マネー新常識
投資詐欺 遭ってしまった時の対処法【弁護士ドットコム山口紗貴子&小倉匡洋】
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2025年5月12日

三田友梨佳と後藤達也がタッグを組み投資だけでなく「教育資金」「老後資金」など日々の生活にまつわる正しいお金の知識を専門家が提唱する「新常識」を基に学んでいくトーク番組。今回は「投資詐欺」をテーマに弁護士ドットコム編集長・山口紗貴子氏と小倉匡洋弁護士が被害にあった際の対処法を解説
SNS型投資詐欺から身を守る方法 - 「簡単に儲かる」を疑え
SNS上で出会った見知らぬ人から「確実に儲かる投資がある」と持ちかけられ、お金を振り込んだら連絡が取れなくなった—。こうした「SNS型投資詐欺」の被害が急増している。被害額は平均で400万円から1500万円にも上り、高額になるほど回収は困難だ。誰もが被害者になる可能性があるこの詐欺から身を守るには?弁護士ドットコム編集長・山口紗貴子氏と小倉匡洋弁護士が詐欺の手口と対策を解説する。

Q: SNS型投資詐欺はどのような人が行っているの?
従来は暴力団関連の組織的な犯罪グループが詐欺を行うというイメージがありましたが、SNS型投資詐欺の場合は構造が単純なため、誰でも実行できてしまうという特徴があります。大学生が逮捕されたケースもあり、必ずしも暴力団関係者だけが加害者になるわけではありません。

被害者の認識では、相手は「投資家」だと思っている人が35%ほどいます。自称投資家や芸能関係者、単なる会社員と称することもあります。そのため、相手の言うことは絶対に信用しないことが重要です。
また、犯罪者が海外に拠点を置いているケースも多く、国境を越えた詐欺が増えています。以前は日本語が不自然だったことで怪しさに気づけましたが、現在はAIによる翻訳技術の向上により、きれいな日本語でやりとりができてしまうため、言葉の不自然さだけでは詐欺を見分けることが難しくなっています。
Q: どうして被害額が大きくなるの?

SNS型投資詐欺の被害額は平均して400万円から1500万円と高額になっています。これは詐欺師が段階的に投資額を増やすよう仕向けるためです。
最初は少額から始め、「投資が成功した」と偽の証拠を見せて信頼を得たり、恋愛感情を利用したりして、より大きな金額を振り込ませていきます。被害者は自分が詐欺に遭っているという認識がないまま、次々とお金を送金してしまいます。
退職金をすべて支払ってしまうケースもあり、特に高齢者の場合は自身の生活資金が削られてしまいます。こうした金銭的被害だけでなく、精神的な問題や家族関係の悪化など、あらゆる面で深刻な影響を及ぼします。
Q: 詐欺被害に遭った場合、お金は取り戻せるの?
残念ながら、いったん振り込んでしまったお金を取り戻すことは非常に難しいと考えた方がよいでしょう。その理由はいくつかあります。
まず、SNS型投資詐欺では加害者が誰かわからないことが多く、名前も顔もわからない状態では請求先が特定できません。また、相手が特定できたとしても、詐欺であることを立証するための証拠集めが必要です。単にお金を振り込んだだけでは詐欺被害と認められず、具体的なやり取りの内容などを示していかなければなりません。
さらに、相手が特定でき、詐欺と認定されたとしても、すでに財産を隠されていたり、組織の末端の人間しか捕まらなかったりすると、回収するお金がないという事態に陥りがちです。
被害にあった場合は警察や金融機関に連絡することが基本ですが、振り込め詐欺防止法による保護を受けられるケースもあるものの、詐欺集団がすぐに資金を移動させてしまうため、実効性は低いのが現状です。
Q: SNS型投資詐欺の新しい手口は?

手口は常に進化していますが、最近では「SNS型ロマンス投資詐欺」という複合型の詐欺が増えています。これはSNSで知り合った異性と恋愛関係になり、結婚の話などが出た段階で「二人の将来のために」と投資話を持ちかけてくるパターンです。
実際に会ったことがなくても、チャットだけのやり取りで恋愛感情が芽生え、相手を信頼してしまいます。「このお金があれば会いに行ける」などと言われ、感情的になって送金してしまうケースが多いようです。
また詐欺師はAIを活用し、「外国人として日本人の恋人から送金を受ける方法」といった情報を入手したり、被害者を騙すための効果的な文言を生成したりしている可能性もあります。
Q: 詐欺を未然に防ぐために注意すべきことは?
SNS型投資詐欺から身を守るために意識すべきことは主に5つあります。
1. SNSの投資話を疑う:簡単に大金が儲かることはありません。見知らぬ人があなただけに儲け話を教えてくれる理由を冷静に考えましょう。
2. 投資先を徹底的に調査する:会社のホームページや住所を確認し、不自然な点がないか調べましょう。例えば「中央区六本木1-1-1」のような明らかにおかしい住所が記載されていれば怪しいと考えるべきです。
3. 金融庁の登録業者かどうかを確認:投資業を行うには法的な登録が必要です。金融庁のホームページで登録業者リストを確認しましょう。ただし、登録業者名を騙るケースもあるため、登録があるからといって100%安心とは言えません。
4. 家族や知人と情報共有する:投資の話を他の人に伝えることで冷静な判断ができます。「それって知らない人から言われてどうして信じられるの?」と指摘してもらえる可能性があります。
5. 詐欺グループの巧みさを理解する:詐欺グループは非常に話が上手で、断れない状況を作り出すのも巧みです。自分の判断だと思っていても、実際は相手のペースに飲まれている可能性があることを認識しましょう。
Q: 親や知人が詐欺に遭っていると思ったらどうすればいい?
詐欺に遭っている人は、自分が詐欺被害者だという認識がないことが多く、「騙されていますよ」と言っても納得しないケースがほとんどです。
そのような場合は、弁護士事務所に一緒に行くという方法もありますし、詐欺に心理的にはまり込んでいる場合は医療機関につなぐことも必要かもしれません。「なぜ病院に行かなければならないのか」と拒否されることもありますが、一緒に同行するなどして少しずつ理解を促していくことが大切です。
最近ではAIを活用する方法もあります。詐欺かどうか判断しづらい案件をAIに投げてみることで、「これは詐欺の可能性が高い」という回答を得られれば、被害者の認識を変えるきっかけになるかもしれません。
Q: 詐欺を見分けるためのポイントは?
振り込む段階が最も踏みとどまれるポイントです。投資詐欺では個人の口座に振り込むよう指示されることが多いですが、正規の投資業者であれば法人口座への振り込みになるはずです。個人口座への振り込みを求められたら詐欺を疑いましょう。
また、詐欺の兆候として以下のような特徴があります:
- 「あなただけ」「今だけ」といった特別感を強調する言葉
- 短期間で簡単に儲けられると謳う
- 元本保証なのに高い利回りを約束する
- 「今なら◯%」など期間限定の高利回りをアピールする
詐欺グループは流行りのキーワード(暗号資産など)を巧みに使い、信頼性を装います。また、孤立している人が狙われやすいため、様々な人との繋がりを持つことも重要です。
何よりも重要なのは、詐欺の手口は日々進化しているという認識を持ち、常に警戒心を持つことです。今知られている手口だけでなく、想像もしなかった新しい手口が明日には現れるかもしれないという危機感を持ち続けることが大切です。