EDUCATION SKILL SET
【MARCHで一番稼ぐ学校はどこだ?】経営視点で見る名門校
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2025年7月8日

EDUCATION SKILL SET特別編。偏差値ではMARCH序列最下位の法政。しかし、経営視点から見ると明治と肩を並べられる?ゲストはダイヤモンド編集部副編集長の臼井真粧美氏。 <ゲスト> 臼井真粧美/ダイヤモンド編集部 副編集長 専門誌を経て、2006年より週刊ダイヤモンド記者。運輸、ホテ...
MARCHの中で最下位とされる法政大が「稼ぐ力」では3位!? 意外と知らない大学の裏実力
MARCHと呼ばれる明治、青山学院、立教、中央、法政の5大学。受験生から見た偏差値ランキングでは法政大学が最下位という印象があるが、経営指標で見ると意外な強さを持っている。偏差値だけでは見えない大学の実力とは?大学選びの新たな視点を専門家に聞いた。

Q. MARCHの中での序列はどうなっていますか?
現在のMARCHでは明治大学が頭一つ抜けている状況だ。親世代では立教大学のイメージが強かったが、今は偏差値や人気度で見ても明治大学が首位。早慶に行けなかった場合の次の選択肢として「明治だよね」と考える受験生が多い。

明治大学は2000年代に山下智久さんが入学した「ヤマピー効果」で女子学生が増加し、北川景子さんなど魅力的な著名人を輩出。かつての「男臭い大学」のイメージから脱却し、校舎の刷新などでブランドイメージも大きく変わった。
一方で「イケてる」イメージの青山学院大学は依然としてその地位を保っており、特にアナウンサー志望者には人気が高い。キャンパスの立地も表参道という恵まれた環境が魅力だ。
Q. 法政大学はMARCHの中でどのような位置づけですか?
偏差値から見ると法政大学はマーチの中で最下位に位置づけられている。日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)レベルの学生が上振れして合格するようなケースもある。
しかし、経営指標の観点からは全く異なる評価が可能だ。週刊ダイヤモンドが作成した裏成績表によると、法政大学は「稼ぐ力」(利益率)において60学校法人中でなんと3位という高い評価を得ている。これはMARCHの中では青山学院大学に次ぐ2位の位置づけだ。
また「稼ぎの規模」(売上高に相当)では60学校法人中14位で、MARCH内では明治大学(12位)に次ぐ2位となっている。さらに経常収支差額(利益額)は60学校法人中4位で、MARCH内ではトップという驚きの結果だ。
Q. 法政大学がこれほど「稼ぐ力」を持っている理由は何ですか?
法政大学の強さの秘密は、圧倒的な学生数と志願者数にある。学生からの学費収入や受験料などの収入が多いことが財務基盤の強さにつながっている。
法政大学は「滑り止め」として多くの受験生が選ぶ大学であり、有名度も高いため志願者数が多い。その結果として安定した収入を確保できている。
この資金力を活かして、キャンパス内の設備投資も積極的に行っている。最新のICT環境の整備や空調設備の刷新など、学生の学習環境の改善に取り組んでいる。また、2030年頃を目処に多摩キャンパスにある経済学部を市ヶ谷キャンパス(都心)に移転する計画もあるという。
Q. 明治大学はどのようにして現在の地位を築いたのですか?
明治大学の急上昇は、戦略的な経営努力の結果と言える。かつては立教大学と同程度の評価だった明治大学が、キャンパス戦略や学部再編などの投資を積極的に行った。
特に都心部の高層ビル建設や新しい学部の創設など、大胆な投資を続けてきた。このような投資が可能だったのは、堅実な財務基盤があったからこそだ。
また、明治大学は就職支援にも力を入れており、「就職の明治」と呼ばれるほど企業からの評価も高い。基礎学力の高い学生が集まるようになり、大学側のサポートも手厚いことから就職実績も向上している。
Q. 東洋大学の「年内学力試験」とは何ですか?
東洋大学は「公募推薦」という名目で、実質的には一般入試と同様の英語や数学の試験を年内に実施するという入試改革を行った。これは事実上の「一般入試の3ヶ月前倒し」であり、「青田買い」と呼ばれている。

この制度により、年内に東洋大学の合格を確保した学生は、その後は東洋大学より上位校だけを受験する傾向が生まれる。これによって東洋大学と同レベルの大学への出願が減少するため、他大学からは「抜け駆け」と批判されている。
この戦略は上位層の学生を早期に囲い込む効果があり、大学の偏差値向上につながる可能性がある。法政大学もこのような戦略を取り入れる可能性があるとの見方もある。
Q. 大学選びで財務指標を見ることの重要性とは?
従来の大学選びでは偏差値や就職実績、キャンパスの雰囲気などが重視されてきたが、大学の財務状況も重要な指標だ。財務基盤の強い大学は、設備投資や教育内容の充実に力を入れることができ、長期的に見て学生にとってより良い環境を提供できる。
例えば、明治大学のように財務基盤を活かして校舎やカリキュラムを刷新し、ブランド力を高めることに成功した例もある。逆に財務状況が悪化している大学は、将来的に学部の統廃合や合併などのリスクがある。
大学の経営が厳しくなる中、「大学を続けるなら黒字であれ」という考え方が今後さらに重要になる。親や受験生は現在の偏差値だけでなく、10年後を見据えて財務面からも大学を評価する視点が必要だ。
Q. 規模の小さな大学の生き残る道はありますか?
大規模総合大学に比べて小規模大学は厳しい状況にあるが、戦略的な差別化で生き残る道はある。特に女子大学など特定のカテゴリーの大学は、同じような傾向で経営が厳しくなっているケースが多い。

一方で、成城学園や成蹊学園のように、地域に根差した強固なファン層を持つ大学は財務的にも安定している例がある。これらの大学は東京ローカルの知名度があり、「きちんと教育を考えている」というイメージも定着している。
実際に就職実績を見ても、入学難易度は日東駒専と大差なくても、就職実績は明らかに良いケースがある。これは長年にわたって形成された大学のブランドイメージや同窓会ネットワークの強さによるものだ。
Q. MARCHで就職に強いのはどの大学ですか?
就職実績で見ると、明治、青学、立教(MAR)の3校が特に強い。明治大学は基礎学力の高い学生が集まるようになり、大学側の就職支援も手厚いため「就職の明治」と呼ばれている。実際に総合商社などの採用実績でも高い成果を出している。
青山学院大学はブランドイメージの高さとコミュニケーション能力の高い学生が多いことから企業からの評価が高い。立地の良さも就職活動においては大きなアドバンテージとなっている。
中央大学と法政大学はやや劣るが、中央大学は法学部を都心の市ヶ谷キャンパスに戻すなど、立地の改善に取り組んでいる。大学の立地は学生募集だけでなく、就職活動の面でも重要な要素となっている。
Q. 今後MARCHの序列は変わる可能性がありますか?
MARCHと日東駒専の間には「壁」があり、日東駒専がMARCHの地位に上がることは容易ではない。企業の採用においても「MARCH枠」が長年設定されており、この区分が簡単に変わることはないだろう。
しかし、MARCH内での序列は変動する可能性がある。特に法政大学は財務基盤の強さを活かした戦略次第では、現在の最下位から上昇する可能性もある。
また、大学の経営状況が厳しくなる中で、今後は大学の統廃合や再編が加速する可能性がある。親や受験生は現在の偏差値だけでなく、大学の持続可能性も考慮して進学先を選ぶことが重要になるだろう。