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日経平均4万円は実力か?参院選の注目は参政党
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2025年7月2日

一時4万円を回復した日経平均株価。この数字は実力値なのか?さらなる上昇は見込めるのか?トランプ関税交渉と選挙は株価にどんな影響を与えるのか?マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストに聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 博士(経済学)。社会構想大学院大学教授。国...
今後の日経平均株価と参院選の影響 - マネックス証券広木氏に聞く
日経平均株価は一時4万円台を回復し、最高値である4万2000円台への挑戦が注目されている。この動きの背景には企業業績の持ち直しや日銀の金融政策の変化があるが、7月の参議院選挙が株価に与える影響も無視できない。今回はマネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏に今後の日経平均株価の見通しと、参院選の影響について聞いた。

Q. 日経平均株価が4万円台を回復した理由は?
日経平均株価の4万円回復は理論的に十分説明できる動きだ。基本的な金融理論に基づくと、株価は将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いたものとして計算できる。この計算には日経平均の予想EPSと国債利回りに5%程度のリスクプレミアムを加えた割引率を使用する。

直近の日経平均株価は、この理論値とほぼ一致して動いている。この上昇の主な要因は2つある。1つは企業業績の上方修正で、日経平均の予想EPSが2500円まで持ち直してきたこと。もう1つは債券利回りの低下傾向だ。企業業績が上向き、それを割り引く金利が下がれば、株価が上昇するのは理論的に当然の帰結となる。

Q. 日銀の金融政策転換は株価にどう影響している?
日本銀行の金融政策スタンスが「タカ派」から「ハト派」へと変化したことが非常に大きい。特に注目すべきは、前回の金融政策決定会合で国債買い取り額の減額幅を縮小すると決定したことだ。
これまで日銀は月4000億円ペースで国債買い入れ額を減らしていく(量的引き締め)方針だったが、それを半分の2000億円に減らすことを決定した。つまり、金融引き締めのペースを遅らせると宣言したわけで、これは明確な「ハト派」への転換を意味する。
また、財務省も超長期国債の発行を減らす検討を始めるなど、日銀と財務省が協調して国債市場の需給改善に取り組んでいる。これにより金利上昇が抑制され、株価にとって追い風となっている。
Q. 日米通商交渉など国際政治の不確実性はどう影響する?
日米通商交渉の行方は依然として不透明だ。この交渉次第では日本企業の業績に悪影響が出る可能性があり、株価の下押し要因となるだろう。特にトランプ前大統領が日本の自動車政策に不満を持っていると伝えられており、交渉は難航することが予想される。

また、赤澤氏が7回目の訪米で米高官と会えなかったことに象徴されるように、現政権の交渉力にも懸念がある。交渉すらままならない状況では、今後どのような結果になるか予測が難しい。
このような不確実性があるため、株価が短期的に調整する可能性は十分にある。ただし、第1四半期決算発表を通じて企業業績の実態が確認できれば、再び上昇トレンドに戻る可能性もある。
Q. 参議院選挙の結果は株価にどのような影響を与えるか?
7月21日の参議院選挙は株価に大きな影響を与える可能性がある。従来、日本の選挙では「選挙は買い」という相場格言があり、与党が勝てば株価が上昇するパターンが多かった。これは政治の安定が投資家に評価されてきたためだ。
しかし、現在の岸田政権は経済政策において明確なビジョンを打ち出しているとは言い難い。このため、選挙の結果がどうなっても株価にとってポジティブな影響は限定的かもしれない。
特に注目すべきは、最近の都議会選挙で躍進した参政党のような右派政党の動向だ。日本でも欧米と同様に、物価高による生活不安から右派政党が支持を集める傾向が見られる。これまで政治的に安定していた日本において、こうした変化が起これば、海外投資家の日本に対する見方が変わる可能性がある。
Q. 自民党が参院選で敗北した場合の株価への影響は?
自民党が参院選で敗北した場合、過半数を維持できるかどうかがポイントとなる。仮に与党で過半数を割り込めば、維新の会などとの連立を模索することになるだろう。
これまでであれば政治の不安定化は株価にネガティブに作用したが、現政権が市場にとって効果的な政策を打ち出していない状況では、むしろ政権交代の可能性が株価を押し上げる可能性もある。
ただし、現実的には敗北しても岸田首相の辞任に直結するとは限らない。後継となる有力候補が不在の中、政権交代が起きたとしても、強いリーダーシップで経済政策を推進できる体制になるかは不透明だ。
Q. 今後の日経平均株価はどう推移すると予想するか?
短期的には4万円前後での推移が続くと予想される。参院選や米国の利下げ観測、第1四半期決算の内容など、複数の重要イベントが控えているためだ。
しかし、中期的には企業業績の回復と日銀のハト派姿勢が続けば、日経平均株価は4万1000円から4万2000円へとじわじわと上昇していく可能性が高い。政治情勢が不安定でも、企業自体が堅調であれば株価は上昇するだろう。
7月下旬から8月初旬にかけての第1四半期決算発表に注目したい。そこで業績の上方修正が相次げば、株価上昇の新たな材料となるはずだ。また、日銀が金融政策の正常化を慎重に進める姿勢を維持すれば、金利上昇による株価の下押し圧力も抑制される。