PIVOT TALK BUSINESS
【健康・お金・つながりが重要】「自分だけの仕事」のつくり方
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2025年9月15日

多くの30代が直面する「40歳の壁」。キャリア、子育て、夫婦関係など様々な点で生き方の見直しを求められる30代において、40歳以降の人生戦略をどのように考えていけば良いのか?キャリア論に詳しい尾石晴氏に聞いた。 <ゲスト> 尾石晴|起業家 大学卒業後、外資系メーカーに16年勤務。2020年に退職し...
「自分業」の探し方 - 好きなことを仕事にする発想と実践法
好きなことやお金を使っていることから、自分らしい仕事を見つけていく「自分業」。その見つけ方から始め方、失敗しないコツまで、起業家の尾石晴さんに聞きました。
Q. 自分の適性がわからない時、どんな分野から始めるべき?
「自分業」を始める時のおすすめは2つあります。まず、自分が好きで時間とお金を一番使ってきたことを経費にできる仕事を考えてみましょう。

例えば、本を読むのが好きな人なら、それを経費にできる仕事を考えられます。読書で得た知識を何かに還元したり、記事を書いたりするような仕事です。
自分の支出パターンを見て、それを仕事に転換できないか考えるのが有効です。本の他にも、ヨガが好きならヨガ関連、パン作りが得意ならパン関連、旅行が好きなら旅行関連など、好きなことから始められます。
ただし、ただ「好き」なだけでは不十分です。例えばサッカーが好きだからといって、サッカーを教えようとしても上手くいかないことがあります。なぜなら、サッカーは好きでも、サッカーを「教える」ことは好きではないかもしれないからです。
「何が好き」なのかをより具体的に掘り下げる必要があります。サッカーが好きでも、見るのが好きなのか、教えるのが好きなのか、プレイするのが好きなのか、選手を分析するのが好きなのか、それぞれ違います。
そして、社会人としての強みは、一定のキャリアとスキルがあることです。これに好きなことを掛け合わせると、より具体的な仕事が見えてきます。例えば、サッカーの分析が好きで、会社員としてアテンドが得意なら、サッカー観戦プランを提案するような仕事が考えられます。
Q. 具体的に始める際の最初のステップは?
「小さく試す」ことが重要です。会社を辞めて始めるのはお勧めしません。大きな投資をしてホームページを立ち上げたりするよりも、まずは市場が受け入れてくれるか小規模で試してみましょう。

例えば、ヨガを仕事にしようと思った時、最初は1人の人に1ヶ月だけ教えるという小さな試みから始めてみました。実際やってみると、1人にコミットして教えるよりも、大人数に教える方が自分に合っていることに気づきました。
小さく試すことで、自分が向いているか、向いていないかが見えてきます。また、大きく始めると修正がしづらくなりますが、小さく始めれば軌道修正がしやすくなります。
少しずつ試しながら、自分にストレスがなく、顧客も喜んでくれる形を探していくことが成功への近道です。
Q. 「自分業」を作るための具体的なコツは?
自分の正解を見つけることが重要です。これは人生をどう生きたいかという問いにもつながります。
具体的なコツとしては、「やりたいことリスト」をたくさん作ることです。最初は書けなくても、少しずつ精度が上がっていきます。例えば「ハワイに行きたい」と思っていても、本当に行きたいのはハワイではなく「南の島でのんびり過ごす時間」かもしれません。
リストをたくさん書くと、傾向が見えてきます。例えば仕事のことばかり書いているなら、本当は仕事でもっといろいろなことをやりたいのかもしれません。家族のことばかり書いているなら、もっと家族と過ごす時間を作りたいのかもしれません。

100個くらい書くと、自分が何に時間とお金を使いたいのか、どういう状態が幸せだと感じるのかが見えてきます。
Q. 「みんなの正解」と「自分の正解」の違いをどう考えればいい?
私たちの世代は「みんなの正解」が良いこととされてきました。偏差値の高い学校に行くことや、就職ランキング上位の企業に入ることが評価される環境で育ってきました。
一方、今の若い世代は自分の正解を問われる機会が多いです。私たちは「みんなの正解」の価値観が強いため、自分で仕事を作ろうとしても、その価値観に引っ張られがちです。
では、自分の正解をどう見つけるか。一つの方法は、他者の視点を利用することです。自分のことをよく知っている友人や尊敬する先輩、家族に「私はこういうことが楽しいと思うけど、あなたから見てどう?」と聞いてみましょう。
すると「あなたはそう言うけど、こういう仕事の方が熱中しているように見える」「こういう話をしている時が一番楽しそう」といったフィードバックがもらえます。これが自分では気づかなかった「自分らしさ」のヒントになります。
一度にみんなの正解から自分の正解へ切り替えるのは難しいですが、少しずつ自分の喜びを感じる部分を集めていくことで、徐々に自分の正解で生きる人生に変わっていきます。
Q. FIREへの憧れについてどう思いますか?
個人的にはFIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期リタイア)はお勧めしません。強い意志がある人でも、24時間好きに過ごせる状況で、健康を維持し人間関係も保ちながら生きていくのは難しいものです。
人間は安きに流れる傾向があります。仕事をしていると、決まった時間に起きる、苦手な人とも話す、面倒なことも取り組むなど、心身に良い「筋トレ」をしている状態です。

FIRE後に何もしないでいると、生活リズムが崩れたり、健康を損なったりするリスクがあります。実際、FIRE後に仕事を再開する人も多いです。
お金があっても、健康と人間関係が失われると幸せは感じにくくなります。むしろ、サバティカル(一定期間の休暇)を取って、自分に足りないものを補ったり、新しいことに挑戦したりする方が良いでしょう。
仕事を通じて社会との繋がりを維持しながら、生活リズムを作り、脳や体を適度に使うことが、長期的な幸せにつながると思います。