MONEY SKILL SET EXTRA
100倍株を見つけるメタトレンド投資/保有銘柄・情報源 公開【中島 聡】
(532)
3.0万回視聴
2025年4月29日

株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを一流のプロの講義を受けて学ぶMONEY SKILL SETの応用編。今回は「100倍株を見つけるメタトレンド投資」の方法を Apple・NVIDIA・テスラ株など大化け株を見抜いた投資家・中島聡氏に教わる。後編では、保有銘柄と企業リサーチをする情報源...
「日本株はダメですか?」中島聡氏が語る銘柄選びの極意と投資のタイミング
投資家・中島聡氏が実践する「メタトレンド投資法」の核心とは? テクノロジー企業への投資判断の決め手や日本企業の可能性について語る。「CEOの熱量に共感できるかどうかが重要」と話す中島氏の投資哲学に迫る。

Q: 中島さんが保有されているガチホールド銘柄を教えてください
GAFA関連株は一通り持っています。特にNetflixは昔からのユーザーで、DVDの時代からサービスを利用していました。オンライン配信に切り替わった時、妻が毎日のようにNetflixのドラマを見ていたので「これは来る」と確信しました。
CEOの発言内容も理解した上で、一般ユーザーとしての使用感と合わせて判断しています。Netflixの競合としてDisney+も一時期試しましたが、実際はあまり見ないのでサブスクリプションも株も手放しました。
他にはQualcommも保有しています。これはNVIDIAに対するヘッジという意味合いがあります。NVIDIAは強いですが、NVIDIAだけが勝つとは思えません。特にエッジデバイス側で、消費電力の低いチップを開発している点が評価できます。
また、投資先としてバークシャー・ハサウェイも持っています。ウォーレン・バフェットを尊敬していますし、リーマンショックの時の彼の行動を見て「こういう人は強い」と思いました。市場が上下する時に巧みに動ける人だと感じています。
Q: メタトレンド投資とは何ですか?どのように実践すればいいのでしょうか?
メタトレンド投資とは、これから10年、20年先に大きく成長する技術トレンドを見極めて、その波に乗る企業に投資する方法です。現在私が最も注目しているのは、人型ロボットとロボタクシー(自動運転タクシー)です。これらは確実に来るトレンドだと考えています。
実践するには、まず大きなトレンドを把握することが重要です。例えばロボット分野だと特定するなら、次にその中で自分が「推したい」と思える企業を探します。技術的な強みや競争力、そしてCEOのビジョンに共感できるかどうかを見極めましょう。
日本企業でも、モーターやアクチュエーターなどロボット用の部品で世界的シェアを持つ企業がたくさんあります。それらの中で「これからロボット用アクチュエーターで勝つ」と宣言する会社が出てきたら、そのCEOに夢を見ることができれば投資する価値があります。
トヨタやHondaなどもロボット技術を持っていますが、CEOがそこに突っ込む気でいるかどうかが重要です。もしトヨタがロボット部門を分社化して、ソニーや本田からロボット技術者を引き抜いてくるような動きがあれば、それは投資の好機になるでしょう。

