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日経平均5万円、年内に実現する
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2025年9月26日

連日の最高値更新が続く日経平均株価。なぜ株価上昇が続いているのか?年内にどこまで株価は上がるのか?来年も勢いは続くのか?マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストに聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 上智大学外国語学部卒。神戸大学大学院・経済学研究科博士後期課程...
日経平均5万円は年末に現実となるか?マネックス証券広木隆氏が断言する「株価は必ず上がる」の真意と5つの好材料
日経平均株価が連日高値を更新する中、市場の注目は次なる大台「5万円」の行方に集まっている。この上昇相場に対し、マネックス証券チーフストラテジストの広木隆氏は「日経平均5万円は来るに決まっている。議論の余地がない」と断言する。
かつて「この世に絶対なものはない」と語ったロバート・ルービンの言葉を引用しつつも、「株価だけは絶対に上がる」という自身の哲学を述べる広木氏。彼の見解では、問題は「いつまでに到達するか」という時間軸である。なぜそこまで強く言い切れるのか。この1ヶ月で広木氏が従来の予想を覆し、「年内に5万円到達」へと見通しを上方修正した五つの理由を深掘りする。

Q. 日経平均株価は本当に5万円に到達するのか? その確実性とは?
株価は長期的には必ず上昇するというのが、広木氏の長年の見解である。氏曰く、「株価が5万円になるかどうかなんて議論にならない。来るに決まっている」。それは5万円に留まらず、6万円、10万円、ひいては100万円までも視野に入るという、非常に力強いメッセージだ。この主張は、「世の中に確かなことは何もないが、株が上がるということだけは確かである」というロバート・ルービンの思想にも通じる。
重要なのは、株価の絶対的な方向性ではなく、「いつまでにその水準に達するのか」という時間軸を区切った予測にある。これまで慎重な見方を示してきた広木氏が、この1ヶ月で年内5万円達成の可能性を唱えるようになった背景には、五つの強力な理由がある。これらが複合的に作用することで、日経平均は異例の速さで大台を目指すと予測される。
Q. 日経平均5万円達成を後押しする最も強力な経済的要因とは何か?
年内5万円への上方修正を決定づけた最も大きな要因は、米国連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和再開と、それに伴う世界的なリスクマネーの流れの変化だ。先日の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利下げ再開を決定し、今後も継続的な利下げが見込まれることは、世界中の株式やビットコインといったリスク資産にとって強力な追い風となる。
この金融緩和は「これまで期待で上がっていた部分が現実となり、ここからが一番美味しいところ」だと広木氏は指摘する。実際の政策金利の低下は、実質金利を下げ、企業の資金調達コストを減少させるだけでなく、投資家がリスク資産に向かいやすくなる環境を作り出すため、世界の金融市場の動きに最も大きな影響を与える要因と認識されている。米国の金融政策が世界の金融センターとして機能する中で、その舵取りが緩和方向へと明確になったことは、日本株を含む世界株式市場にとって極めてポジティブな材料だ。
さらに特筆すべきは、米国が利下げを行う中でも、日本は利上げ観測が強まっているにもかかわらず、円高が進まずむしろ円安基調が維持されている点だ。通常、日米金利差の縮小は円高要因だが、現状ではそれが顕在化していない。この「米金融緩和と世界的株高」に「円安」が加わる組み合わせは、輸出企業の多い日本株にとって「万々歳」の投資環境を意味する。この二つの追い風だけで、すでに日経平均5万円のシナリオは十分に見えた、と広木氏は強調している。
Q. 企業業績とAIブームの進化は日経平均5万円をどう後押しするのか?
企業業績の改善も日経平均5万円達成の強力な論拠の一つだ。米国の利下げは景気後退を防ぐための「予防的」な措置であり、米国経済の安定を維持する役割を果たす。この結果、世界経済も悪化しにくくなり、グローバル景気に敏感な日本企業の業績は大きく改善する見込みだ。さらに、トランプ関税の全容が見え、自動車関税15%といった影響も、足元の円安水準(150円台)で十分に相殺できる状況にある。

