
徹底討論・住宅ローン/変動金利VS固定金利/金利はどこまで上がるのか?
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2025年9月9日
実家が大家業を営む三四郎・小宮が不動産をイチから学ぶ「不動産SkillSet」。今回のテーマは「住宅ローン」。前編では、変動金利と固定金利の違いを紹介する。 <出演者> 柴田阿弥|MC 三四郎 小宮浩信|実家が大家さん 塩澤崇|住宅ローンアナリスト https://www.youtube.com/...
固定金利VS変動金利、どちらを選ぶべき?住宅ローン専門家が徹底討論
住宅ローンを組む際に最も悩ましい選択の一つが「固定金利」と「変動金利」のどちらを選ぶかという問題だ。長らく低金利が続いた日本だが、近年は金利上昇傾向にあり、選択はより複雑になっている。今回は住宅ローンアナリストの塩澤崇氏と公認会計士の千日太郎氏による討論から、それぞれのメリット・デメリットを探る。

Q. 固定金利と変動金利の違いは?
固定金利は借入時の金利が返済完了まで変わらない。将来の金利上昇リスクを回避できるが、その代わり金利は変動よりも高めに設定されている。

一方、変動金利は市場金利に応じて半年ごとに金利が見直される。金利が下がれば返済額も減るが、金利が上がれば増える。将来の返済額は不確定だが、固定よりも初期の金利は低く設定されている。
Q. なぜ現在、この選択が難しくなっているのか?
長らく日本では超低金利が続き、変動金利を選ぶ人が8割程度と多数派だった。しかし現在は「過渡期」といえる状況にある。日銀が政策金利を徐々に引き上げており、変動金利も上昇傾向にあるためだ。
千日氏は「過去には変動金利が8%を超えていた時期もある」と指摘し、安易に過去の低金利に引きずられるべきではないと警告する。一方、塩澤氏は「日本の人口減少と高齢化という構造的な問題から、金利が大きく上昇する可能性は低い」と分析する。
Q. 変動金利派の塩澤氏の主張は?
塩澤氏は「人口減少と高齢化」という日本のマクロ構造から、金利が大幅に上昇する可能性は低いと主張する。
日本の人口は令和から毎年約50万人減少しており、2100年には5000万人(明治時代レベル)まで減ると予測されている。人口減少は日本経済の縮小を意味し、これを支えるためにはインフレが必要だが、金利を引き上げるとインフレを抑制してしまう矛盾が生じる。
また、円安維持のために日米の金利差を保つ必要があることや、「シルバー民主主義」による社会保障費の増大なども、金利上昇を抑制する要因になると説明する。
塩澤氏の試算では、日銀の政策金利は2027年度後半までに1.5%程度で落ち着くと予想。これでは固定金利と変動金利が「ひっくり返る」水準(2%程度)には達しないため、変動金利の方が有利だと結論づける。

ただし、金利上昇への備えとして、生活費の半年〜1年分を除く資産を投資に回すことを推奨している。「金利は経済の体温計」であり、金利上昇は経済好転の証拠でもあるため、株式投資でインフレに対応すべきだという。
Q. 固定金利派の千日氏の主張は?
千日氏は「経験則に保証なし」という観点から、将来の金利予測は当てにならないと主張する。35年という住宅ローンの長期間を考えると、過去には変動金利が8%を超えた時期もあり、予測を超える事態は十分ありうる。
実際、2016〜2018年頃にはフラット35(代表的な固定金利商品)と変動金利の差がほとんどなかった時期があった。当時フラット35は1.1%台、変動金利は0.6〜0.9%程度だったが、現在では変動金利が1.3%になり、当時固定を選んでいれば得をしていたことになる。
また、現在のフラット35は1.87%だが、「子育てプラス」という制度を利用すれば、最初の5〜10年間は0.87%と大幅に低い金利で借りられる可能性がある。さらに千日氏は、フラット35の提供元である住宅金融支援機構が現在、調達金利(2.02%)より低い金利(1.87%)で貸し出しており、これは「裏技的な状態」だと指摘する。
千日氏は、あと1〜2回の政策金利引き上げで変動金利と固定金利が「ひっくり返る」可能性があるとし、特にリスクを取りたくない人や金融リテラシーが高くない人には固定金利を勧めている。
Q. 団信(団体信用生命保険)について知っておくべきことは?
千日氏は、団信に加入しない選択肢についても言及した。団信とは住宅ローン借入者が入る生命保険で、借入者が亡くなった場合に住宅ローンが0円になり、残された家族が住宅ローンなしで住み続けられるようにするものだ。

団信に加入せず、別途生命保険に入る方が割安になる場合がある。団信込みのローンから0.2〜0.28%金利が下がる一方、個別の生命保険では0.1%前後のコストで同等の保障が得られるケースが多いという。
Q. 両者の共通点は?
両専門家とも、どちらか一方が「絶対的に正しい」という主張はしていない。塩澤氏も収入が変動しやすい芸能人や自営業者、法人役員には固定金利のフラット35が適しているとし、千日氏も「変動金利が得になるパターンもある」と認めている。
また、住宅ローンと投資の関係についても、塩澤氏は変動金利の余剰資金で投資を勧める一方、千日氏は「固定金利を選びつつ投資をする」という選択肢も提示している。
Q. 最終的にどちらを選ぶべき?
結論として、以下の人には固定金利が向いている:
収入が不安定な人(自営業者、フリーランス等)
金融リテラシーが高くない人
リスクを取りたくない人
金利上昇に対して不安を感じる人
一方、以下の人には変動金利が向いている:
安定した収入がある人
金融リテラシーが高く、金利動向を自分で判断できる人
ある程度のリスクを許容できる人
余剰資金で投資ができる人
住宅ローンは人生最大の買い物の一つ。自分の状況や性格に合わせて、慎重に選択することが大切だ。また、フラット35の「子育てプラス」など、特定の条件で金利が優遇される制度も活用できるため、最新情報をチェックすることも重要である。
