PIVOT DOCUMENTARY
全米No.1中華料理チェーンからの洗礼...アメリカにリベンジ【鳥貴族・後編】
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2025年5月22日

既存ビジネスに捉われることなく新たな挑戦を続ける企業やビジネスパーソンに密着。スタジオトークでは描けない等身大の姿を映し出すドキュメンタリーコンテンツ。第一弾は創業40年で悲願のアメリカ出店に挑む焼鳥チェーン「鳥貴族」の戦略に迫る後編 <ゲスト> ・清宮俊之(鳥貴族USA CEO/エターナルホスピ...
「焼き鳥を世界に広める」米国版鳥貴族が描く壮大な野望
日本最大の焼き鳥チェーン「鳥貴族」が、ついにアメリカ・ロサンゼルス南部のトーランスにオープン。日本から海を越え、チキン大国アメリカに挑む彼らの密着ドキュメントから、オープン初日の様子と経営陣が描く壮大な計画について、Q&A形式でまとめた。

鳥貴族が出店 トーランスとは?
トーランスは、人口の15%が日本人と言われるほど日本文化が色濃く根付いている街。古くから多くの日系企業が進出し、温暖な気候に恵まれた場所だ。そんなトーランスに日本最大の焼き鳥チェーン「鳥貴族」が2025年にオープンすることになった。
大倉忠司氏(「鳥貴族」創業者/エターナルホスピタリティグループ代表取締役社長CEO)は「本当は昨年オープンする予定だったが、工事の関係で今年になった。私にとっては良かったと思っている。というのは今年、鳥貴族40周年。そのアメリカ1号店が40周年の年にオープンすることになった」と語る。
大倉氏は「焼き鳥を世界に広めようとすると、このアメリカだと思っている。アメリカで広めてこそ世界の焼き鳥になる」と意気込みを語った。
アメリカにおける焼き鳥の認知度
日本食の認知度はロサンゼルスでも上々だが、焼き鳥はまだまだ。経営陣が街でインタビューしてみると、アメリカでは日本の鳥料理の代表格は「照り焼き」であり、焼き鳥の認知度はまだ低いという現実が浮き彫りになった。

一方で、唐揚げの認知度は上がってきているという。清宮俊之氏(鳥貴族USA CEO/エターナルホスピタリティグループ取締役COO)らは、アメリカにある日本の唐揚げ居酒屋チェーン「ガブリチキン」を視察し、現地の反応を調査。
「唐揚げやっぱり好きなこちらの方。ただ、胸肉の方が圧倒的に人気で、日本人は好む胸肉はそこまで食べない。日本人は胸肉が好きではないか?こちらの方、海外の方は胸肉の方が好きなので」と清宮氏は語る。
アメリカ進出のパイオニアに聞く変化
エターナルホスピタリティグループがアメリカ進出第1号店として営業権を取得したロサンゼルスの焼き鳥店「HASU」の大将に、17年前にアメリカで焼き鳥店を始めた当時と現在の変化について話を聞いた。
「見たことないお客さんが非常に増えている。今はアメリカ人です。どこで知ったんだろうと思って。アメリカ人の方の比率が上がっていて、日本人の方が少なくなっている。企業で使われる平日の会社関係のお客さんが多いのでそれが若干減っている」と変化を語る。

客単価は変わらないものの、ファミリーが増えると「お酒が出ないので、焼き鳥中心になる。忙しくなるが売上はそこまでにならない」という。一方で「お酒が出た日は、焼き鳥があまり出なくても売上が良くなる」ケースもあるという。
「焼き鳥を喜んで食べてもらえると嬉しい。仕込みは大変だが、その分口コミでどんどん広がってくれたら嬉しい」と大将は語った。

鳥貴族USA幹部たちの思いと本音
清宮氏は「リベンジですね、僕の中では」と発言。その意味を問われると「一風堂時代にパンダエクスプレスと合弁の会社という機会があったが、結果的に合弁解散してしまったので失敗という風になってしまった。あれだけのチャンスを与えていただいてそれを形にできなかった」と過去を振り返る。
「パンダエクスプレスというグローバルカンパニーから教わったことが多い。オーナーや社員さんから本当によくしてもらって、本社にも2ヶ月間行かせてもらったり研修を受けさせてもらったりした。その時にいろんなものを教えてもらったのに結果で出せなかった。何らかの結果で出さないと恩返しできない」という思いがあるという。
「アメリカでは日系企業が30店舗できたら素晴らしいと思う。全米で。30店舗やっているところがあったら拍手ものですごいと思う。100店舗いったら奇跡。実は日系企業の実力は100店舗が限界だと思うが、100店舗いける企業もほぼない」と現状を分析する清宮氏。

そんな中で「1000という数字を見てみたいというのがある。全米で1000という数字をどこかが達成するとうちしかないのかな。1000という数字を見て死にたいという思いがある」と壮大な野望を語った。
オープン初日密着ドキュメント

午後5時、ついにアメリカ版鳥貴族がオープン。初日から多くの客が訪れ、スタッフは大忙し。
清宮氏は「おかげさまで結構来ていただいて、日本円に換算するとまあ100万円を超えたぐらい。それは結構ちょっと驚いた。正直何も告知していないので。日販で大体、日本円換算で50万円ぐらいと取れたらいいのかなと思っていたが、倍近かった」と手応えを語った。
「昨日は串がバーッと出たが、今日はラーメン、チョコレートパフェ、お好み焼き、唐揚げがラッシュだった。串と一緒に」と客層の違いも感じられたという。
今後のビジョン
「みんなが頑張ってくれていいお店になってきている。お客さんも入ってきているが、これから3店舗できたら終わりではない。これから全米で焼き鳥文化をどう広げていくか。一応第1フェーズはこれで安定化させたら終了だが、速やかに第2フェーズに移行しなければいけない」と清宮氏は語る。
「これをどう量産化するかを考えると、このモデルをアップデートするか変換しなければいけない。この変換とアップデートがこれから勝負」と次の展開に目を向ける。
「最低100店舗行って、100店舗行ってその先がさらに見えたら一つのゴールが見えてくるかな。100で止まるのではなく、100からあ、1000が見えるかもしれないという感覚になったら、多分結構勝ちいくさに乗ってくる」と、壮大な展望を描いている。
清宮氏は「ビジネスをやる上で一番必要なものは人に好かれるかだけだと思う。人に好かれるというか、人から必要とされる人間であるかということに尽きる」と語った。
鳥貴族の40周年という節目の年に、アメリカという新たな市場に踏み出した彼らの挑戦は始まったばかりだ。