不動産 SKILL SET
後悔する最悪の間取りとは/やりがちな間取りの失敗例/セパレートキッチンは使いにくい
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2025年7月10日

実家が大家業を営む三四郎・小宮が不動産をイチから学ぶ「不動産SkillSet」。第4回のテーマは「間取り」。前編では、使いにくいNG間取りを紹介。
暮らしやすい間取りQ&A - 家事動線からキッチン配置まで、注文住宅の後悔ポイント
注文住宅を建てるとき、間取りの重要性はどれほど意識されているだろうか。実は購入後に8割以上の人が家に対して不満を持ち、そのうち4割が間取りに関する不満を抱えているという。今回は一級建築士で間取り診断のスペシャリスト・船渡亮氏に、快適な住まいづくりのポイントを聞いた。

Q. 間取りは人生を変えるほど重要なの?
間取りが生活に与える影響は非常に大きい。子育て、夫婦関係、健康などあらゆる面に影響する。睡眠も含めると1日の半分以上を家で過ごすことになるため、家族と快適に暮らせる間取りは非常に重要だ。
しかし、注文住宅は他の買い物と違って「試す」ことができない。スマホや自動車なら試用したり、使った人のレビューを見たりして判断できるが、間取りはなかなかイメージしにくい。そのため専門家のアドバイスが役立つことも多い。
Q. 家事の時短につながる動線とは?
家事動線を短くすることが、家事の時短につながる。料理や洗濯など家事をする際の移動距離を短くし、最短ルートを目指すことが重要だ。

効率的な動線を作るポイントは「メインストリート」を作ること。家の中心部分に主要な通路を設け、そこから各部屋や2階へ分岐するように設計すると動線が整理しやすくなる。メインストリートの幅は70cm程度あれば、荷物を持っていても通りやすい。
賃貸の場合は、まず使いやすい動線を決めてから、それ以外の場所に家具を配置するとよい。あまり考えずに家具を置いてしまうと、通路が曲がりくねったり、邪魔になったりしがちだ。
Q. 洗濯の家事動線を効率化するには?
洗濯は多くの人が面倒に感じる家事だ。典型的な問題点としては、洗濯機の位置がリビングから離れていることが挙げられる。
例えば、1階にランドリースペースがあり、収納が2階にある間取りだと、階段を上り下りする負担が大きい。階段の上り下りは平面を歩くより3倍ほど負荷がかかるとされている。
理想的なのは、「洗う→干す→取り込む→畳む→収納する」という一連の流れが短い動線で完結すること。特に洗濯物を畳む場所は、テレビを見ながらや家族と話しながら作業できるリビング近くが望ましい。これにより洗濯だけに時間を取られず、他の活動と併行できる。
また、子どもにも洗濯の大変さを理解してもらうチャンスにもなるので、家族が集まる場所で行えることが重要だ。
Q. キッチンの間取りで後悔しやすいポイントは?
セパレートキッチン
シンクとコンロを分離したセパレートキッチンは見栄えがよく、2人で作業する場合も便利だが、実際の使い勝手を理解せずに採用すると後悔することがある。例えば、鍋に水を入れてコンロまで運ぶ際に危険だったり、切った野菜をざるに入れて運ぶと水滴が床に落ちたりする問題がある。

背面パントリー
食品庫としてのパントリーは注目されているが、キッチンの背面にパントリーを設けることで、キッチンの背面収納が犠牲になる場合がある。背面収納はすぐ振り返って使えるため動線的に重要で、パントリーと併用できる設計が理想的だ。
勝手口
昔ながらの勝手口は、現代の生活スタイルでは必要性が低下している。ゴミ出しなどの用途も、通勤途中に出すことが多くなり、使用頻度が低い。また、防犯上や断熱性の観点からもデメリットがある。用途をよく考えた上で設置を検討すべきだ。
キッチン前の小上がり和室
小上がり和室は子どもの勉強スペースなどに活用できるイメージがあるが、段差による危険性や、他の配置がしにくくなるデメリットもある。採用する際は、小上がりがない間取りとも比較検討するとよい。
Q. 最近のキッチントレンドは?
最近流行しているのは「キッチン横並びダイニング」。キッチンの前ではなく横にダイニングテーブルを配置するスタイルだ。配膳や片付けが楽で、料理の待ち時間にダイニングテーブルで他の作業もできるメリットがある。
ただし、このレイアウトはリビングの形状によって向き不向きがある。L型のリビングなどキッチン中心型の間取りに適しており、無理に取り入れると無駄なスペースができたり動線が悪くなったりする場合もある。
Q. 子育てしやすい間取りを目指すべき?
子育てのタイミングで家を建てる人は多いが、子ども中心の間取りにしすぎないことが重要だ。子ども用の手すりや隠れ家など、子どもが喜ぶ設備は賞味期限が短い。子どもは成長とともに世界が広がり、保育園児と小学生でも必要なものが全く違ってくる。
最も長く住むのは親自身なので、親にとって快適な間取りを優先すべき。親が快適であれば機嫌も良くなり、結果的に子どもにとっても良い環境になる。
Q. スタディコーナーの理想的な配置は?
リビング学習が注目される中、スタディコーナーの位置も重要だ。キッチンから死角になる位置だと、子どもの様子が見えず、サポートもしにくくなる。理想的には親の視線が届き、声掛けしやすい位置に設置すること。
ただし、子どもは自分が勉強しやすい場所で勉強するものなので、スタディコーナーを作っても必ず使うとは限らない。親も使える書斎的な空間として設計しておくと、将来的にも無駄にならない。
Q. 子育てと間取りで他に注意すべき点は?
子ども部屋と親の寝室は、適度な距離を保つことが大事だ。近すぎると親のプライバシーが確保できなくなる。子どもが小さいうちは近い方が安心だが、成長するにつれて問題が生じる可能性がある。

壁一枚で隣接していると、子どもがオンラインゲームで友達と話したり、電話したりする声が聞こえて、親の睡眠が削られることもある。1部屋分空けるか、収納を挟むなどの工夫をするとよい。
また、子どもの人数に柔軟に対応できる間取りも検討したい。3人に分割できる子ども部屋や、性別で分ける可能性を考慮した設計など、将来を見据えたシミュレーションが重要だ。