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【ラ・リーガ展望】バルサとレアル。どちらが強いのか?
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2025年8月24日

今季も3強が中心となるラ・リーガ。バルサは連覇するのか?シャビ・アロンソ監督はレアルをどう変えるのか?久保の役割はどう変わるのか?スペイン在住の小澤一郎氏と木崎伸也氏にラ・リーガを展望してもらった。 <ゲスト> 小澤一郎|サッカージャーナリスト 1977年、京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、...
今シーズンのラ・リーガ展望!3強の戦力分析と戦術的変化を徹底解説

Q. ラ・リーガの新シーズン、3強の注目ポイントは?
ラ・リーガの新シーズンは「3強星型戦術的」と形容できる様相を呈している。昨シーズンの覇者バルセロナを軸に、レアル・マドリードとアトレティコ・マドリードを加えた3強による優勝争いが展開される見込みだ。

各クラブの注目ポイントは大きく変化している。バルセロナはフリック監督の2年目となり、ハンス・フリック流の先進的なハイプレス・ハイラインの徹底が見られる。対するレアル・マドリードは、アンチェロッティ体制からシャビ・アロンソ監督へと交代し、エムバペとヴィニシウスの共存という難題に取り組む戦術的転換期を迎えている。さらにアトレティコ・マドリードは、シメオネ監督の下で大幅な選手入れ替えを敢行し、ポジショナルプレイへの転換を図っている。
Q. バルセロナの戦力と戦術はどうなっている?
ディフェンディングチャンピオンのバルセロナは、基本的に4-2-3-1システムを採用。昨シーズンから大きな戦術的変更はないものの、ラッシュフォードの加入とジョアン・ガルシアのゴールキーパー起用など、一部で変化がある。
中盤はガビ、フェルミンなど昨シーズンのバックアッパーが好調で層に厚みが増している。最大の魅力は18歳のラミン・ヤマルを中心とした攻撃陣だ。ヤマルは右サイドからの攻撃を主導し、左のハフィーニャとの連携で相手守備を崩す。
ただし課題もある。イニゴ・マルティネスのサウジアラビア移籍によりディフェンスラインの質は低下。アラウホの対人能力とビルドアップの質の違いが懸念材料だ。また、36歳になるレヴァンドフスキの年齢的衰えも心配されている。怪我が増えてきており、フルシーズン頼れる存在ではなくなりつつある。
木崎氏はフリック監督について興味深い情報を提供している。カタールW杯での失敗を経て、監督は携帯番号を変更し朝の瞑想を取り入れるなど精神面での変化があったという。また、ハイラインの管理はドイツ人コーチのハイコ・ベスターマンが担当しているとのこと。
Q. レアル・マドリードはどんな変化を遂げるのか?
シャビ・アロンソ新監督の下、レアル・マドリードは大きな戦術的変革を遂げようとしている。昨シーズンまでのアンチェロッティ体制では、エムバペやヴィニシウスといった前線の選手たちは「攻め残り」が許されていたが、新体制ではこれらのスター選手も守備に参加させる方針に転換。チーム戦術の徹底を図っている。

戦術的にはサイドバックのトレント・アレクサンダー=アーノルドやカルバハルがビルドアップ時に内側に入り、3バックと中盤でボールを動かす形を取る。中盤でギュレルが重要な役割を担い、怪我から復帰予定のベリンガムも組み込まれる予定だ。
最大の課題はエムバペとヴィニシウスの共存問題。両者とも左サイドを好む特性があり、昨シーズンのクラブワールドカップでもどちらかが不在の方がチームとしてうまく機能した。シャビ・アロンソ監督がこの2トップの最適解を見出せるかが、今シーズンの復権を占う最大のテーマとなる。
小澤氏は「両者が共存できないとなれば、ヴィニシウスを見切る可能性もある」と指摘する。特にエムバペの獲得に伴い、ヴィニシウスのポジションが揺らぐ可能性があるという。
Q. アトレティコ・マドリードはどう変わったのか?
アトレティコ・マドリードは今夏、最も大きく動いたクラブだ。7人もの新戦力を獲得し、若返りを図るとともに戦術的にも変化を見せている。これまで守備的・カウンター型と言われてきたシメオネ監督のスタイルが、ボールを保持するポジショナルプレイへと進化しつつある。
特筆すべきは左サイドの完全な入れ替え。ビジャレアルから獲得したアレックス・バエナを中心に据え、ルッジェリ、カルドソといった選手で左サイドを構築。バエナは「スペイン代表のレギュラーになれるほどの逸材」と評価され、今後のチームの核となる可能性がある。
シメオネ監督は今シーズンで16シーズン目を迎える。小澤氏は「監督を変えられないとなると選手を変えるしかない」と指摘し、選手によるサイクル変更を図っていると分析する。アトレティコはラ・リーガ内での移籍市場での立ち位置が良く、中堅クラブの優秀な選手をスムーズに獲得できる強みがある。
Q. 日本人選手の今シーズンの見通しは?
浅野選手はマジョルカでの2シーズン目を迎え、右ウイングとしてレギュラー出場が見込まれる。昨シーズンは日本代表での怪我もあり試合数が限られたが、今シーズンはライバルのラリンが放出候補となっており、出場機会は増える見込みだ。
浅野のスピードはラ・リーガでも特筆される長所で、欧州選手にはない爆発的な一瞬の加速力を持つ。木崎氏は「次のワールドカップ代表入りも十分あり得る」と予想し、森保監督との相性の良さも指摘している。

久保建英選手は、レアル・ソシエダドでの戦術的役割が変化している。昨シーズンは右ウイングとして幅を取ることを求められていたが、今シーズンはより内側に入って自由度の高いプレーが許されるようになった。開幕戦のゴールもそうした変化の表れだ。
移籍に関しては、契約解除金6000万ユーロを満額で支払うクラブがあれば可能性があるが、現状では残留の公算が大きい。欧州カップ戦に出場できない点はデメリットだが、チームの中心として全幅の信頼を得ている環境は魅力的だ。小澤氏は「今シーズン活躍してワールドカップでも輝き、その後のプレミアリーグ移籍が理想的なキャリアパス」と分析している。
Q. ラ・リーガの順位予想は?
専門家2名の予想は以下の通り。
小澤氏:①バルセロナ ②レアル・マドリード ③アトレティコ・マドリード ④ビジャレアル
木崎氏:①レアル・マドリード ②バルセロナ ③アトレティコ・マドリード ④ビジャレアル
小澤氏はバルセロナの連覇を予想する一方、木崎氏はレアル・マドリードの優勝を予想している。木崎氏は「レアル・マドリードの穴がはっきりしているチームではなくなる」と分析し、シャビ・アロンソのサバイバル能力に期待を寄せている。
一方、小澤氏はレアル・マドリードについて「ビニシウス、エムバペが不満分子になり、空中分解やシャビ・アロンソ解任の可能性もある」とリスクを指摘している。「シャビ・アロンソ監督ですら来年の続投は分からない」とマドリードの厳しい環境についても言及した。
Q. ラ・リーガをより楽しむコツは?
小澤氏は「若手選手の成長を見るという視点が面白い」と提案する。財政的な制約もありスター選手は少なくなったものの、若手育成の力は健在で、17〜18歳の選手が大人っぽいプレーを披露する様子は魅力的だ。これらの選手たちが2〜3年後にプレミアリーグへ移籍していく流れを意識して見ると、育成リーグとしての魅力が感じられる。
特にアトレティコのバエナなど、ビッグクラブのレギュラーとして活躍する若手選手に注目するのも一つの楽しみ方だ。