PIVOT Vlog
万博ロケを終えて【佐々木紀彦】
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2025年9月17日

PIVOTのMC陣やスペシャルゲストが普段の番組収録を通じて感じた「気づき」や「深堀りしたいテーマ」を、自由に語るアプリ・Web限定のトークコンテンツ「PIVOT Vlog」
「究極のバラバラと究極の繋がり」——大阪・関西万博が示す新たな社会像とは

Q. 佐々木さん、最近記憶に残ったロケはありますか?
ちょうど昨日、大阪関西万博に収録で行ってきました。以前、家族と一緒に訪れたこともありますが、この万博のロケが最近では一番印象に残っています。
今回訪れたのは、話題になっている大屋根リングを建築し、万博全体の設計をした藤本壮介さんと、別のパビリオンを手がけている慶應義塾大学教授の宮田啓明さんとの対談のためでした。宮田さんは万博の中央に森を作り、「ベター・コービーイング」をテーマにしたパビリオンを出展しています。
Q. 現在万博は盛り上がっていますが、どのような意義があるのでしょうか?
万博自体が示すものや、世界や日本のこれからのあり方にどう影響するのかは、分かりにくい部分もあります。しかし今回、この二人の話をじっくり聞いて、万博が持つ意味がこれほど大きいものだったのかと実感しました。この万博は、これからの時代を形作るものなのです。

残念ながら、万博は10月13日までしか開催されておらず、入場チケットもほとんど残っていません。おそらく平日の夕方などでないと入場できない状況ですが、この万博は実際に体感しないと分からないものです。テレビや映像で見ているだけでは伝わらない部分があります。実際に行って、その場所が持つ意味や時代的な意義を感じる人がより増えることを願っています。
Q. 二人の話を聞いて、特に印象に残ったことは何ですか?
大屋根リングとその中央にある森の設計自体、そしてそこに込められた思いやコンセプトが印象的でした。藤本さんは「究極のバラバラと究極の繋がり」というキーワードを述べていました。
これまで特に日本を含む工業社会では、みんな画一的に偏差値競争をしたり、同じものを求めてきました。しかし過去30年ほどの日本を見ると、どんどん個人主義的になり、インターネットやSNSの普及によって、各自が自分の好きなことをする方向に進んできました。藤本さんはこれを「拡散性」と表現していました。
かつて皆が同じことをしていた一元的な世界から、逆にバラバラになりすぎて、人々が孤独や寂しさを感じるようになっています。ただ、バラバラになるだけではなく、そのバラバラを包み込むようなものがなければ、世界も人も単に分断されてしまいます。
Q. 万博の設計には、どのような社会像が反映されているのでしょうか?
藤本さんが提示しているのは、過去の工業的単一社会とも違うし、ただのバラバラ社会とも違う、両方の良いところを超えた新たな社会像です。このビジョンは、万博の場所に行くことで実感できます。

特定のパビリオンに予約できなくても、大屋根リングのエリアに行って、全体の雰囲気の良さや一体感を感じることが大切です。映像だけで見ている人と、実際に訪れて感じた人では、今後の生き方や考え方、発想にも変化が生じるでしょう。特にクリエイティブな仕事をしている人は、絶対に行くべきだと思います。
宮田さんによれば、東京の人々はまだ訪れていない人が多く、批評的に見ている傾向があるようです。東京の人こそ、実際に行って、なぜこれほど盛り上がっているのか、時代の何を象徴しているのかを体感すべきです。もう開催期間は1か月もありませんが、構えずに訪れるだけでも様々なヒントが得られるはずです。
Q. 1回目と2回目の訪問では、感じたことに違いはありましたか?
1回目は子供たちと遊ぶような感じで、特に深い考えもなく訪れました。しかし今回は、万博の背後にある思想や意図を中心人物から直接聞くという目的で訪れたため、より概念的に意味を考える機会になりました。
藤本壮介さんは今、日本で最も著名な世界的建築家の一人です。現在、六本木ヒルズの森美術館で「藤本壮介展」が開催されており、彼がどのような進化を遂げ、どういう思想のもとに大屋根リングなどの作品を生み出しているかが分かります。万博と合わせて訪れると、より理解が深まるでしょう。
どうしても大阪に行けない人は、せめて森美術館だけでも訪れれば、様々な発想が得られるはずです。
Q. 建築家という職業について、どのように考えていますか?
建築家は私が最も尊敬する存在の一つです。彼らは抽象的な概念やアート性を持ちながら、それをリアルなものとして提示し、そこに人が集まり体験できる場を創り出します。頭の中の抽象性と具体性の両極を持つ建築家という存在は、本当に素晴らしいと思います。

日本には世界的な建築家がたくさんいます。その作品を最も味わいやすい環境が今の日本にあると思います。建築を通じて自分の仕事や人生、これからのモチーフを考えることは、ビジネスパーソンとしても非常に成長につながると思います。ぜひ皆さんも訪れてみてください。
Q. 万博を訪れる際のアドバイスはありますか?
並ばなくても行けるエリアもあります。混雑を避けるなら、午前中や夕方など、人が少なくなる時間帯を狙って訪れるとよいでしょう。
また、東京の方は森美術館の「藤本壮介展」から訪れることをお勧めします。藤本さんの思想や作品の背景を理解した上で万博を訪れると、より深い体験ができるでしょう。
たとえ一部のパビリオンしか見られなくても、大屋根リング周辺の全体的な雰囲気を感じるだけでも価値があります。この万博が提示する新しい社会像は、私たちの未来の生き方や考え方に大きな影響を与えるものです。残り少ない機会を逃さないでください。