マーケット超分析
100億円トレーダーの最新投資実績/今年、1億円儲けた銘柄/テスタが狙う注目のイベント
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2025年9月16日

月イチで株式相場の解説を行う、「マーケット超分析」。9月回のゲストは「100億円投資家」のテスタさん。後編では、テスタさんの最新投資実績を大公開。 <出演者> 柴田阿弥|MC 木野内栄治|大和証券 チーフテクニカルアナリスト テスタ|個人投資家
100億円投資家が語る2025年前半の実績と今後の展望
「フジHD株で1億円の利益」個人投資家テスタが明かす投資判断の極意
10月以降の株価下落に警戒感を示しながらも、チャンスととらえる100億円投資家のテスタ氏。大和証券チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏とともに、2025年前半の投資実績と後半の見通しについて語った。

Q. 2025年前半で大きく儲けた取引はどのようなものでしたか?
フジテレビホールディングス株で約1億円の利益を得ました。私は基本的に小さく地道に稼ぐタイプなので、大きく儲けることは年に1〜2回程度です。
この取引は、チャートを分析して村上ファンド関連が買い増しをしていることを見抜いたものです。大量保有報告書の変更届が出る前に、チャートの動きから大きな資金の流入があると判断しました。

ファンダメンタルズの観点からは、次回の株主総会で村上ファンドが株主提案をしてくる可能性が高いと予測していました。そのため、今回の株主総会後に買い増しが行われると考えていました。ただ、予想だけで購入するのではなく、実際の値動きを確認して確信に変えてから投資しました。
大きな資金が入っている兆候は、チャートや板の動きに現れます。大量保有報告書は5営業日以内に提出する義務があるため、最大で5日間はバレずに買い続けられるという特性を利用した取引でした。
Q. 資金効率の重要性についてどう考えていますか?
株式投資では資金効率が非常に重要です。バリュー株のように割安な株があっても、いつ上がるかわからなければ資金が拘束されてしまいます。
例えば、フジテレビの取引は短期間で終わらせられるリスクコントロールが可能で、さらに大きな値幅も取れました。金額の大小だけでなく、効率性を含めて良い取引だったと考えています。
塩漬け株を持っていると資金が拘束されてしまい、加速度的に資金を増やすことができません。自分の資金効率を考慮して投資判断をすることが大切です。そのためには、必要な時には損切りをすることも重要です。
Q. 投資判断の際にどのようなツールを活用していますか?
投資家の期待度を測るために、X(旧Twitter)で検索したり、掲示板を確認したりしています。最近ではChatGPTも活用しています。
例えば、「決算内容をこうこう読み取ってくれ」や「発行済み株式数はいくらか」といった細かいデータを引き出すのに役立ちます。ただし、数字を1桁間違えることがあるので注意が必要です。
株価は自分だけの取引で決まるのではなく、市場参加者全体の多数決で決まります。下方修正なのに株価が上がったり、良い決算なのに下がったりするのは、みんなの期待値によるものです。そのため、1歩先を読み、みんなの行動を予測することが重要です。
Q. 2025年前半で大きく損失を出した取引はありましたか?
セブン&アイ・ホールディングスの株で約8000万円の損失を出しました。この取引は創業家によるMBO(経営陣による買収)の可能性や、コンビニエンスストアの買収に関する長期的な展開を見込んだものでした。