Q: CEOの発言や技術理解度はどのくらい重要ですか?
CEOの発言や技術理解度は極めて重要です。特に技術企業への投資では、CEOが未来をどう語っているか、その言葉にどれだけ共感できるかが決め手になります。例えば日本の楽天は投資したくない理由として、三木谷氏が技術者ではなく銀行出身であることが挙げられます。技術者として魅力を感じないし、楽天が技術で伸びるとは思えません。
一方、私が日本人の中で特に尊敬しているのは孫正義氏とファーストリテイリングの柳井正氏です。彼らのビジョンや発言には強く共感できます。
技術の内容が理解できない場合は、私自身はピンとこなければ買わないようにしています。例えば医療分野は理解が難しいため、GLP-1(糖尿病・肥満治療薬)関連銘柄が急騰した時も、事前に知識はあったものの投資を見送りました。イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズに感じたような「ビビッと来るもの」がなかったからです。
自分自身がわくわくするもの、理解できるものに投資するのが基本です。たとえそれが「逃した魚」になったとしても、自分の投資スタイルを守ることが長期的には重要です。
Q: VR/ARグラスの将来性についてどう思いますか?メタに投資すべきでしょうか?
VR/ARグラス、特に軽いメガネタイプのARデバイスは悩ましいところです。来そうで来ないという印象がありますが、メタのRay-Ban製グラスはよくできています。今後人々がスマホからグラス型のウェアラブルデバイスに移行する可能性は十分あります。
メタについては「買っても良いのではないか」と思います。実際に私も再び買い始めています。メタはいい位置にいると思います。AIの発展においてはデータが鍵となりますが、大量のユーザーデータを持っているのはMeta、Google、Xといった企業です。OpenAIはそれほど持っていません。
また、将来的にARグラスが普及して、日常的に装着して音声アシスタントとして使う時代が来るとしたら、そこでいい位置を確保しているのがメタだと考えています。Appleも参入してくるでしょうが、メタの現在のポジションは評価できます。
Q: 中国企業への投資についてどう考えていますか?
中国企業は技術的には非常に魅力的です。BYDのEV技術やXiaomiのウェアラブル技術など、勢いを感じます。純粋に技術トレンドという観点では「買い」だと思います。
しかし、政治的リスクが非常に大きいです。政権の都合で企業が規制されたり、米中対立の影響で製品やサービスが国際市場で制限されたりする可能性が常にあります。
台湾のTSMC(台湾積体電路製造)なども同様で、技術的には素晴らしい企業ですが、地政学的リスクがあるため大きく投資するのは躊躇われます。少額分散投資にとどめておくのが賢明でしょう。
Q: NVIDIAの一強時代はいつまで続くと思いますか?競合は出てくるのでしょうか?
NVIDIAは非常に強い企業ですが、永遠に一強であり続けるとは限りません。実際に競合としてAMDも押さえておくべき企業ですし、Qualcommも消費電力の点で競争力があります。また、Groq(グロック)のような革新的なスタートアップも注目しています。
Groqは特にAI推論処理が強く、NVIDIAのサーバーよりも早く安く処理できるという強みがあります。現在MicrosoftなどがNVIDIAに支払っている膨大な費用をGroqに流すことを狙っています。
NVIDIAの一強体制が崩れるとしたら、このような新興企業やQualcomm、AMDなどの既存企業が新たな技術で競争力をつけてくる可能性があります。上場していない有望な企業にも常にアンテナを張っておくことが重要です。
Q: 量子コンピューターや核融合など未来技術への投資はどう考えますか?
量子コンピューターや核融合は非常に大きなポテンシャルを持っていますが、現実に普及するタイミングが不明確です。よく「あと10年で実用化」と言われ続けていますが、なかなか来ない技術でもあります。特に核融合は「もうすぐ来る」と何十年も言われ続けている状態です。
最近勉強したところ、核融合発電では熱を生み出してタービンを回す必要があるのですが、そのタービンを回すコストが太陽光発電のコストを下回れない可能性があるという指摘もあります。これを知ってから核融合に対するワクワク感が少し薄れました。
メタトレンド投資の観点では、10年後、20年後に「もしかしたら」という段階のものはまだトレンドとは言えません。実際に技術の普及が見えてきたタイミングで投資を考えれば十分です。

Q: 情報収集の方法について教えてください
私が有料で購読している価値があると思う情報源は、The Information、Bloomberg、そしてNew York Timesです。特にThe Informationはテクノロジー業界の深い情報を提供してくれるので非常に役立ちます。
例えばOpenAIのサム・アルトマンCEOが解任されかけた際にも、内部情報がThe Informationから出始めました。このような上場前の企業の情報も含めて、メタトレンドを捉えるための情報が流れてくるので重要です。
Xなどのソーシャルメディアも活用していますが、専門的な情報源からの情報は質が違います。また、私のメルマガでも読者から質問が来ることがあり、知らない企業について調べるきっかけになることもあります。発信することで情報が入ってくるという好循環も大切です。
Q: ビットコインなど仮想通貨についてはどう考えていますか?
ビットコインは金(ゴールド)に代わる法定通貨へのヘッジになる可能性はあります。しかし現時点では、安全資産としての役割はまだ金の方が確立しています。ドルや円が不安定だから安全なところに資産を移したいという場合、現状では金の方が信頼性があります。
ただ将来的にビットコインがさらに信頼され、時価総額が金と同等になる可能性もあるでしょう。私自身、金とビットコインを同額で積み立てるという分散投資アプローチを取っています。

一方で、Web3の世界でビットコインで物を買う時代やDAO(分散型自律組織)などについては、まだ少し懐疑的です。デジタルゴールドとしての役割は認めつつも、決済手段としての普及にはまだ時間がかかるでしょう。