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【メジャー新常識】変化球の最新トレンド
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2025年8月31日

データ分析が浸透し、投手と打者の"進化のサイクル"が加速するメジャーリーグ。数年前まで猛威を振るった「スイーパー」はなぜ攻略されたのか?元ドジャースの斎藤隆氏と野球データ分析の専門家である岡田友輔氏、佐々木浩哉氏に、進化し続けるメジャーリーグの最前線について語ってもらった。 <ゲスト> 斎藤 隆|...
メジャーリーグで進化するピッチャーとデータの世界
Q. メジャーリーグで「スイーパー」と呼ばれる変化球のトレンドが変わってきたと聞きました。どのような変化があったのでしょうか?
メジャーリーグでは、大谷翔平選手も投球で使用していることで知られるスイーパーという変化球が、バッターに対して効かなくなりつつあるという新たな傾向が見られています。

DELTA社長の岡田友輔氏によれば、この変化球は2017年頃から観測され始め、2020年頃に投球割合が1%を超えたあたりから状況が変わってきました。それまではバッターにとって非常に打ちにくい球種として空振り率が上昇していましたが、投球割合が増えるにつれてバッターが対応し始め、徐々に空振りが取れなくなり、ハードヒットの割合が高まってきています。
2025年になると、一般的な変化球と比べてスイーパーを投げると点を取られやすい球種になってしまったとのこと。バッターが完全に適応し始めた結果、ピッチャーは他の球種へと流れる傾向にあります。
岡田氏は「メジャーリーグではこのサイクルが非常に早くなっていて、新しい球種のトレンドがどんどん生まれてくる。まさにスイーパーが今そういう形になっている」と説明しています。
Q. バッターがこれほど速く新しい変化球に適応できるのはなぜですか?
メジャーリーグのバッターの対応力の高さを示す好例といえるでしょう。曲がり幅があり、当てられないと思われた球種でも、メジャーリーグのバッターは驚くべき速さで適応してきます。
野球解説者の斎藤隆氏は「バッターと対戦しないと分からない」と述べており、理論上は効果的な変化球でも、実戦では打たれてしまうこともあるということです。
Q. 変化球を習得するのはどれくらい難しいものなのでしょうか?
斎藤氏によれば、変化球の習得には個人差があり、覚えられないものもあれば、平気で1年、2年かかるものもあります。さらに重要なのは、習得しただけでは不十分で、実際のゲームで使えるかどうかは別問題だということです。
「一概にこれくらいとは言えない。それくらい1つの変化球を自分のものにするのは難しいこと」と斎藤氏は説明しています。
Q. 多くの球種を投げられることはピッチャーにとってどのような意味を持ちますか?
データスタジアムのアナリスト佐々木浩哉氏によれば、多くの球種を投げられることはピッチャーとしての良い特性になってきています。大谷翔平選手のように、シーズン中に新しい球種(2シーム)を追加できるような選手は以前はあまりいませんでした。
しかし今後は、短期間で多くの球種を自分の武器にできるピッチャーが成績を残し続ける可能性が高まっています。
斎藤氏は特に先発投手にとって球種の重要性を強調し、「1打席目で抑えても2打席目で捉えられる、2打席目をクリアしても3打席目で捉えられるというところが出てくるので、球種は必要」と述べています。
実際、球種の数がどれだけ2巡目、3巡目の対戦で有利になるかはデータにも表れているとのことです。
Q. ダルビッシュ有投手は変化球習得という点でどのような存在なのでしょうか?
佐々木氏によれば、ダルビッシュ有投手は毎年新しい球種を身につけ、実践の場で投じる姿勢が特徴的です。元々は150km/hを投げてスライダーを武器とする、いわゆるパワーピッチャーの典型でしたが、実は高校時代から多彩な球種を投げており、プロ入り後もツーシームやカットボールなど新しい球種を次々と取り入れています。
これは若い選手にとっても大いに勉強になる姿勢であり、WBCでも他の選手に技術を伝授する場面が見られました。佐々木氏は「野球界の中でダルビッシュ選手は得意点になっている」と評価しています。
Q. シカゴ・カブスのピート・クロー・アームストロング選手について教えてください。どのような選手なのでしょうか?
岡田氏が注目するのはシカゴ・カブスのピート・クロー・アームストロング(PCA)選手です。彼は今年大変身した選手で、これまでは守備と走塁に優れていたものの、バッティングは特徴的ではありませんでした。

しかし今年になって、守備と走塁の高いレベルを維持したまま、打撃が大きく向上しました。岡田氏によれば、彼はバットスピードが向上し、長打が出るようになったのが大きな変化です。特に引っ張るフライを打つ割合が増え、最大打球速度やハードヒットの割合が改善しました。
また、打球角度と打球速度が良くなった結果、得点への貢献度が大きく向上し、「1年で様変わりした」と評価されています。
Q. センターフィールドでの守備の難しさについて教えてください。
PCA選手は守備においても、メジャーリーグでナンバーワンと言えるほどの外野手だと岡田氏は評価しています。守備範囲が広く、普通の外野手が25%程度しか取れない打球を高い割合でアウトにできるため、投手にとって非常に頼りになる存在です。

センターフィールドでの守備の難しさについて、斎藤氏は意外な点を指摘しています。左右への打球に強い選手は多いものの、正面への打球を上手く捌けない選手が意外と多いのです。
特にセンターでは、正面への打球が非常に難しいとのこと。左打者の打球は途中で左方向に切れるため、右方向から追いかけて左手で捕る必要があり、右打者の打球は逆の動きになります。この判断と動きが非常に難しく、高い技術が求められます。
Q. メジャーリーグで今後どのような変化が予想されますか?
メジャーリーグでは球団拡張(エクスパンション)の話が出ています。現在の30球団から2球団増やして32球団とし、リーグを再編する可能性があるとのこと。アメリカンリーグとナショナルリーグの東・中・西地区という区分けを廃止し、より均等な区分けにする案も検討されているようです。

また、オークランド・アスレチックスのラスベガス移転が確定するなど、球団の移転も進んでいます。さらに各地域からの新球団誘致のアピールも今後活発になると予想されています。
斎藤氏は「リーグの差が実はここに出ましたよ」というようなデータ分析による発見が、プレーオフなどの分析で明らかになると面白いと提案しています。
また、メジャーリーグの球団価値は経済と密接に関わっており、ここ2年で球団の資産価値が30〜40%も上昇しているという興味深い事実も紹介されました。