最初は創業家がMBOを検討していると報じられ、株価が上昇しました。その後、創業家はMBOを断念しましたが、米コンビニチェーンによる買収の可能性が残っていると考え保有し続けました。
しかし、最終的に「もうすぐ決着がつく」という報道が出て、それは買収断念を意味すると判断し、株を売却しました。その後実際に撤退ニュースが出て株価が大きく下落したので、その前に売れたのは不幸中の幸いでした。
この取引は、時間がかかりすぎたことが問題でした。約10億円を投資していたため、その資金が長期間使えなかったことによる機会損失も大きかったです。
Q. 大きな損失を出した時のリフレッシュ方法はありますか?
大きな損失を出した時は、まず十分に睡眠をとります。体力が落ちて動けなくなるほど落ち込むこともあるので、寝て回復することを心がけています。
また、視点を変えることも重要です。例えば3億円の損失を出した時、「これは3か月前の資産状態に戻っただけだ」と考えます。3か月前はその資産状態で十分幸せだったはずなので、単に「その時に戻っただけ」と考えることで気持ちを切り替えています。
Q. 投資先の銘柄はどのように選んでいますか?
何か重大なニュースや出来事が起きた時に注目することが多いです。資金効率を考えるなら、「いつか動く」ではなく、「動き始めた時」から注目するべきです。
動きが始まったばかりの時は初動の可能性があります。フジテレビも注目し始めた時から約2倍になりました。大型株であれば重大ニュースが必要ですが、小型株では比較的小さなニュースでも大きな動きが出ることがあります。
時価総額が小さい企業の場合、世間的には大きなニュースでなくても、その企業にとって重要なニュースが出たら、そこから値動きが発生することがあります。
Q. 2025年後半に注目しているテーマはありますか?
AI関連は引き続き注目しています。また、来年は世界野球クラシック(WBC)、東京オリンピック、ワールドカップなどスポーツイベントが重なるので、関連銘柄に注目しています。
株式市場は先を見越して動くため、大きなイベントが近づく前に、まだあまり話題になっていない段階で投資すれば利益が出る可能性があります。
Q. 2025年4月のトランプショック時にはどう対応しましたか?
トランプショックでは資産が一時的に減少しましたが、近年は下落後の回復が早くなっています。以前は下落したらしばらく戻らないことが多かったのですが、最近は財政出動などの対策が早くなり、回復も早くなっています。
私はトランプショックを一時的なものではなく、関税の大幅な変更による長期的な影響があると考えました。そのため、影響を受けやすい企業の株を減らし、比較的影響が少ない内需株などにシフトしました。結果的には両方とも指数と共に戻りましたが、相場が戻らなかった場合に備えた判断でした。
下落時には機械的な対応をしています。例えば「日経平均が500円下がるごとに5000万円ずつ買い増す」といった方法です。下落幅が大きければ大きいほど多く買い、後々の利益も大きくなるという考え方です。
Q. 木野内氏は2025年後半の市場をどう見ていますか?
木野内氏は10月以降に株価が下落する可能性を指摘しています。特に意図的な在庫の積み上げや、Windows 10のサポート終了に伴うパソコン買い替え需要の一巡などが要因として挙げられます。
過去の例として、2015年のWindows Server 2003サポート終了時や2018年のトランプ1.0の時期も似たような状況があり、その後大きく下落しました。
回復するには「政策総動員」が必要になる可能性があり、それがなければ長期的な低迷に陥る恐れがあります。早ければ来年3月までに政策転換があるかもしれませんが、米国の中間選挙の予備選が始まる時期でもあり、政策総動員に米国が乗ってこない可能性も考慮する必要があります。
Q. テスタ氏は今後の市場下落をどう見ていますか?
下落相場はいつか必ず来るものと考えています。そのため、あらかじめ準備しておくことが大切です。信用取引で全力を出すなど危険な取引は避け、下落に備えて余力を残しておくべきです。
むしろ株価が安くなることは長期的に見ればチャンスとも言えます。市場は常に上がったり下がったりを繰り返していますが、長期的には最高値を更新し続けています。
相場全体が悪くても、個別銘柄の独自ニュースによる値動きは常に発生します。むしろ相場全体が悪い時の方が個別銘柄への資金集中が起きやすく、そういった銘柄を狙い目にしています。
Q. 2025年後半のAI関連銘柄についてどう考えていますか?
小型の専門的なAI関連銘柄や、データセンター関連に注目しています。特にAIの発展に必ず必要となるインフラ部分への投資は有望です。

木野内氏によれば、AI半導体から、AIデータセンターまでは物色されていますが、AIソフトウェア分野はまだ大きな動きがないため、今後はそちらに資金が流れる可能性があります。また、大型銘柄がお休みする中で、小型銘柄に資金が集中する展開も考えられます。
ハードウェア面では、パソコン向けDRAM価格は上昇していますが、サーバー用の高規格メモリ価格が下落傾向にあり、10月頃にはAI関連の大手企業は一時的に停滞する可能性があります。その間、AIソフトウェアの小型銘柄に資金が流れる展開が予想されます。