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世代を超えた熱狂の作り方
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2025年7月4日

TikTokからヒットが生まれ、デジタル化の波が押し寄せる音楽業界。 SNS時代の新たなヒット戦略、そして日本から世界へ羽ばたくアーティストを生むための秘策とは。 名門ワーナーミュージック・ジャパンで新たに舵取りを任された、41歳の若きカリスマ、岡田武士社長に話を聞いた。 <ゲスト> 岡田武士|...
41歳社長が語る音楽業界の勝ち筋 SNSが変えた音楽ビジネスの新常識
デジタル化やSNSの普及により、音楽の聴き方や楽曲のヒットの仕方が大きく変化している。CDが主流だった時代から、ストリーミングサービスやSNSを介した音楽との出会いが一般的になる中で、音楽業界はどのように変化し、そして今後どのような戦略が求められるのか。ワーナーミュージック・ジャパンの岡田武士社長に、現代の音楽業界の特徴と今後の展望について聞いた。

Q. 日本の音楽市場にはどのような特徴がありますか?
日本の音楽市場は世界で2番目の規模を持ち、韓国などより大きい。特徴的なのは、CDなどの物理的な商品が今でも多く売られている点だ。世界的に見ると、ストリーミングサービスが主流になる中で、CDとストリーミングが両立している国は日本くらいしかない。日本人は音楽に対する消費が多く、CDや映像作品を購入しながら、ストリーミングサービスも利用している。
Q. 現代の音楽業界でヒット曲を生み出すには、どのような戦略が必要ですか?
現代ではSNSマーケティングが非常に重要になっている。リスナーと音楽の「触れ合い」をどう作るかが鍵だ。特にTikTokやYouTubeなどのSNS上で、ユーザーが自分の動画に楽曲をつけて投稿するUGC(ユーザー生成コンテンツ)を通じて楽曲が広まるケースが増えている。

例えば、友人の旅行動画に使われている曲が気になり、それをストリーミングサービスで聴いてみるという流れが一般的になった。そのため、ユーザーがどのような場面で曲を使いたくなるか、また動画を見た人がその曲をさらに聴きたくなるような仕掛けを考えることが重要だ。
弊社ではデータアナリストのチームがユーザーの行動を分析し、どのようなマーケティング活動が効果的かを常に検証している。アーティストによって戦略は異なるため、それぞれに合ったアプローチを模索している。
Q. 従来の音楽宣伝方法と現在の方法は、どのように変わりましたか?
従来は新曲を出す際に歌番組に出演して楽曲を披露し、そこから認知が広がるというのが一般的だった。しかし現在は逆の流れになっている。まずSNS上で楽曲が拡散され、ある程度のボリュームになった段階で、テレビのような大きなリーチを持つメディアを活用する。
SNSで「聞いたことがある曲」がテレビで流れることで「あの曲はこのアーティストの曲だったのか」という「答え合わせ」が起こり、さらに認知が広がるという現象が起きている。
Q. 現代のヒット曲やヒットアーティストに共通する要素はありますか?
絶対的な共通項はないと考えている。むしろ、それぞれのアーティストや楽曲がオリジナリティを持ち、並列で存在していることが現代の特徴だ。ただし、最近の傾向として、小学生や子供が直感的に好きになれるような楽曲は大ヒットする可能性が高い。
例えば、ロゼとブルーノ・マーズのコラボ曲「アパトゥー」は、子供たちが歌詞の意味を理解していなくても口ずさむほど人気となった。本能的に働きかける楽曲は全世代的にヒットしやすい傾向がある。
Q. ワーナーミュージック・ジャパンの強みは何ですか?
ワーナーミュージック・ジャパンの強みは、国際的なネットワークを持っていることだ。ワーナーミュージックグループは世界中にあり、そのネットワークを活かして日本のアーティストが世界で活躍するためのサポートができる。
日本のカルチャーを好きな海外の人が増えている今、日本の音楽が海外で売れるチャンスは大きい。アニメや日本の食、ファッションなどと同様に、日本の音楽を好きになる潜在的な層は多い。それぞれの国に合わせたローカライズしたマーケティングを行うことが重要だ。
Q. 音楽業界が現在直面している課題は何ですか?
音楽業界全体の課題として、能動的に音楽に興味を持つ人が減少していることが挙げられる。現代は様々なエンターテイメントコンテンツに溢れており、音楽、ゲーム、映画など、人々の時間の奪い合いが起きている。
この課題に対しては、まず音楽ファンを増やすことが重要だ。音楽の強みは、ゲームをしながら、本を読みながらなど、他のコンテンツと組み合わせて楽しめる点にある。この優位性を活かし、現在音楽を積極的に聴いていない層にもアプローチしていきたい。
また、次世代のミュージックマン(アーティストをサポートする裏方)の育成も課題だ。アーティストの活動が多様化する中で、それをサポートできる人材を育成していくことが音楽業界の未来のために重要である。
Q. 41歳で社長に就任された立場から、今後のビジョンについて教えてください。
まずアーティストや取引先など、社外の方々に「選ばれる会社」になりたいと考えている。そのためには社員一人ひとりがプロフェッショナルであることが求められる。
現代では、アーティスト自身が様々なツールを使って活動できる時代になっている。そんな中で「ワーナーミュージックと仕事をしたい」と思ってもらえるような価値を提供することが重要だ。

また、若い世代の育成にも力を入れている。リスナーに近い感覚を持った若い人材がその感性を活かしながら仕事できる環境を整えることが大切だ。若い世代だからといって限定的な仕事だけでなく、マネジメントなど幅広い領域でチャレンジする機会を提供したい。
Q. 音楽業界を目指す若い世代へのメッセージはありますか?
音楽業界は若い人こそチャンスがある業界だと思う。キャリアも大切だが、感覚や実行力が結果を生み出す業界なので、若い人がフロントランナーとして活躍できる環境がある。

特に今は業界の変革期であり、若い人にとって非常にエキサイティングな時代だ。チャレンジ精神を持った人たちと一緒に働き、音楽業界の未来を創っていきたい。