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石破辞任後のシナリオ:次の自民総裁と総理は誰か?
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2025年7月23日

参院選の敗北後、続投を表明した石破首相だが、関税交渉妥結後の辞任案も浮上している。石破首相退陣の場合、誰が次の自民党総裁、総理となるのか?自公はどこと連立を組むのか?石破辞任後のシナリオを、朝日新聞の林尚行・前政治部長に予測してもらった。 <ゲスト> 林尚行|朝日新聞 前政治部長 1995年朝日新...
「石破茂政権はいつまで続く?」朝日新聞前政治部長が語る日本政治の行方
収録日:7月22日15時
日本政治がかつてない混迷を深める中、石破茂政権の行方と今後の政局について、朝日新聞前政治部長の林尚行氏に詳しく聞いた。参院選で自民党が過半数割れを起こした「異例中の異例」の状況下で、石破政権の存続条件、次の総裁候補、そして連立の可能性まで、鋭い分析を披露する。

Q. 石破茂政権はいつまで続くと予想されますか?
普通なら立っていられない状況だが、いくつかの要素が絡み合って「奇妙な均衡」が生まれている。石破政権の存続は主に3つの要素で決まる。
1つ目は世論の支持率。参院選で敗北した石破政権に対する世論の評価は今後も重要なファクターとなる。
2つ目は自民党内の動き。石破首相を下ろすには党内からの強いプレッシャーが必要だが、派閥が弱体化した現状では、誰がシナリオを書き、実行するのかが見えない。森山幹事長の存在は石破政権にとって不可欠だが、鹿児島選挙区での敗北により森山氏自身の立場も危うくなっている。
3つ目は野党の状況。参院選で立憲民主党に追い風が吹かなかったことが、皮肉にも石破政権の命運を延ばしている。野田代表に次の総理としての求心力が生まれていないため、石破政権を倒した後の政権構想が描けない状態だ。
短期的に見れば、7月31日の自民党両院議員懇談会での石破首相への批判の強さと、8月のトランプ関税交渉の行方が重要な節目となる。関税交渉が不調に終われば、石破首相への批判がさらに強まる可能性がある。
石破首相自身は、クリスチャンとしての信念に基づき、国際情勢が不安定な時期に総理の職を空白にするわけにはいかないとの「使命感」を持っているようだ。ただし、民意が離れた首相に政権を担う正当性があるのかという根本的な問題も存在する。
Q. 石破首相の後、次の総裁・総理は誰になる可能性が高いですか?
次の総裁については「誰かに賭けろと言われても賭けられない」ほど不透明な状況だ。高市早苗氏、小林鷹之氏、茂木敏充氏、小泉進次郎氏、林芳正氏などの名前は挙がるものの、どの候補も決定打に欠ける。
重要なのは、次の総裁選が単なる人選ではなく、「政権の枠組み論」になることだ。自民党と公明党だけでは衆参両院で少数与党となっており、国会運営と政権運営が立ち行かない。そのため、連立の拡大を含めた新たな枠組みを模索する必要がある。

連立相手としては立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の3つが候補として挙がる。もし自民党以外から総理が出るとすれば、野田佳彦氏(立憲)、前原誠司氏(維新)、玉木雄一郎氏(国民)のいずれかだろう。
ただし、過去の例として自社さ政権(村山政権)のように、比較第一党は自民党でも、総理は連立相手の政党から出るという可能性もゼロではない。石破政権への不支持が強い現状では、「昨日の敵は今日の友」という政治の特性が働く可能性もある。
Q. 自民党は今後どの政党と連立を組む可能性が高いですか?
連立のパートナー選びは総裁候補の考え方や人脈によって大きく変わる。例えば、高市早苗氏は主要野党との相性が良くないため、連立形成が難しいだろう。
小泉進次郎氏は柔軟性があり、様々な政党と連携できる可能性があるが、政策の深掘りや地方での支持獲得に課題がある。また、老練な政治家の支えが必要だが、森山幹事長のような経験豊富な人材が世代交代で少なくなっている。
林芳正氏は幅広い政党と組める可能性があるが、麻生太郎氏や岸田文雄氏といった自民党内の有力者から十分な支持を得られるかは疑問だ。

維新の会と組む場合は、公明党との関係が障壁になる。大阪での選挙で公明党議員が維新に敗れた恨みは深く、両党の連立は難しい状況だ。ただし、政治の世界では「昨日の敵は今日の友」となることもある。
国民民主党は伸び盛りの「スタートアップ」のような政党で、現時点で自民党と連立するより独自路線を模索する可能性もある。
Q. 今回台頭した「賛成党」の影響をどう見ていますか?
参院選で躍進した賛成党は、特に自民党にとって大きな脅威となっている。1人区で自民党が苦戦したのは、賛成党が保守層の票を一定程度取ったためだ。
欧米で見られる「反グローバリズム」の波が日本にも来たと解釈する声もあり、賛成党の台頭は一時的なブームではなく、政治の流れを変える可能性がある。実際、若い現役世代の投票率が上がり、選挙のベースが変わりつつある。
賛成党の存在は、今後の解散総選挙のタイミングにも影響する。自民党としては、賛成党がさらに票を奪うリスクを避けるため、早期の解散は避けたい状況だ。一方で、時間の経過とともに賛成党の勢いが増す可能性もあり、どちらに時間が味方するかは不透明だ。
Q. 日本政治は今後どのように変化していくと予想されますか?
自民党の世代交代は「待ったなし」の状況にある。若い世代の政治家と、長年永田町にいるベテラン議員の感覚の違いは大きく、若い世代が党の中心になれば自民党も変化していく可能性がある。
自民党が権力を維持するには、従来通り一つ一つ票を積み上げ、組織を維持する地道な取り組みも必要だ。優秀な人材は多いが、世代交代の中で柔軟性が失われつつある。

今後のシナリオとしては、自民党が内部から変質する可能性が高い。分裂ではなく、世代交代による変化だ。ただし、しなやかさを完全に失って硬直化した場合は、分裂の可能性もゼロではない。
秋の臨時国会では、ガソリン減税法案や補正予算、給付金など経済政策が焦点となる。自民党が少数与党となった状況で、野党の力が強まり、国民の生活に直結する政策に影響が出る可能性がある。