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日米株価最新予測:日経平均の最高値更新はあるか?
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2025年7月30日

日米関税15%発表後に、4.2万円台にまで回復した日経平均株価。4万円台は定着するのか?最高値更新の条件は何か?米国株は今の勢いが続くのか?ニッセイ基礎研究所の井出真吾・チーフ株式ストラテジストに聞いた。 <ゲスト> 井出真吾|ニッセイ基礎研究所 主席研究員・チーフ株式ストラテジスト 1993年東...
日米株相場 Q&A 〜今後の見通しと注目ポイント〜
日本株も米国株も高値圏で推移している現在、投資家が知りたいのは「今後どう動くのか」という点だろう。ニッセイ基礎研究所の井出真吾・チーフ株式ストラテジストに日米株式市場の見通しを聞いた。

Q. 日経平均株価は最近4万2000円に迫る勢いでしたが、今後はどう見るべきですか?
先週、日米の関税合意を受けて日経平均株価が2日間で2000円以上上昇する場面がありました。25%だった関税が15%に引き下げられ、自動車関税も含めてトータルで15%になったことは確かに業績へのマイナス影響が和らぐため、株価上昇は理解できます。しかし、2日間で2000円という上昇は少し行き過ぎだったと考えられます。
これは単に懸念が和らいで買いたくなった投資家がいただけでなく、空売りしていた投資家やコールオプションを売っていた投資家の買い戻しも重なった「踏み上げ相場」だったと言えるでしょう。需給が極端に買い方向に偏った結果です。
日経平均のバリュエーションを見ると、株価が業績改善を先取りしている状態です。今の時点で4万2000円、もしくは市場最高値の更新を期待するのは少し行き過ぎかもしれません。少なくとも4万2000円前後を維持するのは難しいでしょう。
Q. 4万2000円を維持するにはどんな条件が必要ですか?
4万2000円を維持するためには、いくつかの条件が必要です。まず、4万2000円の水準だとPER(株価収益率)は16.7倍になります。これは過去の水準から見ても高い水準で、たまに出現しても長続きしない領域です。
PER16.0倍を前提とすると、EPS(1株当たり利益)は2625円必要で、現在のEPS2516円から4.4%上振れする必要があります。企業業績に置き換えると、現在予想されている5.6%の減益が1.5%の減益にとどまる必要があります。
今回の関税引き下げにより、世界経済の落ち込み幅は全体的に縮小されるため、企業業績にも一定の上振れが期待できます。感覚的にはこのくらいの改善はあり得るかもしれませんが、PER16.6倍という高水準を維持することは過去にほとんどなかったため、4万2000円を維持することは難しいでしょう。
さらに現実的なPER15.5倍で考えると、4万2000円を正当化するためにはEPSが7.7%上振れして、企業業績が1.7%の増益に転じる必要がありますが、これはかなり実現困難な水準です。

Q. 日経平均の適正水準はどこになりますか?
日経平均の落ち着きどころとしては、4万円前後が妥当な水準と考えられます。ただし、投資家が慎重姿勢に傾いた場合には3万7000円程度まで下落する可能性もあります。もしそれが極端なショックによるものではなく、たとえばFRBの利下げが想定より遅くなるといった程度の理由で3万7000円まで下がった場合は、割安感から買い場になると判断できます。
当面は3万7000円から4万2000円のレンジ相場が続くと見ておくべきでしょう。ただし、国内政治要因やアメリカ株式市場の動向次第では、一時的に市場最高値を更新する可能性も出てくるかもしれません。
Q. アメリカ株はどうですか?特に懸念点はありますか?
アメリカのS&P500とナスダックの予想EPSは、去年の夏頃をピークに下がり始めていました。それにもかかわらず株価は最高値を更新し続けています。直近ではS&P500が6日連続で上昇し、ナスダックも4日連続で上昇しました。確かに最近発表されたアメリカ企業の業績はおしなべて良好ですが、全体で見るとEPSは下がっているのに株価だけが上昇しているという状況です。
マクロ的に見ると、S&P500には若干の割高感が出ています。イールドスプレッド(株式益利回りと国債利回りの差)がマイナス圏にあることは、株価が高すぎることを示しています。これは今年2月のディープシークショック(約10%の急落)直前と似た状況です。
このままではどこかで調整が必要になるでしょう。それは株価が下がるのか、株価は横ばいでEPSの上昇を待つのか、あるいはその両方なのかは分かりませんが、調整は必要です。特に、FRBの利下げが市場の期待通りに9月に始まらなければ、アメリカ株は調整を強いられる可能性があります。

Q. アメリカ経済は大丈夫ですか?特に消費動向は?
アメリカの消費には若干の懸念があります。全米ベースの個人消費支出は今年1月に一時的にマイナスになりましたが、その後2〜4月はプラスに戻りました。しかし5月にまた消費支出がマイナスになり、クレジットカードの残高も減少しています。これがトランプ関税に対する消費者の警戒によるものなのか、それともより根本的な問題なのかはまだ判断がつきません。
アメリカのGDPの6〜7割を占める個人消費が崩れると、スタグフレーションに近い状態になる可能性があります。ただし、実質賃金は1〜1.5%程度のプラスの状態が2年以上続いており、この状態が維持できれば、アメリカの消費が急激に落ち込むことはないでしょう。
また、最近の関税引き下げや、議会を通過した減税・高級家の法案などにより、実質賃金がさらにプラスになる可能性も出てきています。そのため、現時点ではアメリカ経済は大丈夫だと判断しています。
Q. 投資戦略としてはどうすればいいですか?日本株とアメリカ株、どちらを選ぶべきですか?
長期投資を行うなら、分散投資が必ずしも必須ではありません。分散投資の目的は主にリスクを抑えることにありますが、リスクを抑えればリターンも下がります。急落リスクを恐れない投資家なら、高いリターンを求めてリスクを取ることも十分な選択肢です。
これは年齢にも関係なく、シニア投資家でも自分のリスク許容度を理解していれば積極的なリスクを取ることができます。欧州株などに分散したい人はそうすればよいですが、必須ではありません。
アメリカ企業は依然として強く、世界中から優秀な人材や企業が集まる魅力を持っています。為替面では、中長期的には円に対してドルもユーロも強くなると予想されるため、どちらの通貨建て資産に投資しても為替面でのメリットはあるでしょう。
結論としては、短期投資家よりも長期投資家にとっては、株価が下がった時に迷わず買うか、あるいは毎月定額の積立投資を続けることが最も重要です。これからも政治や経済の状況が変わる中で、基本的な投資姿勢を維持することが成功への鍵となります。