教育新常識
東大生の家庭の9割は新聞購読している
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2025年7月3日

子育て・教育の新常識を一流講師から学ぶ。偏差値35から東大、漫画『ドラゴン桜』モデルの西岡壱諴氏に東大生の家庭の共通点を聞いた。 <ゲスト> 西岡壱諴|カルペ・ディエム 代表取締役/東大出身:漫画「ドラゴン桜」のモデル 1996年北海道生まれ 中学時代の成績は最下位、高校時代は偏差値35。「ゲーム...
子どもが頭いい子になる親子会話テクニック!東大生アンケートから判明した驚きのポイントとは
東大出身の作家・西岡壱諴氏が明かす「頭のいい子」の育て方。お金をかけずに子どもの思考力を育てる方法とは?偏差値35から東大合格した著者が語る、家庭で実践できる会話術と、東大生の家庭に「絶対ある」意外なものとは?

Q. 東大生の家庭に「絶対ある」ものとは何ですか?
新聞です。東大生を対象としたアンケート調査によると、実に9割近くの東大生の家庭で新聞を購読していたという結果が出ています。これは驚くべき数字です。
ただし重要なのは、新聞そのものではなく、新聞から生まれる「親子の会話」です。新聞には時事問題が掲載されており、それについて親子で話し合うことで思考力が養われます。テレビニュースだと表面的な情報だけですが、新聞ではなぜそうなったのかという背景まで詳しく書かれています。

例えば、「最近円安になって物価が上がっているね」といった話題から、「なぜ山梨県のガソリンスタンドは神奈川県より価格が高いのだろう」といった疑問について親子で考えることが、子どもの思考力を鍛えます。
Q. お金をかけずに頭のいい子を育てる方法は何ですか?
親子の会話です。これが最も重要で、お金をかけなくても実践できる方法です。特に重要なのは「因果関係を意識した会話」です。
例えば、「なぜ雨の日は傘をさした方がいいのか」という問いに対して、「濡れないから」という答えは表面的です。より適切な答えは「濡れて風邪をひいてしまうかもしれないから」のように、一段深い因果関係を考えることです。
また、「お年玉は貯金した方がいい理由」を考える際も、「お金が貯まるから」という単純な答えより、「後で本当に欲しいものが買えなくなるから」というように、より深い理由を考えることが大切です。
このような会話を日常的に行うことで、子どもの記述能力も高まります。最近の入試では記述問題が増えていますが、記述力は短期間では身につきません。日頃の会話の積み重ねが大切なのです。
Q. 頭のいい子はどのような特徴がありますか?
頭のいい子の特徴は「見えにくい学力」が高いことです。学力には「見える学力」と「見えにくい学力」があります。
「見える学力」とは知識量のことで、テストの点数に直結します。一方、「見えにくい学力」とは思考力、判断力、表現力のことです。
「見える学力」は伸びやすい反面、忘れやすいという特徴があります。例えば、歴史の年号などは一度覚えても忘れてしまうことが多いです。
それに対して「見えにくい学力」は伸びにくい反面、一度身につくと一生ものになります。東大入試でも、単なる知識を問う問題だけでなく、時事問題についての思考力や表現力を問う問題が増えています。
例えば、「オーバーツーリズムの問題を解決するにはどのような方法があるか、またその方法を実施することにどのような反対意見があるか」といった問題が出題されています。これは日頃から社会問題について考える習慣がないと解けない問題です。
Q. 東大生は親から「勉強しなさい」と言われていたのでしょうか?
意外にも、東大生の多くは親から「勉強しなさい」と言われていませんでした。アンケート結果によると、全く言われていない、またはほとんど言われたことがないと答えた東大生が合わせて42%もいました。日々言われていたと答えた東大生はわずか8%でした。
これは、小学校の時代に勉強習慣がついて、中学校に上がる頃には自分で考え、自分で決める力が身についていたからだと考えられます。
親が「これができていないから、次はここを頑張ろう」と具体的に指摘するのではなく、「この部分ができていなかったのはなぜだろう?」と子ども自身に考えさせる対応をしていたことが、自律的な学習態度につながったと推測されます。
Q. 子どもの質問にどう答えるべきですか?
子どもの質問に対して、すぐに正解を教えるのではなく、一緒に考えるプロセスを大切にすることが重要です。例えば、「なぜ水はもったいないのか」という質問に対して、すぐに「お金がかかるから」と答えるのではなく、子どもと一緒に考えてみることが大切です。

また、すべての質問に完璧に答える必要はありません。子どもに対して「100%理解させなければならない」と思う必要はなく、「今は5割でも10割でも理解できなくても大丈夫。もう少し大きくなったら分かるようになるよ」と伝えることも大切です。
インターネットで調べることも良いですが、「これが答えだよ」と結論だけを伝えるのではなく、調べるプロセスや思考の過程を共有することが重要です。例えば「同じような悩みを持った人がこんな調査をしていて、こういう結果が出ているみたいだよ」といった形で、考える楽しさを共有しましょう。
Q. 勉強は楽しいものなのでしょうか?
中学時代に勉強が楽しいと感じていた東大生は少数でした。しかし、東大に入った現在は「勉強が楽しい」と答える学生が多いのです。
西岡氏自身も、中学時代は成績が最下位、高校時代は偏差値35と低迷していましたが、ある音楽の先生から「自分の殻を破るようなことをやってみろ」と言われ、東大を目指すようになりました。
最初は勉強が楽しいとは思えませんでしたが、勉強のコツを掴み始めると、徐々に面白くなっていったと言います。彼は東大に2浪して入学しましたが、浪人時代は勉強が楽しかったと振り返っています。
このように、勉強のコツを掴み、自分で考える力がつくと、勉強は楽しいものに変わっていくのです。
Q. 東大生は「お受験ママ」の子どもが多いのでしょうか?
東大生の親が「お受験ママ」というイメージは誤解です。多くの東大生の親は、子どもに過度なプレッシャーをかけるのではなく、子どもの思考力を育てるサポートをしています。
前述のように、勉強を強制するのではなく、日常の会話の中で思考力を育むことが重要です。親が新聞を読み、社会問題に関心を持ち、子どもとの会話の中でそれらについて考えることが、結果的に子どもの学力向上につながるのです。

東大生の親は、子どもの「見えにくい学力」を育てることを意識的・無意識的に行っていたと考えられます。それは特別な教育法というよりも、日常の中での自然な会話や好奇心を大切にする姿勢から生まれるものなのです。
これらの知見は、子育てにおいて「何にお金をかけるか」ではなく、「どのように子どもと関わるか」が重要であることを示しています。高価な教材や塾よりも、親子の質の高い会話こそが、子どもの真の学力を育てる鍵なのです。