保険会社の営業員、乗合代理店、銀行窓口、ネットの無料相談などがありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

長尾さんは「保険会社の営業員は1社の商品しか扱えない。乗合代理店や銀行窓口、ネット相談は利益相反の可能性がある」と指摘します。無料の保険相談でプレゼントがもらえるケースは「なぜ相談しているのにプレゼントがもらえるのか」を考える必要があります。
一方の黒田さんは「自分で調べて決められる人はネット通販が良い。対面で相談したい人は複数の相談先を訪ねて、信頼できる人を見つけるのが大切」とアドバイスします。
保険の勧誘を受けた際は、「不安ばかりを煽る営業ではないか」「社会保障の説明をちゃんとしてくれるか」をチェックしましょう。保険の本来の役割は「社会保障で足りない部分を民間保険で補う」ことです。社会保障の説明なしに民間保険を勧める営業には注意が必要です。
専門家は「定期保険の方が良い」と話します。終身保険は保険料が高く、家計を圧迫する可能性があります。死亡保険の目的は「子供の教育費と残された配偶者の生活費の確保」であり、その期間だけをカバーする定期保険で十分という考え方です。