PIVOT TALK FOOTBALL
三木谷浩史に聞く、サッカービジネスの内実
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2025年6月13日

ヴィッセル神戸オーナーとして、連覇を果たした楽天創業者の三木谷浩史氏。サッカービジネスの可能性、オーナーの役割、Jリーグ・日本サッカーの改革論まで、PIVOTレギュラーメンバーが質問をぶつけた。 <ゲスト> 三木谷浩史|楽天グループ創業者 ヴィッセル神戸オーナー 2004年からヴィッセル神戸のオー...
日本のサッカービジネスは変革の時!三木谷浩史が語る成功の鍵
サッカーがグローバルスポーツとして成長を続ける中、日本のJリーグはどうあるべきか。楽天グループ創業者でヴィッセル神戸オーナーの三木谷浩史氏が、サッカービジネスの未来について語った。野球とサッカー両方のチームを所有する経験から、彼が考える日本サッカーの課題と可能性とは?

グローバルスポーツとしてのサッカーの魅力
Q. サッカーのグローバルスポーツとしての魅力はどのくらい大きいのでしょうか?
サッカーは唯一のグローバルスポーツと言えるでしょう。例えばエル・クラシコ(FCバルセロナ対レアル・マドリード)は10数億人が視聴しています。これはアメリカの最大イベントであるスーパーボウルの3〜4倍の視聴者数です。この規模感がサッカーがグローバルスポーツである証明になっています。

Q. バルセロナのスポンサーをされていましたが、宣伝効果はどうでしたか?
バルセロナのスポンサーをしていた時期(2017-2022年)は、ヨーロッパでのブランド認知度が約80%まで上昇しました。今でも「楽天さんのところだよね」と言われることが多く、宣伝効果は絶大でした。

クラブワールドカップの可能性
Q. 今年開催されるクラブワールドカップの影響をどう見ていますか?
これは非常に大きな可能性を秘めています。野球で言えばワールド・ベースボール・クラシックに似ています。最初は盛り上がりに欠けていましたが、今では真剣に取り組むべき大会になりました。クラブワールドカップも同様に、将来的にはワールドカップに匹敵するほどの大イベントになる可能性があります。

Q. 賞金規模はどのくらいですか?
賞金総額は約1,500億円です。52チームが参加し、単純計算で1チーム約30億円、出場だけでも15億円程度になります。これはJリーグのクラブにとってゲームチェンジャーになり得るでしょう。
Q. アメリカでの盛り上がりはどうですか?
実はアメリカはサッカー大国です。FIFAワールドカップの放映権料を最も支払っている国の一つであり、チケット購入数も上位です。子供の頃にサッカーをする人口も非常に多く、MLSの観客動員数はJリーグとほぼ同等です。アメリカでは4大メジャースポーツの陰に隠れていますが、今後のクラブワールドカップやワールドカップの開催でさらなる盛り上がりが期待できます。
Jリーグの成長戦略
Q. 日本のサッカーはどうすればグローバル化できると思いますか?
外国人枠の拡大は一つの大きな進歩でした。以前は1クラブ3人だった外国人枠が、イニエスタが来る頃には「オン・ザ・ピッチ5人」まで拡大されました。これにより様々な選手が集まるようになりました。日本は経済大国なのに、なぜこのような制限があるのかという議論がありましたが、少しずつ改善しています。
Q. 海外移籍と日本代表の関係についてはどう思いますか?
現在、ヨーロッパのクラブに行かないと日本代表に選ばれないという風潮があります。それも2部のチームでも行けば良いという状況になっています。アメリカなど他の国では、自国リーグと代表チームはワンセットで考えられ、ある程度は自国リーグから選ぶという不文律があります。日本ではこのバランスが非常に悪く、Jリーグと代表チームの関係を見直す必要があります。
Q. レッドブルによる大宮アルディージャ買収など、外資の参入をどう見ていますか?
基本的には良いことだと思います。外国資本が入ってくることで、資金が流入し、新しい経営方法が導入されます。もちろん全てのチームがそうなるのは問題ですが、日本は世界第3位か第4位の経済大国ですから、外国資本の投資は歓迎すべきでしょう。
Q. ヴィッセル神戸にも投資の話はありますか?
成績が出てきたので、買収や一部出資の話はあります。
サッカービジネスの課題と解決策
Q. 神戸を引き継いだ経緯を教えてください。
元々は東京ヴェルディのメインスポンサーをしていました。その後、神戸市から依頼があり、震災の影響で経済的に苦しくなったビッセル神戸を引き継ぎました。東京の会社が神戸のチームを運営するには理由が必要だと考え、「2部に落ちなければ引き受ける」と約束したところ、奇跡的に残留してしまい、結果的に引き受けることになりました。最初の10年間は個人で引き受け、100億円以上の損失(投資)がありました。
Q. Jリーグと野球の違いは何ですか?
野球はチーム名に企業名が入ることで、広告効果が大きいです。広告換算すると150億円から200億円の価値があると言われています。一方、サッカーはプレーヤー人口では野球を上回っているにもかかわらず、ビジネス規模では野球に大きく差をつけられています。サッカーはまだ「お茶の間」に定着していないのが現状です。

Q. Jリーグを大きくするために必要なことは何ですか?
コーポレートスポンサーシップの拡大、チケット価格の柔軟な設定、そしてスポーツベッティングの導入が重要です。現在のJリーグのチケット価格は、映画のチケットより安いケースもあり、ビジネスモデルとして厳しい状況です。サッカーファンは頭の中の2〜3割はお気に入りのチームのことを考えているのに、支出はそれに見合っていません。この不均衡を解消する必要があります。
Q. スポーツベッティングについてはどうお考えですか?
私は推進派です。ただし、ギャンブル依存症は深刻な問題なので、マイナンバーと連携させて1人あたりの月間賭け金額を管理するなど、仕組みづくりが必要だと考えています。
Q. イニエスタ獲得はどのように実現したのですか?
実はイニエスタは中国のクラブとほぼ契約が決まっていました。しかし、サインはまだだったので、すぐに現地に飛び、彼とその父親と直接話をしました。「これはビッセル神戸だけのプロジェクトではなく、衰退しつつある日本サッカー界、Jリーグを再活性化するプロジェクトだから協力してほしい」と伝えたところ、彼も賛同してくれました。日本に対する良いイメージも決め手になったと思います。
Q. アストン・ビラとの提携はどのように実現したのですか?
アメリカのサンバレーカンファレンスで世界のIT、メディア、スポーツ関係者が集まる場で、アストン・ビラのオーナーと友人になりました。お茶を飲みながらの会話から提携が実現しました。お金は一切支払っていません。この提携から、プレミアリーグの凄まじいフィジカルトレーニングや、選手ごとに異なる栄養・トレーニングメニュー、専門的なコーチング(セットプレイやスローインの専門コーチまで存在する)などを学ぶことができました。