現在の市場アナリストの予想コンセンサスでは、来期の日経平均を構成する企業の1株当たり利益(EPS)は約3,000円と試算されている。この3,000円というEPSに対し、過去の平均的なPER(株価収益率)である16倍を適用すれば、株価は5万円に到達する。つまり、日経平均5万円は決して投機的な目標ではなく、企業業績という確固たるファンダメンタルズに裏打ちされた現実的な水準だと言えるのだ。
AIブームの進化もまた、日本株の追い風となっている。これまでのAI投資はNVIDIAのような半導体メーカーやデータセンター関連に集中していたが、潮流は大きく変わりつつある。これからは、AIがロボットやスマートフォン、自動運転といった物理的なデバイスに直接実装される「フィジカルAI」、あるいは「エッジAI」の時代へ移行すると広木氏は見立てている。AppleのAirPodsがリアルタイム翻訳機として機能するように、AIはクラウド上の大規模言語モデル(LLM)から、各端末で動く小規模言語モデル(SML)へと進化し、生活のあらゆる場面に溶け込むだろう。

このフィジカルAIの領域こそ、村田製作所、TDK、ソニーといった高品質な部品、素材、センサー技術を持つ日本企業が最も強みを発揮できる分野だ。AIバブル崩壊のリスクが囁かれる中で、大規模なデータセンター投資に限界が訪れる可能性はあるものの、端末上でAIを動かす技術へのシフトは、日本の産業構造に有利に働き、新たな成長エンジンとなると期待される。
Q. 国内の政治動向は日経平均にどのような影響を与えるか?
現在の株価上昇の背景には、国内政治に対する「期待感」も少なからず存在している。過去1年間の石破政権は、米国の関税問題への対応や政治と金の問題に終始し、積極的な政策を打ち出すことが困難な状況が続いた。派閥間の軋轢なども重なり、日本政治には停滞感が漂っていたことは否定できない。国民からは「変われ」という強いメッセージが突きつけられ、新政権の誕生によってこの閉塞感が打破されるのではないかという期待が、市場にも影響を与えているようだ。
市場が政治に求めるのは、単なる弱者救済のためのばらまきではなく、国全体の経済成長を促す明確な「成長戦略」である。現役世代に焦点を当て、経済を回すための具体的な施策こそが、有権者からも評価されている。例えば、小泉進次郎氏が提唱した「2030年度までに国内投資を135兆円に増やす」といった大胆な政策は、減税による設備投資の促進を含め、もし実行されれば市場からの評価に値するものだ。
しかし、政治の動向は依然として不確実性が高く、誰が次期総裁になるかは不透明である。この政治的な期待感は、日経平均を押し上げる五つの理由の中では最も流動的な要素だと広木氏は指摘する。仮に総裁選の結果が市場の期待通りにならなかったとしても、他の四つの要因(米金融緩和、円安、企業業績改善、フィジカルAI)が非常に強力なため、年末までの5万円達成という見通しは揺るがないだろう。政治的な要因は、むしろ株価を「さらに」上振れさせる可能性を秘めた追加材料と位置付けられる。
Q. 日経平均5万円達成後の見通しと潜在的なリスクは何か?
年内に日経平均が5万円を達成した場合、次なる大台として6万円が視野に入るのは当然の流れだと広木氏は予測する。強い上昇相場であれば、1年間で20%の上昇は十分に可能であり、来年2025年中に6万円に到達することも十分にあり得るとのことだ。

ただし、2025年の相場環境は、今年のように楽観視できるものではない可能性も指摘している。今年の日経平均を押し上げた五つの強力な要因のうち、来年にはいくつかがその勢いを失う可能性がある。具体的には言及されていないものの、米国の金融政策、地政学リスク、AIの技術革新の方向性、国内政治の安定性など、多くの要素が複雑に絡み合い、新たなリスクとして顕在化することも考えられる。
そのため、年末までの日経平均5万円達成は堅固な見通しであるが、年明け以降の来年相場は、今年とは異なる難しい局面に直面する可能性があるとの慎重な見方も示している。投資家は常に状況の変化を注視し、機敏な対応が求められるだろう。